概要
サンヌキカノとはネット怪談である。いわゆる「自己責任系」の、「読んだら呪われるといわれている」怪談である。
2009年1月16日の書き込みから始まる一連の流れは、以下のとおりである。
怪談の内容
投稿者は東北の田舎にある自宅にて、早朝に庭先に猿を発見した事から始まる。
しかしその猿は、人間と猿との中間的な姿をしていた。
投稿者と目が合った猿は、そのまま近づき近くに何かを置く。
それとともに、テレパシーのように猿の意思が、投稿者の頭の中に響いてきた。
『サンヌキカノ(?)というのが来るから、来たらこれを見せろ』
『自分で取ったと言えば向こうもくれるから、後は庭に埋めてしまえ』
そう伝えると、猿はそのまま去って行った。
そして置いた何かを見ると、それは人間の奥歯らしきものだった。
数日後、同じく自宅で昼寝していたら、庭先に老婆が現れる。
家族の知り合いなら、庭に直接来る事もあるが、その老婆は上品な着物を着ており、明らかに知り合いではなかった。
老婆は「サンヌキカノと申します」と自己紹介。にこにこと笑っていたが、投稿者は逆にそれが不気味に感じられた。
が、投稿者が「猿からもらった歯」を見せると、空気が変わった。
「どうしたんですか?」と尋ねてきたため、「取って来たんです」と返答。
「本当に?」と老婆は疑うが、投稿者は「はい」と答え、しばらく無言が続く。
笑顔が消えた老婆は、袖の中から何か出して足元に置いた。
置く時に中腰くらいに屈んだが、そのままの姿勢で、投稿者の目前から猛スピードで立ち去って行った。
庭に出ると、やっぱり歯が一本あったので、投稿者は洗ってから撮影(画像は見られない)。
夕方前には、投稿者は庭の空いた所に、歯を二本とも埋めてしまった。
次の日の今朝、歯を埋めた場所には雀の死骸があったが、投稿者の家族が捨てたらしい。
後に町内会の掃除があったので、投稿者が歯の事を聞いてみたところ。
老婆の名前は、忌み名らしいため、「人に話したりすると不幸が広がるので話すな」と言われた。
猿や老婆の正体は不明なままだったが、昔は死人の歯を一本抜いて、お守りにする習慣があったらしい。どこでも行われていたわけではなく、現在はもう続いていないが。
投稿者は「多分、猿は御先祖様か何かの使いで、婆さんから守ってくれたのか」と予想している。
なお、「もう名前を広めた」と話を聞いた際に言ったら、
「護符をやるから、名前を逆に唱えて祈れば厄も落ちる」と教えてもらった、との事。
その後
サンヌキカノから身を護る護符の写真などが、後にアップされるが、スレ住人たちの反応から「一連の話が『釣り』だった事を示唆するもの」だったらしい。
現在、アップローダーが消えてしまっているため、投稿者が最初に撮った『歯』の写真とともに、一切の画像が見られなくなっている。
よって、この話自体は作り話である可能性が高いが、完全にフィクションとも言い切れず、グレーな話と言える。
その正体の考察と類似した話
なお、一連の話の中に、レスを付けた者の中に、以下の書き込みがあった。
>サンヌキ、じゃなくサンノキなことはない?
母方の田舎で子供が駄々こねると、
年寄りが「サンヌキが来るよ、連れていくよ」と脅してたの思い出したんで。
>子供の時に年寄りから聞いた話しだから、うろ覚えなんだけど、
サンノキって妖怪?鬼みたいなのがいて、大声で泣いてる子がいると声を頼りにやってくる。
やって来る前に泣きやめばよし、泣きやまないと印を付けられる。
印をたどって夜にサンノキが家に来て、子供を攫おうとする。
戸締まりがしっかりしていればいいけど、窓や戸が開いてると攫われるから注意、だったと。
攫われなくても、印がついたら病気になるとか、そんなのも言われた気がするな。
また、「ザンヌキ」という類似した怪談も存在する。
件の話は、「ザンヌキ」という人物についての、意味の分からぬ噂を耳にして、災いが降りかかるという体験談である。
登場作品
原作のファイル10(アニメでは九話)に登場。
原典の通り、最初に猿が出て歯を渡すも、渡された当人は気味悪がって捨ててしまった。
そのため、原典のように怪異が終わらず、その後に巻き込まれた当人の周辺に不幸が重なる事に。更に、サンヌキカノの老婆が当人たちの前に現れ、
「歯をいただけなかったので、お渡しするわけにはまいりません」
「こうなっては、いただいていくほかございませんね」
そう言って、生きている人間から(超自然的な方法で)歯を抜き取っていった。