概要
田舎に住む当時中学生の語り手と、その友人のAとBからなる体験談形式で話は進む。
グレて怖い者知らずだった3人はBの家で起きた親子喧嘩を発端として、地元の森の中にある立ち入り禁止区域に侵入してしまう。おびただしい量の紙垂と鈴を提げた柵を越え奥に進んだ3人が目にしたものは、木と縄によって人為的に作られた六角形の空間と、中央に鎮座する錆だらけの箱。度胸試しと称して無造作に箱を開けてしまったB、そして彼を追いかけて六角形の空間に足を踏み入れてしまった語り手とAが見てしまったものとは…。
特徴
上半身は6本の腕を持った人間の女性の姿、下半身は蛇の姿をしているとされる。
普段は山奥の封印された区画に棲み、滅多に人前に姿を見せないが、封印を害した人間の前には姿を現して危害を加えると云い、特に蛇の下半身を目撃した者は決して助からないと云われている。
「姦姦蛇螺」または「姦姦唾螺」は古くからの名称であり、俗称は「生離蛇螺」または「生離唾螺」。現代では単純に「だら」と呼ばれることが多い。
「姦姦蛇螺」にまつわる話
昔、とある村を襲った人喰い大蛇に困り果てていた村人たちは、神の子として様々な力を代々受け継いでいたある巫女の家に退治を依頼した。間もなくして、一族の中でも飛び抜けて強い力を持っていた一人の巫女が大蛇退治に派遣されてきたが、激しい戦いの最中に下半身を喰われてしまう。
それでも村人たちを守ろうと必死に立ち向かい大蛇を苦戦させるも、もはや敵わぬと見た村人たちはなんと「その巫女を生け贄に捧げるので村を去ってくれ」と提案。散々苦しめられて恨み骨髄だった大蛇もこれを受け入れ、食べやすいように巫女の両腕を村人に切り落とさせてそのまま喰い殺してしまった。さらにおぞましいことに、この惨劇は優秀な巫女を疎む彼女の家族が村人を唆したゆえに起きた計画的なものだった事が後に明らかになった。
その後約定通り大蛇は去り、村には平穏が訪れたかに見えた。
……だが、しばらくすると異変が起き始めた。
脅威がなくなったはずの村の中で村人が次々と命を落とし始めたのだ。巫女の家族、大蛇の指示で巫女の腕を切り落とした者たちに始まり、他の村人たちも次々と不可解な死を遂げ、死者は巫女の家族6名と村人12名の合計18名となった。死んだ者達はみな右腕、左腕のどちらかが無くなっており、村の中で生き残ったのはわずか4名だけだったという。
周辺の人々は巫女の怨念だと恐れ、生き残った4名は怨念を鎮めるためあらゆる手法をかき集めて巫女を封じ込める以下の儀式を編み出した。
・山もしくは森の中に6本の木と6本の縄(殺された村人12名を表す)を用いて六角形の空間を形成する。
・中央の地面に箱を置き、中に6本の棒(殺された巫女の家族6名を表す)で「/\/\>」という形を作り、四隅に壺(生き残った村人4名を表す)を設置する。この棒の形は巫女の姿を模しているらしい。
・儀式は一定の周期で場所を移して行わなくてはいけない。
・絶対に棒の形や六角形の空間を崩してはならない。
余談
語り手達が立ち入り禁止区域で出会ったのは、上記のような6本の腕を持った女性というまさに「姦姦蛇螺」そのものな異形だったが、話の後半で語り手たちが訪れた神社の話では、これは「姦姦蛇螺」ではなく巫女のほうであると教えられる。巫女と「姦姦蛇螺」は同一の存在であり、別々の存在でもあるということらしい。
また、本来箱の中の棒を動かして「/\/\>」の形を崩した時点で怨念を浴びてしまう=「姦姦蛇螺」が現れ下半身を見てしまい死に至るものなのだが、なぜか語り手らは彼女の下半身を視認することができず辛くも生き延びることができていた。
神社の関係者は「命を奪う意志がなく、お遊戯程度の気持ちだったのだろう」と結論付けたが…なぜ結界の中に踏み入り箱の中身をかき乱した語り手たちが全員見逃されたのかは謎なところである。
関連項目
原作レイプ:ピクシブでは当然のごとく怪談が猥談になってしまったイラストが投稿されている。お前ら人間じゃねぇ!!
また、アニヲタwiki(仮)の当該記事には実写版について軽く触れられているが、悪い意味で大幅改変がされているとのこと)
裏世界ピクニック:原作のファイル5、およびアニメ11・12話に、怪異として登場する。
令和のダラさん:姦姦蛇螺を主人公にした漫画作品。公式連載化にあたって名称は「屋跨斑(やまたぎまだら)」に変更されている。