あらすじ
数年前、ふとある村の事を思い出した。
一人で旅行した時に行った小さな旅館のある村。
心のこもったもてなしが印象的だったが、なぜか急に行きたくなった。
連休に一人で車を走らせた。
記憶力には自信があるほうなので、道は覚えている。
村に近付くと、場所を示す看板があるはずなのだが、その看板を見つけたときあれっと思った。
「この先○○km」となっていた(と思う)のが、「巨頭オ」になっていた。
変な予感と行ってみたい気持ちが交錯したが、行ってみる事にした。
車で入ってみると村は廃村になっており、建物にも草が巻きついていた。
車を降りようとすると、20mくらい先の草むらから、頭がやたら大きい人間?が出てきた。
え?え?とか思っていると、周りにもいっぱいいる!
しかもキモい動きで追いかけてきた・・・。
両手をピッタリと足につけ、デカイ頭を左右に振りながら。
車から降りないでよかった。
恐ろしい勢いで車をバックさせ、とんでもない勢いで国道まで飛ばした。
帰って地図を見ても、数年前に行った村と、その日行った場所は間違っていなかった。
だが、もう一度行こうとは思わない。
怪異の概要
2006年2月22日に、2ちゃんに投降された「怖い話」。
山奥で迷い、人気のない廃村に辿り着くと、そこで怪奇な存在に遭遇した・・・・・・という、典型的な怪談話である。
「巨頭オ」は、この話に登場する看板に書かれていた文字であるが、転じて、この怪異に登場する「頭でっかちの人間」の事も表す。
本怪談に登場する、大きな頭の人間の正体は何か、それは最後まで明らかにならず、後日談なども無い。
考察などでは、
:「巨頭オ」の「オ」は、もともとは「村」の文字だったのが、かすれてしまい、カタカナの「オ」に見えるようになったのではないか。つまり、元は「巨頭村」だった。
:そしてここは、元々そのような巨頭の人間が住んでいた場所だった。話の語り部は、偶然迷い込んでしまったのだろう。
といった見解も見られる。
異様な存在が集団で、頭を激しく振りながら迫ってきたため、この怪談の語り部たる主人公は車をバックさせ、そのまま逃走。そのため、もしも追いつかれていたらどうなっていたのかは不明。
実際に目撃された看板
しかし、2018年夏、「巨頭オ」と書かれた看板の写真がツイッターに投稿された(当該の投稿は、現在削除されたのか閲覧不可)。
投降者によると、鹿児島県の金峰山付近の林道の脇に偶然発見したとの事で、その時点では怪談の「巨頭オ」の事は知らなかった模様。
この件は、あるライターが実際に行って確かめて、記事にまとめられている。
※外部リンク
https://otakei.otakuma.net/archives/2020052602.html(前編)
https://otakei.otakuma.net/archives/2020052603.html(後編)
結論から述べると「巨頭オと思しき看板は見つからなかった」。
しかし、金峰山に関する歴史や民話を調べていくうちに、周辺地域の歴史や信仰、ロマン、神秘性を学べたとの事。
ただし、
「行っても(看板および巨頭オに関する事は)何もない」
「すぐそばにある集落は決して『廃村ではありません』。肝試しに行く場所でもなければ、人が大挙して訪れる場所でもありません」
と、注意喚起をしている。
関連イラスト
関連作品
:アニメ版3話「巨頭の村」にて、巨頭オが、原典の怪談のように大量に出現した。登場した巨頭オは、人型の、キノコにも見えるクリーチャーのように描かれ、のっぺりした顔には目があるのみというデザインになっている(イラスト参照)。
また、出現前に廃村の小屋の一つに入ると、
「ちゃぶ台に、異様な写真が入った写真立てが置かれ、その写真の前には供え物のように『白飯が盛られた茶碗』が三つ、お鈴とともに置かれている。お鈴には鈴棒が無く、白飯の一つには箸が三本差されている」
という、異様な光景が広がっていた(これは原典の怪談には見られないため、アニメオリジナルの要素と思われる)。
第一章にてきさらぎ駅に迷い込んだ神代由佳が「巨頭……オ」と書かれた看板を目撃している。そこから少しイベントを進めるとボスとして登場するが、戦闘するのではなく巨頭オを誘導し、道を塞ぐ金網を体当たりで破壊させることになる。
ちなみに外見は、異様に頭のでかい巨人。構えた後に頭を突き出すようにして突進攻撃を仕掛けて来る。