「ボスの教え子よ…貴様にまだ見たことのない本当の恐怖を見せてやろう…俺の巣の中で…」
概要
CV:田中和実
「至純の恐怖」ザ・フィアーをコードネームとしている。手足が異様に長い長身痩躯の男で、二股に裂けた舌や爬虫類のような黄色い瞳、白髪交じりの頭髪などが特徴。
武器としてボウガンを用いており、威力は低いが速射が可能な近距離用の「リトルジョー」と、連射こそ出来ないものの高い威力と弾速を誇る「ウィリアムテル」の二挺を使い分けて戦う。通常の矢の他に、矢に手榴弾を付けて放ったり、「クロドクシボグモ」という毒蜘蛛の毒が塗られた毒矢を放つこともある。
両肘の関節が二つあるという特異体質のためか這うように木を登って木々を飛び回ることが出来、水面を走る等もできる。そしてもう一つの呼び名「蜘蛛兵士」の通り、バーチャスミッション初登場時や戦闘時に行う逆さ吊りでの襲撃、スネークに敗北後披露するまさに蜘蛛の巣を思わせる姿と、ワイヤーロープを用いた行動にも長けている。
また周囲の光の屈曲率を変えて周囲へ溶け込むステルス迷彩を着用しており、肉眼での視認は困難。これら人間離れした身体能力とステルス迷彩を用い、居場所を悟られること無く接近、攻撃することを得意とする。
しかしステルス迷彩の欠点として体温は消せないため、熱感知式暗視装置を着ければ容易に居場所がばれてしまう。
またザ・フィアーの使用するステルス迷彩は迷彩効果の発揮と引き換えに大量のスタミナを消費してしまうため長時間の継続使用は不得手であり、戦闘中でも辺りの食べ物を拾い喰いするので腐った食べ物や毒性のある動植物を置いて食べさせることでスタミナ回復を防ぎ、同時にダメージを与えることができる。
TNTやクレイモアは仕掛けてもザ・フィアーに見破られ矢で処理されてしまうため無意味。その代わり、仮死薬を使用すると相手を油断させることができる。
敗れた後は破片手榴弾のように大量の矢を全方位にばら撒きながら自爆する。
スタミナキルによりスパイダー迷彩を入手できる。スタミナ消費のペナルティもそのままで、その消費速度はEZ-GUNでの回復が追いつかない程。どうしてもさっさと抜けたい場所での最終手段として短時間の使用に止めなければ、腹の虫で居場所がバレまくることになる。
余談であるが、ザ・フィアーの攻撃やトラップによって刺さった矢を摘出せずに完治してしまうとその矢を外すことができなくなり、エンディングまで刺さりっぱなしになってしまう。
MGS3はリアルタイムデモであるために服装やペイントだけでなく刺さったままの矢もそのまま映り込んでしまい、矢の刺さった位置によっては緊張感のあるシーンや感動的なシーンも台無しとなり笑える光景になってしまう。完全版のサブシスタンスでも修正されなかったため、仕様だと思われる。
ノベライズでは
母国はフランスで、賢者達と関わりのある主家に仕え、代々狩猟番を勤めていた家系の出身。
主家の当主と共に彼の父が暗殺されたことで居場所を失い、傭兵として世界中を転戦していたところを賢者達に拾われ、スペイン内戦に参加したコブラ部隊へと加入する。
その特殊技能から1944年のクリスマス前、OSS(戦略情報局)の立案した作戦を成功させる為、アルデンヌ地方で訓練教官としてドイツ人技術者を拉致する特殊作戦チームを訓練していた。
後のペーパークリップ作戦と呼ばれる計画の最初の人員たちだが、その中にスパイが大勢混じっており、ドイツ軍特殊部隊の奇襲と内通者により彼一人を残して全滅。
敵の恐怖、森の中に独り生き延びた恐怖、訓練兵達を見殺しにした自身への恐怖、それらの恐怖を生き延びたことでザ・フィアーを名乗るようになったという。
ヴォルギン配下のスペツナズに対しても隠密行動や罠の訓練を行なっている描写があり、ゲーム中でスネークと交戦することになった罠の訓練場もその一環であったとされている。
ノベライズでは弟子となる配下のスペツナズと共に訓練場でスネークを襲撃するが、配下のスペツナズ共々敗北している。
ゲーム中のステルス迷彩の効能について、ゲーム中のように消えるのではなく気配が非常に薄くなるザ・フィアー個人の能力として描写されており、「目に見えているのに幻かと疑うほどに気配がない」と表現されている。