概要
『リトルナイトメア』の主人公であり、続編『リトルナイトメア2』にもメインキャラとして登場する。
机や椅子等の家具より小さい体躯、フード付きの黄色いレインコート姿が特徴。全身を覆うコートのおかげで一見して性別は分かりにくいが、上述の通り女の子と紹介されている(原文では"child"かつ"she")。
リトルナイトメア
公式サイトの紹介に曰く、「謎の場所『モウ』の奥深く、闇の中でも一番のくらやみに独り囚われた女の子」。
ほっそりとした体格に見合わず、箪笥の取っ手に器用に足をかけてよじ登ったり、滑車のフックにぶら下がり、部屋を横断するなど決して低くない身体能力の持ち主。《モウ》の各所にいる不気味なキャラクター達に遭遇しても悲鳴をあげたり動揺する素振りもなく、相当に肝も座っているようだ。
しかし常時飢餓感に苛まれており、時おり限界を超えると蹲って動けなくなってしまう。
リトルナイトメア2
今作ではNPCとして登場。
漫画版によると、《ハンター》から逃亡中にモノと出会い、油断したところを捕まってしまい小屋の一室に監禁されたようだ。
前作でも流れていた《シックスのテーマ》が流れるオルゴールを回して聞いており、モノによって救出された後は共に謎の街を彷徨うことになる。
途中でレインコートを見つけ、前作と同様の恰好になった。今作ではモノと行動時、前作のような飢餓感の描写はないのだが…。
素顔はやはり不明だが、髪型は黒いショートヘアと判明した。
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彼女の真実
以下、ネタバレ注意
リトルナイトメア
各ステージごとにシックスは一度ずつ、空腹で動けなくなってしまう。
最初は顔もわからぬ誰かに恵んでもらったパンの欠片で飢えをしのぎ、二度目は《管理人》が仕掛けた罠肉を口にする。そしてステージ《台所》では、ネズミ捕りにかかったネズミを生きたまま食らった。
これがきっかけとなってしまったのか、ステージ《ゲストエリア》ではソーセージを持って来てくれた友好的なノーム、果てはラスボスの《レディ(The Lady)》と明確に生きた相手を食い殺すようになってしまった。
そして《レディ》を食らったシックスは周囲の暗闇を吸収していき、《レディ》のそれに似た超常の力を得てしまう。
その力で、道中襲いかかってくる《ゲスト》達から逆に「黒いモヤのような何か」を吸い取り殺害しつつ、シックスは《モウ》の外へと去っていくのだった……。
この飢餓感、及び捕食行動やエンディングの展開についても謎が多く、ファンの一部によって考察がなされている。
以下、更なるネタバレ注意
リトルナイトメア2
《いじめっこ》を一人で襲撃し、密かに人形の指を歪に曲げ、焼却炉に燃える《ドクター》で暖をとる。
モノと彷徨いながら、シックスの行動は徐々に狂気染みていく。
《ノッポ男》に執拗に追いかけられ、捕まってしまったシックス。モノが救出に現れた時、彼女は異様な長腕の異形となってオルゴールを聞いていた。
モノに呼びかけられる事でオルゴールを差し出してくれる…が、そのオルゴール自体が彼女の異形化の鍵であるらしく、破壊する事でシックスは元の姿へと戻った。
同時に世界が崩壊し、目玉だらけの肉塊に浸食されていく中、二人は必死に外へ駆け出し、崩れる道を走る。途中、モノが転落しかけたとき、シックスはその手を掴んだ。
が、シックスは彼の手を離してしまう。
モノは奈落の底へ落ちていき、シックスは独りで出口へ向かう。
悪夢から脱出したシックスの目の先。そこには自身とそっくりの真っ黒い影と、《モウ》のポスターがあった…。
そして、影が消えた時、シックスに異常なまでの空腹感が襲いかかった所で暗転する。
様々な考察
以下の内容は公式のものではなく、ファンの間での考察の一つに過ぎない事に留意すべし。
暴食の罪
- シックスの名前はキリスト教における《七つの大罪》の六番目、《暴食》を指しているという説が日本語圏にある。
- ただし七つの大罪(seven deadly sins)に決まった順番は無い。《暴食》の罪は四番目にも五番目にも並べられる(出典)。
- 飢餓感と超能力は《暴食》にちなんだもの。恐らく、エンディングでは《ゲスト》たちの魂を食い荒らしていたのだろう。
- 《暴食》の幻獣はケロべロスであり、シックスはオルゴールを大事にしている。そして2ではシックスの尾骨が伸びており、途中で仕草も犬のようになっている。飢餓に苦しんでいるのは、彼女自身がケロべロスと化しているから?
- 2では裏エンディングまで一切飢餓に苦しんだ様子はなく、1の異常なまでの空腹感は《ノッポ男》に捕まって影と分離した、あるいは深淵に取り込まれかけた事が原因という考察もある。
《レディ(The Lady)》との関係
- 公式サイトの紹介に曰く。「モウの飢えは彼女の飢え。モウの渇きは彼女の渇き。」《レディ》と《モウ》が食欲という一点で同じ苦痛を受ける描写は、暴食と通じる。
- 《モウ(maw)》自体が「胃袋」を意味する名詞であり、特に書き言葉では「すべてを飲みこんでしまう口」・「奈落」・「中に引きずり込んで破滅させるもの」をも意味する。
- 《レディ》の鼻歌はシックスが空腹のときに流れるBGM。
- 《レディ》を倒すため、鏡を掲げる回数は6回。一方で《2》では、モノがシックスのオルゴールを壊すために、斧を叩き付けた回数も6回である。
- 《レディ》の部屋をよく見ると、黄色い服を着たシックスらしき少女の肖像画がある。逆に電波塔で異形のシックスがいた部屋には、《レディ》の部屋に飾られていた人形や肖像画がある。
- 序盤に《レディ》が悪夢として登場した後、彼女をシックスが捕食して振り向く演出が酷似している。
- 《2》をクリアするとモノは《ノッポ男》の帽子を入手するが、初代ではある条件を満たすとシックスが《レディ》の仮面を入手する。
- リトルナイトメア2のラスボスの正体が《ノッポ男》=モノであった点を踏まえれば、前作のラスボス《レディ》とシックスもまた、同一人物であっても不思議ではない。
モノとの関係
- 1(モノ)+6(シックス)=7で《七つの大罪》の《色欲》の罪となるという説。
- 実際には《色欲》は、三番目にも四番目にも置かれる(出典1)。
- 同時に《7》は七つの大罪そのものを示せる→大罪の完成になる説。
- また《7》はラッキーセブンと言うように、「幸運の数字」や「聖数」ともされる(出典2・出典3)。世界的に《7》は重要な象徴であり、一神教でも神は世界を6日間で創造し7日目に休んだため「学者達の発見では、聖書において数字の7がしばしば完全性や網羅性を象徴する(Scholars have found that the number seven often represents perfection or completeness in the Bible)」という。
- 漫画版で二人が出会ったとき、お互いを強く見つめ合う描写がある。
- シックスはモノにオルゴールを渡す程、彼を信頼していたと思われる(最初はモノが紙袋を脱いでいたせいで気付かなかったのか警戒していたが、モノの呼び掛けに反応してオルゴールを差し出した)。
- 《首吊り男》の遺書と《レディ》の部屋には同じ手紙が置いてある。成長しても二人の関係は続いていた?
- モノはシックスに強い執着心を抱いたままで、それがリトルナイトメア2の世界に繋がっているという考察がある。
- モノの手を離したのは、「モノの素顔を見てノッポ男に似ていることに気付いたから」という考察がある。シックスが立ち去る時よく見ると、涙を拭っている様にも見える。「大事にしていたオルゴールを壊したから」という考察もあるが、それならば落ちそうになるモノを無視する事もできたはずである(もっとも、それでも助けようとしたが気が変わったという解釈もできる)。
- モノと彷徨う中でシックスは徐々に異常な行動を起こすようになり、逆に監禁されていた序盤と巨大化した終盤で手元にあるオルゴールの音色を聞く彼女は大人しく落ち着いている。オルゴールの存在はシックスの精神に大きな影響を与えていると思われ、それを知っている《ノッポ男》が彼女の捕獲後に与え、再び心を静めさせたとも考えられる。
- 《レディ》は老いた己の顔を疎んで施設内の鏡を割り、現実から背けるように仮面を嵌め、黒髪をとかし続けていた。その行動から若さへの執着が窺え、《首吊り男》が同じ「モウ」にいた事から女として彼を意識していたという見方もできる。更に赤子の人形を愛でていたのは好いた男との赤ん坊が欲しかったといった考察もできる。(《首吊り男》=《ノッポ男》だったとする)
- 《ノッポ男》が時空間を操る能力の持ち主であったと仮定して、《レディ》=「別の時空の未来のシックス」であるなら彼女は《ノッポ男》=「別の時空の未来のモノ」によって間接的に殺されたという事になる。