概要
『マルコ・ポーロの冒険』とは、NHKで放送されたアニメ番組である。
ドキュメンタリー実写映像が番組内で放送されることから、正式名称は『アニメーション紀行 マルコ・ポーロの冒険』となっている。
原作 | マルコ・ポーロ『東方見聞録』 |
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監督 | 藤田克彦/松村浩志/村上憲一/中村哲志/酒井和行 |
キャラクターデザイン | 杉野昭夫 |
音楽 | 小椋佳/小野崎孝輔 |
制作 | マッドハウス |
放送局 | NHK総合 |
放送期間 | 1979年4月7日 - 1980年4月5日(全43話) |
あらすじ
1271年、イタリアのヴェネツィアに暮らしていた17歳の少年マルコ・ポーロは父ニコロと叔父マテオに随行して東方へ旅立つことになる。道中でマルコは様々な体験や色々な人々との出会いと別れ、冒険を繰り返しながら成長していく。
主な登場人物
ヴェネツ゚ィアに暮らす少年。長く家を空けた父・ニコロと確執があったが旅を続けることで和解、モンゴル帝国到着後、長きに渡って大ハーン・フビライ・ハーンに仕える。
- ニコロ・ポーロ(CV:久松保夫)
マルコの父。
- マテオ・ポーロ(CV:富田耕生)
陽気な性格のマルコの叔父。
- シャリフ(CV:納谷悟朗)
ニコロ・マテオ父子の隊商を守る護衛隊長。マルコに旅の厳しさを教え、親子で旅を続けることを秘かにうらやむが、マルコをかばって旅の途中で死す。
- フビライ・ハ-ン(CV:森山周一郎)
モンゴル帝国第5代皇帝。一介の旅商人にすぎないニコロ・マルコ父子を重用する懐の深さをもつ。
- コガタイ(CV:石丸博也)
フビライに仕える将軍。マルコの親友。
- コカチン姫(CV:鈴木弘子)
モンゴル帝国の姫君。マルコに想いを寄せる。
主題歌
オープニング - 「いつの日か旅する者よ」
作詞・作曲 - 小椋佳 / 編曲 - 小野崎孝輔 / 歌 - 小椋佳
番組で使われたのは3番の歌詞。
エンディング - 「大空から見れば」/「また旅支度」/「それが夢ならば」/「誰でもいいから」/「蒼き狼」
作詞・作曲・歌 - 小椋佳 / 編曲 - 小野崎孝輔 ※使用はランダム
アルバム『マルコ・ポーロの冒険』は1979年6月1日発売。上記OP、ED曲(「それが夢ならば」のみ、アルバムとは別に発売)を含む全11曲収録。「いつの日か旅する者よ」(TVバージョンとはアレンジが異なる)はラストに収録されていた。
次回予告では「大空から見れば」のAメロCメロがBGMに使用されていた。
映像の保存・寄贈状況
当時のアニメはフィルム制作でマスターもフィルムなのが一般的だったが、NHKの自局製作である本作はフィルム制作されたアニメパートと実写パートがテレシネを経たビデオ編集で作品が完成し、ビデオがマスターだった。1970年代末までは放送用のビデオテープ(2インチVTR)が高価だったため、当時のNHKでは放送後のテープを新しい番組に上書きして使用していた。そのため、本作のマスタービデオテープ(ドキュメンタリー部分と組み合わせて音声まで完全パッケージされたもの)は第1話と最終回を除き現存していない。
現在[いつ?]はNHKアーカイブスにおいて、現存していない回の録画(エアチェック)の募集が行われている。2019年までには第2回・第33回から第42回(一部欠落回あり)の録画が当時の視聴者から提供された。
2020年には全話のフィルムが発見された。ただし、日本で放送用のビデオマスターではなく、イタリアでの放送に使われた後、日本に返却された16ミリネガフィルム(映像のみ)MEシネテープがヨコシネ ディー アイ エーから発見された。当時のナレーションや台詞も収録された完成版音声テープは関係者から提供された一部回を除き発見されていないため、現在[いつ?]も引き続き募集が行われている。
「NHK放送史」では第2話のダイジェスト、放送ライブラリーでは第1話が公開されている。
NHK未保存回一覧
第3話「二人の僧侶」
第5話「悪魔の火」
第6話「砂漠の盗賊カラウナス」
第7話「黄金のパイザ」
第8話「バグダッドの幻想」
第10話「暗殺教団の谷」
第15話「まぼろしの谷」
第16話「命の色」
※以下はアニメ部分のみ現存しているもの
第21話「燃え上がる陰謀」
第22話「天駆ける謎の旗」
第23話「王の中の王フビライ」
第24話「密命下る」
第25話「カラジャンの大蛇」
第26話「百雁の便り」
第30話「ジパングの宝」
第31話「ジパングを討て」