概要
スケール(物事の大きさの程度や規模)を適切に感じ取る事が出来る感覚の事。
建築設計の現場で「空間として適切で快適な大きさ、長さとなっているかどうか、という指標的な言葉」として用いられたりする。
pixivでは何故か「スケールが大きいと感じさせる」という意味で使われている。
この頁では「スケール感」=「スケールが大きいと感じさせる」という意味で記述するが、本来の意味からは外れているため、pixiv以外でこの言葉を使用する際は注意が必要である。
pixivにおける『スケール感』
広々としたスケール感を持った絵はそれだけで大きな魅力を感じさせる。これは主に風景をモチーフとしたイラスト・絵画において重要なファクターである。スケール感を過剰に見せることでよりいっそう魅力のある絵となる場合もある。スケール感を表現するためには正確な描写が必要不可欠であるから、ほぼ例外なくハイクオリティで写実的な絵画・イラストとなり、準評価タグと言っても過言ではない。
スケールを大きく見せる技法は様々である。
基本的なことではあるが、人物など大きさが自明の物を点景で描くなど、比較対象とともに、それに比べて大幅に大きなスケール物を画面に収めることでスケール感を表現することは常套手段である。
ほかにも、遠近の比を実際の場合より過剰にしたり、消失点を複数設ける(二点透視法や三点透視法)技法はよく使われる。遠近法を有効に利用すれば、広大な風景だけでなく微少なスケール物を実際以上に大きいかのように表現することさえできるのが有利な点である。
また高度な技法として、曲線遠近法の利用や被写界深度を浅くするという例があるので以下に紹介する。
実例
比較対象に比べて大きなスケールを画面に入れる例。
左の絵では樹木や崩壊した建築物の石柱を比較物として防壁の巨大さを示している。
右の絵の場合、人が乗ることができる飛行物体を比較物として建築物がそれより遙かに巨大であることを示している。また一点遠近法が効果的に使われており、それは建築物の基部を見るだけで明らかに見て取れる。このため建築物の高さが尋常でないことが分かる。
曲線遠近法を使った例
曲線遠近法とは広角の視界を図に収めるための技法である。
例として幅が一定で真っ直ぐに限りなく遠方まで続いている線路が、観察者の視線と90°の角度をなして横たわっているときを考える。このとき視界を広角にとって図を描くならば、図の左端と右端を消失点とする図が出来る。目の前にある線路の部分は図の中央に描かれ最も幅広く描かれることになる。図は平面に描かれるため、実際の線路は直線であっても曲線として描くことになる。これが曲線遠近法である。
図像は著しく歪むが広角を収めることが出来るためスケール感を表現するのにうってつけの技法である。
上の実例において、左の例は画面左右方向に消失点を設けた絵であり、右の例は上下に消失点を設けた絵である。
二点遠近法を使った例
道が二股に分かれているとき、左の道の消失点と右の道の消失点は別々となる。
これを見て図を描くなら、上図のようになる。
ちなみに、上の図は若干曲線遠近法が使われている。
被写界深度を浅くする例
被写界深度を浅くするとは、平たく言えばピントをぼかすということである。左の方は手前を右の例は奥をぼかしている。