概要
スジシマドジョウとは、コイ目、ドジョウ上科、ドジョウ科、シマドジョウ属、スジシマドジョウ種群に分類される種の総称である。
シマドジョウ種群と違い、骨質板が丸い。
日本、韓国、中国、台湾、シベリアに分布する。
河川下流域や農業用水、湖に生息する。
日本には5種7亜種が分布するとされる。
日本での分布
東海地方、近畿地方、中国地方、四国瀬戸内海側、九州北部、福井県に分布する。地域独自の固有種が多い。
形態
シマドジョウと似た姿をしており、同所的に生息するシマドジョウとの識別が難しい種も多い。オスの骨質板が丸く、口髭がシマドジョウより短いのが見分け方。
口髭は3対6本で、目の下に眼下棘という可動式のトゲがあり、敵に襲われた時などに出す。捕獲した際に手で掴むとこのトゲに刺される事がある。
繁殖期には婚姻色としてオスの体側の点列模様が縦縞模様に変化するが、チュウガタスジシマドジョウ、オオガタスジシマドジョウ、ビワコガタスジシマドジョウはオスもメスも常時縞模様である。
生態
河川中下流域や農業用水路、湖の砂泥底に生息する。よく砂や泥に潜り、砂ごとエサを吸い込んでエラから砂だけ吐き出してエサのみを食べる。アカムシなどの小型水生昆虫や小型甲殻類、藻類などを食べる。繁殖期は6月頃。水田や浅い湿地に移動して産卵する。そのため、移動が出来なくなると繁殖できず、大型個体のみになり、やがて絶滅してしまう。1~3年ほどで成熟する。
アクアリウム
美しい縞模様をもち、砂に潜って顔だけを出したり、愛嬌のある姿が人気でよく飼育される。
細かい砂を底に敷くのが良い。
繁殖は難しく、狙って繁殖させられる人はほとんど居ない。
さまざまな栄養素が含まれる餌を与えないと栄養素欠乏症になり、ペラペラに痩せて死んでしまう。
動物質と植物質をバランスよく与えるのが良い。
野生下での寿命は1年~5年ほどだが、飼育下では10~20年以上生きることもある。
スジシマドジョウ表記で販売されるのはチュウガタスジシマドジョウが多い。他にコガタスジシマドジョウ類やオオガタスジシマドジョウ、アリアケスジシマドジョウなどが販売される事があるが、販売されるのはほぼ全て採集個体であり、乱獲された場合が多い。日本のスジシマドジョウ類は全て絶滅危惧種に指定されているので、安易な購入はおすすめしない。
飼育したいなら自己採集をする方が良い。
種類
日本産
体長10cm以上に成長することもある大型種。
琵琶湖固有種で、琵琶湖と琵琶湖流入河川に生息する。
近年淀川水系でも発見された。
関東、東海地方の一部に国内外来種として生息する。
繁殖期になると水田や休耕田に移動して産卵する。
繁殖期以外でも常時縞模様なのが特徴。
福井県三方湖には似た姿の謎のスジシマドジョウが生息する。
有明海流入河川固有種
丹後半島固有種
外国産
コウライスジシマドジョウ(韓国)
ルーサーシマドジョウ(ロシア、中国)
ナクドンシマドジョウ(韓国)
台湾スジシマドジョウ(台湾)
韓国シマドジョウ(韓国)