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概要

和名ヤマトシマドジョウ
学名Cobitis matsubarae
英名Yamato spined loach
別名ヤマトシマドジョウB型、マツバラシマドジョウ
分類コイ目 ドジョウ亜目 ドジョウ上科 ドジョウ科 シマドジョウ亜科 シマドジョウ属 ヤマトシマドジョウ種群
環境省レッドリストカテゴリー絶滅危惧II類 (VU)
体長6~14cm
分布域日本(山口県西部と九州本土、壱岐島、天草下島)

日本固有種のシマドジョウ属淡水魚

九州では最も身近に見られるシマドジョウ属で、九州を代表する淡水魚のひとつ。

以前はヨーロッパに分布するタイリクシマドジョウ(Cobitis taenia taenia)とされていたが、核型の研究により日本産のものは別種と判明し、ヤマトシマドジョウ(Cobitis matsubarai)と命名された。

本種が属すヤマトシマドジョウ種群は、シマドジョウ種群(ヒガシシマドジョウ祖先種)とスジシマドジョウ種群の異種間交雑に由来する異質四倍体性種で、両者の特徴を併せ持つ。

染色体数が異なる5集団(博多湾型、筑紫型、遠賀川型、瀬戸内海型、長門国型)+A型が知られているが、形態的な差異は明確ではない。これらは将来別種となる可能性もある。

形態

大きさは約7~10cm程で、雌の方が大型。

口髭は3対6本で、シマドジョウと同じく眼径より長い。

体側にはシマドジョウ類に似た点列模様が並ぶ。

尾鰭の付け根には互いに離れた明確な斑紋が上下2つあり、尾鰭には2~5列の弓状横帯がスジシマドジョウのように乱れずに並ぶ。

雄の胸鰭にある骨質板はスジシマドジョウと同じく円形。

先祖返りとして、繁殖期に体側の点列模様がスジシマドジョウのように縦条模様に変化する個体群や、シマドジョウのように胸鰭第1分枝軟条が伸びる個体群も知られている。

生態

主に河川の中流域に生息し、上流域や下流域、農業用水、湖でも見られる。

流れが緩やかな砂底や砂礫底を好み、危険を感じると砂に潜る。

食性は雑食で、水生昆虫やイトミミズなどの小型水生生物や藻類などを食べる。

繁殖期は4~6月頃で、伏流水が湧き出す河川岸辺の植生帯付近で産卵するとされる。

生後2年で成熟し、寿命は3年以上。

近縁種

ヤマトシマドジョウA型

山口県日本海側の一河川のみに生息するヤマトシマドジョウの地域個体群。

遺伝的にはヤマトシマドジョウよりオオガタスジシマドジョウタンゴスジシマドジョウに近いとされていることから、他のヤマトシマドジョウとは交雑元のシマドジョウとスジシマドジョウの種が異なると考えられ、便利上別種とされているが、和名と学名は定まっていない。

オオヨドシマドジョウ

ヤマトシマドジョウから更に進化したとされ、宮崎県の大淀川水系のみに分布する。

雄の胸鰭にある骨質板はシマドジョウ種群と同じく長方形。

学名Cobitis sakahokoのsakahokoは、骨質板を霧島連山の主峰、高千穂峰山頂に突立つ伝説の武器「天逆鉾」に見立てて命名された。

河川改修や商業目的の乱獲、外来種のコウライオヤニラミによる捕食等で生息数が減少しつつある。

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