概要
東欧の伝承に伝わる、ドラゴンあるいは龍人/竜人。もしくは幽霊や吸血鬼の一種。
ドラゴンとしてのズメウ
ルーマニアやギリシャなどの東欧に伝承に伝わるドラゴン、あるいは龍人/竜人。
尚、ルーマニアでは、普通のドラゴンもズメウと呼ばれることもある。
ギリシャでは“ドラーケ”と呼ばれることもあり、しばしば愚か者で40人の兄弟を持つといわれており、その容姿は人間に似ているが醜く、時折女性を誘拐する事もあるとされている。
ルーマニアに伝わるズメウの代表格としては民話「勇士アゲラン」に登場するサルコテア王とその配下のアラム王(銅龍)、アルジンツァン王(銀龍)、アウラール王(金龍)、アゲマント王(ダイアモンド竜王)がいるが、彼らは龍人としてはアゲランが所有する神通力を持った鉄砲で退治されるなど、対して強くないようで、4体の龍王を支配するルコテア王に至ってはアゲランがやって来る直前には竈に震えながら隠れていた程の小心者であり、最終的にはアゲランを目撃しただけで塵と化して消滅してしまったという。
また民話「勇士ペトレアとイレアナ」に登場するズメウは、元々7人兄弟だったが、6人までがペトレアに退治されるも、残る1人は美しい容姿だった為に殺されることはなかったが、監禁されてしまい、棲み処もペトレアと彼の母親に占領されてしまうが、禁を破って接触してきたペトレイアの母親と親密になり、殺された兄弟野復讐の為に彼女と共に様々な策謀を張り巡らせたといわれている。
吸血鬼、幽霊としてのズメウ
ドラゴン以外の存在としてルーマニアに伝わる吸血鬼、幽霊のような存在。
伝承によるとその姿は長い炎の様だが、家に侵入すると人間の姿に化けるとされている。
またトランシルヴァニアの伝承では若い少女の姿で羊飼いを誘惑して羊諸共交わろうとするといわれており、貞操を護るためにはニンニクとクサノオウと蜜蝋を混ぜたものが有効であるという。