CV:木下浩之
概要
竜人族の隠れ里:ルトゥ村の住人で、村の長老であるマオロの側近。
村内ではマオロに次ぐナンバー2的なポジションと考えられる。
人間でいうと壮年期にあたる年齢で、頭髪にはところどころに白髪が混じっている。これまでシリーズを通して、壮年の竜人族は(男女を含めて)登場したことがなかったので、そういった意味ではかなり珍しい存在と言える。
長命な種族であるが故か、言動の裏に、人間を見下すような態度を宿しているが、かつて信頼を築いたレドの孫である主人公の力には何か感じ入るものがあったのか、(妙に上から目線な態度はそのままだが)村に起きる課題を託しながら、 主人公が前に進むための後押しを担う。
その後、産まれた破滅レウスを連れて主人公と共に村を旅立つエナに、アルマを介して村に伝わる護符を渡した。
しかし、ストーリー中盤、村の近くに空いた大穴の調査に単身出かけたまま行方知れずとなってしまい、村人からはその消息を心配されていた。
関連項目
※注意
以下にモンスターハンターストーリーズ2の終盤のネタバレを含みます。
中盤以降、破滅レウスを庇う主人公達ライダーと、破滅を防ぐためにレウスを捕らえようとするハンターズギルド……彼らの衝突の背後に潜み、破滅レウスを狙うオーグ装備を纏った覆面のライダーの3者の動向が物語を大きく動かしていくこととなる。
謎の覆面のライダーは、同じ志を持つライダーたちや、自分達と手を組んだハンター達を従え、ギルドが捕獲した破滅レウスを強奪しようとしたが、主人公のピンチに破滅レウスは本来の力を取り戻し、結局取り逃がしてしまう。
その後、覆面のライダーは謎の古龍:アルトゥーラを追う彼らの前に再び姿を現し、遂にその正体を明かすのだった。
覆面のライダーの正体は、なんと行方不明となっていたゼラードその人であった。
実は本編の50年前(レドの幼少期)、ゼラードは大穴の中にいたアルトゥーラの存在に気付き、アルトゥーラの産声を「新世界の誕生」の前兆であると誤認、それ以降、新世界の創造のために、アルトゥーラを目覚めさせて自分自身も含めた今の世界をすべて破壊しようと企んでいた。
すなわち、本編に登場する前から破滅レウスが破滅をもたらす存在ではないことを知っていたのである。
ゼラードはモンスターの声を聞く事ができる人間のレドを目にかけていたが、心半ばでレドが死亡した事で己を含めた人々への無力感に囚われ、今回の暗躍に踏み切る事になった。
更には、同じくアルトゥーラの声を聞いていたレドを自分と同じ考えに至ったと勝手に決めつけており、アルトゥーラの生誕はレドの悲願でもあると嘯いていた。
破滅レウスを強奪しようとしたのも、アルトゥーラを生誕させるための餌(生贄)にするためであり、禁足地にて破滅レウスを捕らえ、アルトゥーラに自分ごと捕食させようとした。
一度は狂光の影響で暴走したレウスを強奪して無理矢理従わせてライドし、主人公たち一行を苦しめるが、激闘の末に敗北。生贄にしようとしたレウスもすんでの所で護りレウスに救い出されるが、身代わりとなった護りレウスを捕食した事で遂にアルトゥーラが誕生してしまう。
その様子を見て、狂喜しながら自らも大穴に飛び込もうとするが、エナに阻止され、アルトゥーラが新世界をもたらすというのはゼラードの一方的な思い込みであり、新世界を望んでいたのは他ならぬゼラードだけであること、生まれようとするアルトゥーラ自身は新世界を望んでなどいないことを突きつけられ、意気消沈する。
その後の描写はないが、主人公たちとアルトゥーラの決戦を見守っていたものと思われる。
また、皮肉なことに、上述のエナに渡した護符が、アルトゥーラを倒す上で非常に重要な役割を果たすことにもなった。
なお、ストーリークリア後は反省したようで、旅に出るという口実で村を後にしたらしき事がルトゥ村の人々から語られている(そのため、一度ストーリーをクリアしてしまうと、ゲーム内でゼラードには二度と会えなくなってしまう)。
この時の会話の反応を見るに、村人たちは彼が世界を滅ぼすという大それた野望を掲げて裏で動いていたことは知らされなかった模様。自らの過ちと向き合い、再びやり直してくれることを信じて、エナが敢えて村人たちにそのことを伝えなかったのだと思われる(長老のマオロには伝えた可能性はあるが、マオロに話しかけてもゼラードのことについては特に言及しない)。
これまでの作品で、竜人族のキャラクターは主人公を補佐する役割で登場するか、中立的な立場で登場してきたが、ゼラードはシリーズで初めて明確に主人公と敵対する竜人族のキャラクターとなった。
ただ、竜人族は長命で自然との一体化を重んじる種族であり、元々「時として人間には理解できないor人間とは相容れない考えも持っていることがある」という設定も存在していた。
今回のゼラードはそうした事例を初めて具体的に示した存在であったとも言える(とはいえ、世界そのものを滅ぼすという極端極まりない思想はさすがに同族のエナにすら「そんなの間違っている」と拒絶されていたが)。
ちなみにこういった経緯もあってか、ネットではネタバレを避ける意味も含めて「破滅(願望)おじさん」という愛称(?)で呼ばれていることもある。