概要
磯女の仲間で、佐賀県の東唐津にある鎮西町加唐島に出現するといわれており、この島に船をつける際は“碇を下ろすだけで艫綱(ともづな)はつけてはならない”と戒められており、その理由は次の様ないわれがある為であるとされる。
ある時、漁師の親子の三人連れが海岸に上がって火を焚いていると、何処からともなく現れた見知らぬ女が「魚をくれ」といって近づいて来た。
女の様子にただならぬものを感じた父親は船にはない魚を子供たちに取りに行かすと、子供が「ない」といって戻って来ると、「そんなはずはない」といって自分も子供たちと一緒に探す振りをして船に乗り込むが早いか、艫綱も碇綱も切って沖に逃げ去ると女は「ええい、命を取り損ねた」と悔しがったという。