概要
テーザー、もしくはテーザー銃、テーザーガンとは、低量の火薬やガスで電極を対象に発射、対象と本体をワイヤーでつなぎ、電流を流し込む装置である。射程は5mほど。
一度のみの使用となるが、先端部のカートリッジを交換する事で再度発射が可能。
現行のモデルでは発射の際にはAFID(anti-felon identification)と呼ばれるシリアルナンバーが記入された紙片も紙吹雪のように撃ち出され、誰が(どのカートリッジから)発射したかがわかるようになっており、同時に犯罪に使用された場合でも証拠隠滅が難しくなっている。
12ゲージのショットガンから発射するワイヤレスタイプ(というか銃弾サイズの超小型スタンガン)も開発中。こっちは30mまで狙える。
通常のスタンガンと違い距離を保ったまま対象を麻痺させることが可能で、致死性も極めて低いため死者が出る心配も(ほとんど)しなくていい。しかしながら筋肉を直にしびれさせるので麻薬でラリった相手にも制圧力が落ちない。そのため警官の護身用武器として様々な国で運用されている他、刑務所の看守、さらには法廷で暴れる被告に対して警備員が使用することもある。
警官の武器と言えば拳銃、軍人の場合は拳銃に加えて小銃等を持つが、これは流れ弾や跳弾の危険性がある上、使用するとなれば相手の殺傷が前提となる高い致死性を持つ。このため使用には厳しい制約が存在し、多くの場合は相手の武装が明らかでない限り発砲は許されない。
しかしながら、ポケットに小型の拳銃を隠し持ってるだとか、免許を出すふりをしてダッシュボードから銃を引っ張り出すとか、そうした一見すると武装しているように見えない状況から不意打ちで攻撃、その結果として警官や軍人が殺害されてしまうケースも存在した。
また、警棒や棍棒等で殴り鎮圧するというのも相手を負傷させる可能性がある事に加え、相手が拳銃などを持ち出すと逆に手出しができず、また興奮した群衆を相手する場合、その状況によっては過剰に攻撃を加え撲殺に至ってしまう事もあった。
対応が遅れれば被害が増すばかりだが、怪しい者は即射殺というわけにもいかない。そのため相手が不穏な態度を取ったらとりあえず撃ち込んで構わない武器として、非殺傷性の高いテーザーが重宝されている。
しかしながら、何事にも限度と言うものはある。要は電気ショックなわけだから、何発も撃ち込んで許容量を超えれば心停止を引き起こしかねず、現実には実際にテーザーによる死者も発生している。
また、撃ち込まれた事で体のコントロールが効かなくなる事による転倒により負傷、死亡へ至る可能性があるという問題もある。
この事から、更に安全かつ確実な無力化を可能とする装備の開発が進められている。
その一つが「BolaWrap」で、テーザーのようにロープの付いたフックを撃ち出すのだが、突き刺す事で無力化するのではなくボーラのように相手に巻き付ける事で拘束するものとなっている。
針が撃ち込まれるので肌に小さな穴が開き、簡単には抜けないような針となっているが、取り押さえられて正しく抜かれれば大した怪我とはならない。
ちなみにテーザーというのはTaser International社の製品名なのだが、あまりに著名なので一般名詞状態。
なお日本国内では銃刀法による規制対象になっており、所持や使用は一切できない。
仮に何らかの形で所有した場合は実銃と同じく、銃砲不法所持罪に問われる。
過去にはガス発射式のものが輸入されて販売されていたものの、空気銃に該当するとして規制対象となり(使用目的が狩猟や的射ちではなく自衛用途等となる事から許可を得る事も出来ない)、入手は不可能となった。なお、回収前に通り魔に使用されたことがあったが、幸いにもうまく働かずに被害者は怪我を負う事は無かった。