概要
スズキ目 ハゼ科 ヨシノボリ属の淡水魚…なのだが、分類が非常に混乱しており、生態や形態が別種同然に全く異なるものが多数含まれる。
分類が難しいヨシノボリ属の中でも特に混乱しており、この見た目ならトウヨシノボリ!などと安易には言えない上、生態・形態的に区別できても、それぞれが同所的にいた場合は容易に交雑する為、これらの個体群が種内変異なのか独立種なのかも研究者によって意見が分かれ、混沌を極めている。
他のヨシノボリの特徴に当てはまらないものを全てトウヨシノボリとしているのが現状である。
形態的に纏まるいくつかの個体群が別種として分けられ、和名がつけられたが、カズサヨシノボリとオウミヨシノボリはトウヨシノボリの種内変異に戻す場合が多い。
現在、学名は無い。(クロダハゼの学名をトウヨシノボリの学名とすることもある。)
全体としての生態
淡水域の水底に生息する底生魚。腹びれが変化した吸盤で石や草などに吸い付く事ができる。
北海道・本州・四国・九州の河川上~下流域や用水路、ため池、湖など様々な環境に生息するが、流れがゆるやかな場所を好むとされている。
プランクトンや甲殻類、水生昆虫、小魚などを捕食する。
石の下に巣を作って産卵し、オスが孵化するまで卵を守る。
海と川を行き来する両側回遊の集団と、一生を淡水で生活する陸封型の集団が存在する。
現在トウヨシノボリの特徴とされている物。
オスの尾びれの基底付近に橙色の斑紋がある。(これが名前の由来)
第1背びれが長く伸びる。
顔が大きく長い。
トウヨシノボリに含まれていた・または現在も含まれる種
明確にトウヨシノボリとは別種とされる種
トウヨシノボリの地域個体群とされる事もある種
- トウヨシノボリ (北海道・本州・四国・九州。名前が個別に付けられていない個体群を寄せ集めたゴミ箱分類群)
- クロダハゼ (東京・神奈川・現在は独立種)
- カズサヨシノボリ (千葉県)
- オウミヨシノボリ (琵琶湖)
- シマヒレヨシノボリ (西日本・現在は独立種)
詳細不明
- 朝鮮半島産トウヨシノボリ (おそらく別種らしい?)
- 台湾産トウヨシノボリ (おそらく別種)