トロール・ハンターとは、2010年のノルウェーのモキュメンタリー映画である。
ノルウェーの伝説の妖精にしてムーミンのモデルでもあるトロールの衝撃的な生態を映し描く。3つ首のトロールなど、伝承に忠実な部分もある。
作品解説
熊の密猟事件を調査する3人の学生。ドキュメンタリーとして撮影も並行して証拠収集に奔走していた。彼らは怪しい男、ハンスと出会い、彼を密猟を行っているハンターと推測し、尾行するが、深夜森の中で何者かに襲撃され、逆にハンスに助けられる。
ハンスによると、襲ってきたのはトロールで、自分はトロールの存在を隠蔽するためにトロールを狩っているトロール・ハンターだといい、秘匿されている仕事の為、熊の死骸で後処理を誤魔化すのだという。
国に雇われてトロールを狩っているハンスだったが、トロールの扱い方に疑問を持っており、トロールの実在を公表するために学生たちに取材を許可する。半信半疑ながらもハンスについていく学生たちだったが、やがて彼らの前に、本物のトロールが姿を現した。
トロールについて
トロールは、北欧で昔から語り継がれている伝説の妖精。劇中では巨大な体躯を持つ怪物として登場する。
哺乳類の一種であり、肉食性。寿命は1000年から1200年。体長は数m代から数十m代と変動がある。知能は極めて低い。体は太陽光に含まれるビタミンⅮをカルシウムに変えられないため紫外線に弱く、それを浴びた場合体に異常反応が起き、若いトロールは血管にガスがたまり爆発、高齢のトロールは身体が急速に石灰化することで石造の様になり死に至る。
土着の信仰対象であったが、キリスト教に駆逐されたために同教を憎んでいる。キリスト教徒のにおいに敏感であり、嗅ぎつけると襲いかかってくる。大きく分けて山トロールと森トロールの2種類が存在する。
ノルウェー政府はその存在を隠蔽しており、トロールによる被害は熊のものとしている。トロールのエサとするために牛などの動物を放し、送電線を張り巡らすことでテリトリーの外に出るのを防いでいる。トロールがテリトリーから出て人間に近づいた場合、トロール保安機関(TST)が事態の隠蔽を行う。
種類
以下はあくまでも劇中でクルーが遭遇した個体に限定しており、本来はもっと多くの種類がいる。
- リングルフィンチ
最初に森の中で襲ってきたトロール。その時はカメラに捕らえられなかった。
家畜のヤギを襲っており、橋の下に獲物を蓄えていた。左腕が欠損している。
- トッサーラッド
最初にカメラの前に現れたトロール。3つの頭を持っているように見えるが、本当の頭は1つで、残りは頭に見える突起物である。生まれたときは頭は1つしかなく、成長に伴い増えていく。頭の数で、雄を威嚇したり、雌の気を引く。
- マウンテンキング
群れで洞窟に潜んでいたトロール。劇中では唯一群れで登場するトロールである。
- ヨットナール
体長60mに達する最大のトロール。メイン画像の右にいる。普段は人里近くには現れないが、このヨットナールが現れたために他のトロールたちも影響を受けたともされる。