概要
作中ではストーリーのラストシーンにわずかにそれらしい形で登場するばかりで、基本的には姿を現さない天の声のような存在。
声は複数の男声と女声が混ざったもので、他の登場人物と同じく完全オリジナルの言語を用いる。
主人公であるワンダが大切な存在である少女モノの魂を現世に戻すために、集落の掟を破って宝剣の盗みと禁断の地にある神殿への渡航をしてまで助言を乞うた相手である。
モノの魂を呼び寄せる為には「十六体存在する巨像を倒す」必要があるとワンダに教え、倒すべき巨像の特徴や弱点などの情報を与える。
ネタバレ注意(一部ユーザーの見解あり)
その正体は、かつてワンダの部族によって封印された悪魔や邪神の類であった。
終盤に現場に駆けつけた現在の長老と思われるエモンのセリフから、封印には死者に関する魔力・呪術が用いられたようで、16体の巨像に分割されていた。
ドルミンがワンダに巨像を倒させていたのは、16に分かたれた自身の力を解き放ち彼の肉体へと集約させ、復活の依代として利用する為であった。
巨像を倒す度にその亡骸から溢れ出しワンダに入り込んでくる無数の黒い帯こそドルミンの一部であり、実際ワンダの身体も
- 握力が増える
- 顔色や瞳の色が青ざめていく
- 頭に角が生える
など、物語が進むに連れて着実に人間離れをしていき、さらに生命が蝕まれていくような描写となっている。
最終的にワンダが16体全ての巨像を倒し、さらに先述の呪いの類で瀕死となっていたところを駆けつけたエモン達によって介錯を施されて絶命した事で、肉体の乗っ取りに成功。
悍ましく巨大な本来の姿を取り戻し、逃げるエモンたちに襲い掛かる。
この時のドルミンの挙動はプレイヤーの操作に任されており、地面に拳を叩きつけたり青い炎を吐く事ができるが、その動きは遅く、ボタンの利きも悪い。
これは、「ドルミンがワンダから肉体の主導権を完全に奪いきれていない」という演出上の仕様とも言われている。
やがてエモンがいにしえの剣を用いて祠の封印を発動させた事で、ドルミンはワンダの肉体ごと封印されてしまう。
ところが、その直後に祭壇に横たわっていたモノが静かに目を覚ます。
これがドルミンの能力と意志によるものであるという明確な描写はないものの、復活の際に影のような死者たちを従えるように己の中に吸収している描写から、伝承にある「死者の魂を操る」という部分が真実であることはほぼ間違いないと思われる。
またドルミンは、巨像を倒す儀式に臨もうとするワンダに「その代償は重いかもしれんぞ…」と忠告を入れて覚悟を問うている。
真実を一部しか告げずに利用する上で契約そのものは律儀に守るという姿勢は、現実世界の古今東西の伝承に伝わる悪魔の印象を思わせる一方で、復活の際にワンダを「戦士」と称している事から、利用しながらもある程度の敬意を持っていたとも受け取れるような節がある。