ナツ(ヤルミナティー)
なつ
ハックの過去編に登場する。
ハックの高校時代の後輩の女子高生で、緑の瞳とセミロングのアホ毛のある茶髪に、制服であるセーラー服の上からカエルのパーカーを羽織った独特のファッションが特徴。
このいつも身につけているカエルのパーカーは大事なものらしく、夏祭りで浴衣姿になった時もパーカーを持ってきていた。
口癖として語尾に「っす」と付ける。
オカルト愛好家で、居ない筈の透明人間を追いかけたり、カラスを「カラス型UFO」と思い込んで追いかけたりと奇想天外な行動を多く取り、ハックからも「アホ」と断言されているが、明朗快活な性格で学年や男女を問わず生徒からの人気は高い。
また、恋の都市伝説を信じてラブレターを隠し持ったり、意中の人物からの言葉に赤面し、夏祭りに彼を誘い、髪を結って浴衣を着て行くなど、意外と乙女で積極的な一面もある。
ハックとは同じオカルト好きとして、ひょんなことから出会い、出会ったその日を費やして語り合うほど意気投合し、共にオカルト研究会を立ち上げた。
尚「異世界に行ける」と噂されている旧校舎に行くことを頑なに拒んでいるが....?
「ずっと抑えようとしても、だんだん手が震えてきて…頭がどうにかなりそうになるんす」
その正体は当時頻発していた行方不明者続出事件の犯人にして、強大な殺人衝動の持ち主。
本人はこの体質を嫌っているが、人を殺さずにはいられない本能からは逃れられず、悪人や犯罪に走ろうとする者を見つけては旧校舎で人知れず殺人を繰り返し、それに関して警察とも違う謎の黒服の男たちから狙われていた。
当然このことは周囲には隠していたが、自分を病的に慕う同級生が旧校舎にハックを拉致し殺そうとしたため、彼の目の前で彼女を殺害し、ハックにバレることとなった。
なぜこんなことをするのかと問うハックに涙ながらに「やめたくてもやめられない」と訴え、一応口止めしてもらい、その場は丸く収めるが、二人はこの一件以降関係に溝が出来てしまった。
しかし後日、再び旧校舎にいた所、自分を狙う黒服の男たちと鉢合わせしてしまい、一時は絶体絶命の危機に陥ることとなる。
追い詰められるナツだったが、黒服の男たちに施された記憶処理への耐性を獲得した、あるいはその能力が目覚めたハックがナツを止めるためにその場に現れたことで、一命を取り留める。
ハックと共に逃げる最中、彼との幸せな日常が終わることを悟ったナツは、ずっと胸に秘めていた気持ちをハックに吐露した。
本人曰く、ハックのいる高校に来る前にも沢山人を殺してきたとの事、ずっと高校にいるつもりはなかったものの、ハックに出会い「今まで生きてきて、こんなにも心を打ち明けられる人に出会えたのが初めてだった」と好意を寄せるようになり、彼と離れたくなかったため、学校に留まっていたのだという。
彼女の告白を聞いたハックは思わず駆け落ちを提案するも、突如現れた黒服の男によってそれは妨害され、その結果ナツがハックを庇って傷を負ってしまう(これに対し、黒服の男は「お前が人間を庇うとはな」と驚いていた)。
そしてこれ以上ハックが自身のせいで傷つかないよう、ナツは自分から彼らに連行されることを選んだ。
その際、「とある約束」を彼らと結ぶと(黒服の男は一瞬悲痛な表情を浮かべたが、「元々そうするつもり」だったらしい)、それに対して、ふざけんなと叫ぶハック一人を置いて、カエルのパーカーと隠し持っていた彼宛のラブレターのみを残し、黒服の男たちと共に忽然と姿を消した…。
「先輩、大好きっす」
その後、ハックも含めた生徒たちからナツの記憶は無くなるが、ハックは彼女のラブレターを読んだことで一時的に記憶を取り戻す。
が、その取り戻した記憶はすぐに消えていってしまい、「絶対に忘れない、ナツはどこかにいるはずだ」と誓いながら、ハックは最後の足掻きとして、残されたカエルのパーカーを着るも、残念ながら彼からナツに関する記憶は失われてしまう。
しかし、その後のハックは髪が黒髪から彼女と同じ茶髪になっただけでなく、彼女と言動や性格が似通い、さらに同じ口癖で喋るようにもなっていた...。
名前の由来は恐らく、ハックの名前を数字にすると「89」になり、それを掛け算すると8×9=72になるので、「72」→*ナツ*と思われる。
指の動きや、「エキサイティングぅ」「興奮してきた」というセリフなど、ある人物と共通点や似た言動が見られ、さらに彼女が決めた部活のシンボルマークが秘密結社ヤルミナティーのものと同じであったりと、ヤルミナティーに通じるものがいくつかある。
また、『【ストーリー】ハック過去編episode1.5「ナツの夏休み」』にて、手の冷たさを死人に例えたり、幽霊に手を引かれた際に命の心配よりも冥界に興味を示すなど、殺人衝動のみならず、どこか一般的な倫理観からズレた一面を見せている。
さらに、『【ストーリー】キリン過去編episode1「キリンの正体」』にて、幼少期の被験体No.1919の描いた絵に、彼女にそっくりな、カエルのパーカーを着た茶髪の少女と、目に傷のある銃を持った男性がいた。
その絵は、親から外に出る事を許されず寂しい思いをしていた被験体No.1919が「いつかこんな友達が欲しい」という願いを込めて描いたものだった。
『お前が人間を庇うとはな』
ハックと出会った「彼女」は何者なのだろうか…?
ネタバレ注意
キリンとタブーの卒業を受け入れられないハックは部室を飛び出し、ヤルミナティーの日々を追想しながら夜道を一人孤独に歩いていた。そんな中、彼は突如打ち上がった花火を見て全て思い出し、けれどもどうしたらいいのか途方に暮れてしまう。
ナツはそんな彼のもとに突如現れた。
「気持ちはちゃんと伝えないと、わからないっすよ」
そして、その際に告げられたハックからの想いに頬を染めると、「やっと言ってくれたっすね」とのみ言い残し立ち消えた。
この描写から、恐らく死亡したものと思われる………
ジンジャー(ヤルミナティー):同じヤルミナメンバーのストーリー編のみ登場した人物
ミュージアム(漫画):カエル男という大量殺人犯が登場する作品。もしかすると彼女の元ネタ?
??? 同じPlott作品におけるマジキチスマイルを浮かべ、殺人行為を行った後輩キャラクター繋がり(ただこちらの方は…?)。