概要
シアノバクテリア(藍藻)の一群。バクテリアとしては珍しく多細胞性で、数珠状に細長くつながった細胞が寒天質の基質で覆われているのが特徴。目で見えるサイズとなるものも多く、古くは藻類と思われていた。
陸上や淡水に生息する。形態は球形から不定形、ときにマット状や糸状など様々だが、湿り気がある環境だとゼリー状にふくらみ、乾燥するとしぼんで皮革質になるのが特徴。代表種のイシクラゲは地面に貼りついたワカメのように見え、雨が降ると忽然と現れる謎の物体として認識されることがある。他の陸上性の種もだいたい微細藻類やコケや菌類のように見えるが、こんな見た目でも細菌(バクテリア)の仲間である。イシクラゲのほかいくつかの種が食用とされ、中には高級食材として珍重されるものもある。
原核生物の中では極め付けに巨大になる分類群であるが、ほとんど目で見えない微小なものもあり、植物や菌類などと共生するものもある。