ハギーワギーの悲しい過去
はぎーわぎーのかなしいかこ
近年小学生の間で流行っているとされる、ホラーゲーム『Poppy Playtime』のキャラクター、ハギーワギーに関する噂である。実際のところはファンによる二次創作に過ぎないのだが、これを信じてしまう人もいるようである。
元ネタはほぼ間違いなく以下の動画。
ハギーワギーはある女の子に可愛がられていたが、親が勝手に捨ててしまう。捨てられたハギーの前にポピーが現れ仲間に引き入れようとするも、それを拒絶して何とか持ち主の家に辿り着く。しかしそこには新しい人形の姿が。悲しみに暮れたハギーワギーはポピーの誘いを受け入れ、より素晴らしい人形になるための手術を受ける。
後日虫の知らせを受けた元持ち主の女の子は、プレイタイム社の廃工場を訪れる。そこで目にしたのは、巨大化し凶暴になったハギーの姿だった。ハギーに襲われた女の子は、グラブパックでハギーを突き落とし撃退するも、彼が元々、自分が可愛がっていたハギーであったことを悟る。
という内容である。
確かに終盤のハギーを撃退する展開はゲームの内容を踏まえてはいるが、動画の内容はほぼ全てファンが作った非公式のものである。
ゲーム内でこのような過去を明言されていない上、そもそも公式設定では廃工場を訪れた人物=ゲームの主人公は、ハギーの持ち主の女の子ではなく、プレイタイム社の元社員である。
また、なぜ箱の中にいたpoppyがハギーワギーの最期を拝めたのか、ハギーワギーと女の子は最初に広場で会ったことがあるのになぜその時はハギーワギーが冷静でいられたのか等、矛盾点もある。
あくまで憶測に過ぎないが、これを公式的なものと思いこんでしまった背景には、二次創作というものをよく知らない年齢層の子供にも、動画が広まってしまったことがあると思われる。二次創作は、公式に沿うものもあるが、あくまでファンが非公式に作ったものである。ぶっちゃけて言えば、いちファンの妄想の産物に過ぎない。
また、筆者は朝のニュース番組でこの噂について子供が発言していると思われるVTRを見たことがあるが、番組側も裏取りをするほどの内容ではないと判断したのか、それを注意書きなどなしに放送していた。これは少々問題があるとは思うが、大半の視聴者にとっては「小学生の間でこんなのが流行ってるんだ」程度の情報なので、無理もない話である。
そもそもPoppy Playtimeというコンテンツ自体、インディゲームかつ日本語対応していないこともあって国内における情報が少なく、ゲーム実況でも英語をあまり分からないままプレイしているものもあるため、公式的な情報が伝わりにくく裏付けもしにくいのである。
これらの要素が相まって、結果的に二次創作を公式と勘違いする人が生まれてしまったのだろう。
これを機に二次創作というコンテンツを知った人は、公式と二次創作を区別する意識を身につけておこう。