概要
『少年ジャンプ+』にて2022年12月16日より2024年6月7日まで連載。単行本全8巻。作者は綿引智也、作画は春夏冬画楽。2023年8月11日更新の31話より棋士の梶浦宏孝氏が監修についた。
将棋という現実の競技に吸血鬼を掛け合わせた棋戦ドラマ活劇。一見素っ頓狂に見えるこの組み合わせは「努力は才能には勝てないが、ではその努力が常人では不可能な無尽蔵の努力であったなら?」というジャンプ然としたテーマに基づいている。
主人公である月山が純粋かつひたむきに将棋に取り組む姿を通して影響を受ける対戦相手や周囲を描くストーリーが多く、スピーディーな展開と個性的なキャラクター、また主要キャラ以外に非常にバリエーション豊かなおじさんキャラが溢れるのも魅力。
次にくるマンガ大賞 2023において「U-NEXT賞」並びに「Webマンガ部門 10位」を受賞。
あらすじ
ネット将棋で話題の謎のプレイヤー『GEN』。彼は500年以上の時を生きる吸血鬼、月山元だった。
300年前、江戸時代に将棋と出会いその魅力に取りつかれ凡才ながらも研鑽を積み、同時に正体を隠しながら生きてきた月山が天才棋士達に挑む。
登場人物
月山元(つきやまはじめ)
本作の主人公。生まれながらに吸血鬼である。300年前に将棋と出会い、その時点で250年以上生きているので550歳以上。外見は20代。過去には元四郎(げんしろう)と名乗っていたこともあり、当時交流のあった吸血鬼の鈴木からは現在もそちらの名前で呼ばれる。
ネットの将棋ゲーム将棋ロイヤルでのプレイヤー名は「GEN」。同ゲーム唯一の十段到達者。
常連である和島将棋教室存続のため竜王戦にチャレンジする。情熱はあるが才能はない「下手の横好き」だが、300年の圧倒的な経験値でもって才能溢れるプロ棋士達にも食らいついていく。
棋士
新堂誠二郎(しんどうせいじろう)竜王
プロ棋士。作中の竜王タイトルホルダー。他に所持している称号は23話時点で、王将、王座。一話にて五冠と判明しているのであと二つあるはずだが不明。うち、王座については天草が小学生だった時点で獲得しているので5~10年前からタイトルを保持していると思われる。
番外編にて29才と判明。
金髪に青い瞳、泣き黒子の青年。女性ファンも多いが将棋以外に興味がないと言うぐらいに女の影はない。
月山曰く「この50年でも見たことがない」将棋界の絶対王者。
弟子は天草翔。
岩本ケイ六段
プロ棋士。黒髪長髪。口元に黒子がある美青年。
ネット配信を自ら行う今どきの棋士。自分の美貌に自身があるナルシスト。1話で月山とネット対戦し敗北した。将棋ロイヤルでのプレイヤー名は「IWAMON」。
女性ファンを増やしたいようだが作中顔が書かれた視聴者は全員男性だった。部屋の本棚は上半分が将棋の本、下半分がモテ指南本であることが判明。
天草翔(あまくさかける)五段→六段
藤色の髪の現役高校生プロ棋士。新堂竜王のただ一人の弟子であり若さとルックスから女性ファンも多い。
師弟関係ながらも打倒新堂を目標にしている。
新堂竜王のことは師匠と書いて「せんせい」と呼ぶ。
5歳の時に祖父から将棋を教わり棋士の道へ。
4話でイベント優勝者の月山と、エキシビションマッチにて対局し、事実上の敗北。以降月山に注目し、GEN=月山元といち早く気が付き、将棋ロイヤルにてGENと再戦。GENの弱点をついた戦法で勝利する。将棋ロイヤルでのアカウント名は「SKAY」。
初登場時は現役高校生で五段だったが29話では六段に昇級、年齢は17歳で高校は退学していた。
大川九段
スキンヘッドの老人。1話にて新堂竜王に敗北。王将を奪取された。50代だが老け顔でヘルニア持ち。
紀州棋聖
赤い髪を刈りこむプロ棋士。三連ピアスもしている。三白眼の一見強面だが、常に美しい敬語を崩さず、地震が起きた際も真っ先に周囲の安全の確保を呼びかける等、バンオウ安定の良い人である。
七島名人
新堂竜王と双璧をなすプロ棋士。38才。黒いボサボサの癖のある髪をかき上げるとサンライズ眉とハイライトの死んだ目が現れる。
白い衣装が強調される新堂とは対照的に黒い衣装が強調されており、名人戦の感想でも新堂を「いつも通り」と言うなど当たりが強い。またマラソン大会では所謂女の子走りでハーフマラソンを完走し、しかも若手のプロ棋士よりも早くゴールする将棋界のマラソン王。プライベートが明かされない新堂に対してかなり癖の強い素が描かれている。
初登場では実家からチャリで来た。
月山の関係者
鈴木聡(すずきさとし)
月山と同じく吸血鬼。銀髪に赤眼で、仕事中はメガネを掛けている。
竜王戦東京都予選にて記者として観戦に行ったところ月山と150年ぶりに再会した。以後吸血鬼的な面から月山を応援、支援している。
150年前は隆ノ介と名乗っていたため、月山からはそちらの名前で呼ばれることが多い。
吸血鬼が目立たすぎることに対しては否定的だが人間を見下している為、月山が竜王戦でプロ相手に勝利する様子を楽しむためだけに月山を援助している様子。
吸血鬼と敵対する『教団』についても知識がある。
ちなみに作画担当の春夏冬先生が描き下ろした回数が月山の次に多い。
和島泰弘(わじまやすひろ)
月山が通う和島将棋教室のオーナーでありビルそのもののオーナー。
親からビルを遺産相続し誰でも通える将棋教室をと自前の将棋教室をビル二階に開くが経営の才能は残念ながら無かったらしくビルの改装工事が工面できずに教室を閉鎖することを決意。その後月山の熱意に打たれ、月山が改装費用を用意できた暁にはビルを譲渡し、教室の経営を続けることを約束した。実質本作のヒロイン。
ミサキ
和島の孫娘。時々和島将棋教室の受付を担当している。
中溝武史(なかみぞたけし)
アマチュア棋士。竜王戦東京都予選優勝経験を持つ実力者。眉なし三白眼オールバックという強面だが礼儀正しく、2話で月山と対局した際はその棋風と強さから彼が「GEN」だと気付き、対局後に自ら頭を下げて教えを請う事を厭わない「いい人」。美人の妻子持ち。将棋ロイヤル絡みの話題で度々再登場する。
森 森次郎
アマチュア棋士。アマ竜王戦埼玉県代表。和島将棋教室に現れ、実力がありながら態々自分より弱い小学生をいたぶる様な将棋を指すも、その後月山と対局し敗北。後日アマ竜王戦予選で月山と再会し、その体型からか「焼肉屋…」「商店街の肉屋の」と弄られたのち、1回戦で敗れる。単行本2巻の描き下ろしおまけより、その後2勝しアマ竜王戦決勝まで進むも一回戦で宮内に敗れたこと、およびトーナメント表から名前が判明している。
番外編でイベントに出席するほどの新堂竜王のファンであることが描かれている。
教団
アンナ・クラウゼ
教団の吸血鬼ハンター。金髪に下半分を刈上げた巨乳美女。
タンクトップに短パン。吸血鬼を探知する犬アレクサンデルを連れて歩いてる。
戦闘力は人間外のものだがいわゆるポンコツキャラ。月山の年齢を聞き、外見が年齢にそぐわないことに気付いても『相当上等な化粧水と乳液を使っているに違いない』と考え、超人的な身体能力を目の前で発揮されても『ものすごく運動神経が良い』としか考えないなど、上司にも「頭が少々アレ」と言われている。
月山の試合を観戦しようと出かけていた鈴木と偶然接触して交戦、逃げられたものの鈴木の言った「将棋が見たいから」という言葉が気になり調べた結果将棋にドハマり。
初心者丸出しで月山に挑むが大敗、再戦を誓った後に和島将棋教室の常連と化す。
師父(マスター)
アンナの上司にあたる人物。仕事はできるがポンコツなアンナに頭を抱えている。
別名・表記ゆれ
関連タグ
外部リンク
春夏冬画楽氏ツイッター(作画担当)