ワシは負けぬ! ワシが負けたら魔族の未来はどうなる! ワシは負けるわけにはゆかんのだ!
概要
A.D.600年、中世の時代にて登場。魔王に仕える魔王三大将軍の筆頭にして、三魔騎士の一人。魔王軍の軍事参謀も務めている。魔王離脱後は大魔王を名乗る。目的は魔族による世界征服。
彼らの根城である魔王城と似た造りをしたアジト「ビネガーの館」を所有しており、後述において新たな拠点に定めている(ここは隠しダンジョンであり魔王の最強装備が手に入る)。
400年後(A.D.1000年の現代)の魔族が住まうメディーナ村には、子孫である色違いのビネガー8世が村長として住んでいる。後述の歴史改変ではどのような結末でも存在している事から、ビネガーは三魔騎士の中ではその後も生存、または中世の時代において既に子孫が存在していたと思われる。
人物
性格は狡猾な策略家かつ傲慢な一面を併せ持ちながら、臆病な程に慎重かつ保守的。平仮名表記で妙に間の抜けた英語を口走るのも特徴の一つ。魔王に対しては絶対的な忠誠を誓っているが同時に畏怖もしており、終盤で決着をつける際にはクロノたちの仲間になった魔王に対して「何故、我らを裏切った…」「共に魔族の世界を作るという夢は嘘だったのか」と非難しながらも頭が上がらなかった。
ギャグキャラのように思えるが魔族の未来について真剣に考えていたようである。
国内版での名前の由来は、調味料の一つである酢の英語名である“Vinegar”そのまま。一方で海外版での名称は“Ozzie”。こちらの由来は、実在する海外のヘヴィメタルミュージシャンのオジー・オズボーンから。
何気に劇中で絶叫(効果音)が用意されていたりする。
本編中の活躍
決戦! 魔王城!!
初出はゼナンの橋にてガルディア王国への進軍を指揮する将軍として出陣。
配下のスケルトンたちが撃破されて追い詰められた際は、倒されたスケルトンたちの残骸を集めて融合させた巨大モンスター「ジャンクドラガー」を造り出し、ビネガー本人はジャンクドラガーにクロノたちの抹殺命令を下した直後に撤退している。
更に本編の10年前(A.D.590年頃)にデナドロ山へ魔王と共にグレンとサイラスとの戦いに赴いており、孤立無援となったグレンをカエルの姿に変えるよう魔王に進言したのも彼である。
物語中盤間近、魔王城にてクロノたちと相まみえ、策を弄した末に敗北。
過去にトルースの裏山にて、ラヴォス災害で古代(B.C.12000年)からタイムゲートに巻き込まれ飛ばされてきた、後に魔王へと成長する少年と遭遇。ゲーム中の回想シーンでは、この直後に手下のジャリーたちを呼び出し襲わせようとしたところで終わっているが、ファンからは現在の関係から相当恐ろしい仕打ちを受けたのではないかと推測されている模様。
中世で逃げ延びておる魔王配下の三悪の巣食う場所
メインストーリーに絡んでこないため死亡したかに思われたが、魔王が消息を絶ってからは歴史が改変し、ビネガーが新たに大魔王を名乗り、ビネガーの館へ拠点を移して後釜に収まっていた。実際はラヴォス打倒のために力を欲していた魔王とは異なり、ビネガー自身は真摯に魔族の未来を考えていたようであるが、ビネガーの館イベントクリア前のメディーナ村の様子を見る限り、トップとして辣腕を振るえる器ではなかったようで、魔物たちからの支持を得られていなかった模様(更に戦闘ではビネガーまたはソイソーを先に倒すとマヨネーに逃走される。戦術的にはソイソーを先に倒すといいだろう)。
なお、隠しボス(しかも3対3)だけあってパーティの強化を意識せず挑むと思わぬ苦戦を強いられる。
戦闘後は上記にもあるように魔王を非難するが「私は力が欲しかっただけだ」の一言で切り捨てられている。最後は氷の中に閉じ籠って抗うも、猫に落とし穴のスイッチを押されて落下するという末路を迎えた。その様を見た魔王からは「過ぎたことだ。全ては、うたかたの夢……」と評された。
結末
イベントクリア後は更に歴史が改変した事で、現代のメディーナ村に変化が生じている。住民の魔物たちは幸福感に満ち溢れ平穏な日々を謳歌しており、それまでは排他的で敵対心と憎悪の対象であった人間との和平の道を歩み始めている。以前は戦闘に突入し、勝っても法外な金額を吹っ掛けてきた宿屋とグッズマーケットも通常どころか割安になった。
一方でそれまで威張り散らしていた子孫の8世は、先祖の失脚によって彼自身の権威も地に堕ちてしまい、村長から小間使いの立ち場へと凋落してしまっている。話し掛けた際のリアクションから、かなり肩身の狭い思いをしている様子。
……とても良い未来になってますよ、ビネガーさん? 子孫以外は。
\ビネガ~ショ~ック!/
能力
天属性魔法の「サンダー」を唱え、後述の氷塊状のバリアを展開する能力以外に、 死体を操る術を駆使する。ゼナンの橋での戦いでは、戦死したガルディア王国騎士団の遺体をこの術で操っていた。一部の攻略本等によると、この術は仲間のソイソーへ伝授したとされている。
戦闘は専ら罠や策略を用いており、切った張ったの直接の戦いは極力避けている。
ゼナンの橋での戦いでは術で操った「スケルトン」たちを差し向け、自身は「サンダー」の魔法で援護という戦法を用いていた。ここではスケルトンを全滅させる、またはビネガーにダメージを与えていき、術を強制解除する事でスケルトン全てを殲滅可能。
魔王城の戦いとビネガーの館(単独時)では防御力が激増し、ほとんどダメージが通らなくなるバリアを使っており、攻撃手段はカウンターの全体魔法攻撃「バリアーボンバー」のみ。いずれも彼の周囲にある巻き取り機やスイッチを攻撃し、落とし穴の作動を誘発させる必要がある。
ビネガーの館(三魔騎士総員)の戦闘においては連携技に参加するものの、自身からは何もしない。つまり、ソイソーかマヨネーのどちらかが行動不能、または倒されると何もしてこなくなる。エイラの「いろじかけ」を使うと、装備すると戦闘開始後にその他の装備品による異常ステータス耐性を無視して混乱+スリップ状態になる効果を持つ頭防具「ビネガーパンツ」を入手できる。戦闘中は「万能薬」のアイテムを使えば状態異常を解除できる他に、後のバリアを纏った彼との戦闘でも盗めるので合計二つを入手可能。
また、マヨネーが火属性の攻撃を用いていた事、ソイソーが次回作の『クロノクロス』を含め水属性を持つと思われる側面から、「サンダー」を使っていた事もありビネガーは天属性を有しているようである。
クロノクロス
次回作である『クロノクロス』には、他の三魔騎士たちと共に裏ボスとしてゲスト出演している。ただし、彼らが前作の人物たちと同一か否かは、はっきりとしていない。
なお、こちらのビネガーは通常攻撃もしてくる他に、「トルネード」や「オメガグリーン」といった強力なエレメントで積極的に攻撃してくる。服装も前作に比べ動きやすいものに変更されている事もあってか、別人の可能性があるとはいえ保守的かつ他力本願であった昔と違い、随分とインファイターになったものである。
また、自分たちが眠ってしまう代わりにあらゆる攻撃を無効化する「快眠付完全防御」という、前作のバリアに相当すると思われる特殊なエレメントを使用する。この行動不能になる代わりに一定ターン中は無敵という性能は、『ドラゴンクエスト』シリーズの呪文「アストロン」と似ている。