曖昧さ回避
- ダンテの叙事詩「神曲」に登場するマレブランケと呼ばれる悪魔たちの内の一人で、その名前は「乱雑な汚い髪をした者」を意味する。
- 『ファイナルファンタジー4』に登場する敵キャラクター。本記事で解説。
- 『バイオハザード』シリーズに登場する怪物。⇒スカルミリオーネ
概要
CV:大西小西(DS版)
初出はFF4。
黄土色のローブで身を包み、「フシュルルル……」と不気味な吐息(笑み?)をする怪人。
その正体はセシルたちと敵対するゴルベーザの直属の部下四天王のひとりで、土より蘇ったアンデッドを操る邪悪なネクロマンサー。
暗黒騎士のセシルが苦手とするアンデッド軍団を率いている為、刺客に適任として派遣された。
四天王の中では最初に戦うことになる。
作中の活躍
セシルが暗黒剣を捨て、聖なる騎士「パラディン」となるための試練を受けるために訪れた「試練の山」の頂上に出現。死の水先案内人という名乗り口上の後に襲いかかってくる。
しかしさほど強くはなく、「ううっ、身体が崩れてゆくううっ!」と断末魔を残して絶命する。
そして先に進むセシルたちだったが……
「フシュルルル……よくぞ、私を殺してくれた」
「死してなお恐ろしい、土のスカルミリョーネの強さ、ゆっくり味わいながら死ねえ!」
なんと自らの肉体をもアンデッドに変えて復活し、背後から襲いかかってくる。
ローブを脱ぎ捨て、腐敗して骨まで露出した醜悪な姿をさらしており、両の肩と脇から巨象の牙を思わせる湾曲した突起が生えているのが特徴(骨が伸びたのだろうか?)。
その禍々しくも威圧感のある姿や、通常のボス戦よりも重厚で壮麗なBGM「ゴルベーザ四天王とのバトル」も相まって、四天王がそれまでのボスより上位の存在であることをプレイヤーに知らしめる。
正体を知ったセシルたちを崖から突き落とそうとするも返り討ちとなり、自分が落ちるという結末を迎えた。
「グ…パァー!」
しかし終盤にて真の黒幕ゼムスの手によって復活。バブイルの巨人内部で他の四天王たちとの総力戦を仕掛けてくる。
敗北した後はゼムスに今一度のチャンスを乞うも、今度こそ復活することなくこの世を去った。
戦闘能力
1戦目
引き連れた強力なゾンビ「スカルナント」たちを一斉にけしかけ、自らはサンダーやスロウなどの魔法で後ろから攻撃してくる。
2戦目
魔法を使わなくなった代わりにステータスは大幅に上昇しており、毒の追加効果をもつ打撃攻撃はキャラクターのHP次第では一撃で戦闘不能になりかねない。しかしダメージを与える手段が他になく、弱点の炎魔法に「ガスを吸って、生ける屍となるがいい!」と反撃してくるも、効果は全員へのスロウであまり驚異にならない。
さらにアンデッドにもかかわらずセシルの暗黒剣で普通にダメージを与えることが可能。
最初のバックアタックも一戦目の後に隊列を変えれば問題ないとイマイチ。
アンデッドだが即死耐性があるためフェニックスの尾は通用しない。
しかしエリクサーを使えば9999のカンストダメージを与えられるため一撃で倒せる。
この時期でエリクサーを手に入れる方法は、ダムシアン城の1個のみなので忘れずに回収しておこう。
総力戦
連戦の一番手で、最初からアンデッドの姿で登場。さらにステータスが上昇しており、パーティ一人の能力を大幅に弱体化させる呪いを放つ。
しかし相変わらずダメージ源が直接攻撃しかなく、四天王の中では与し易い方。
DS版
ゲーム全体の難易度が上がったのに漏れず大幅に強化されており、アンデッド状態のHPは倍近くに上昇。全体スロウは物理攻撃への反撃「呪いの唄」に変化し、炎魔法への反撃のガスは毒、暗闇、沈黙、眠りと、状態異常盛りだくさんの危険な攻撃となった
ちなみに物理攻撃のモーションが「両手を伸ばしたまま体を真横に傾け、なぎ払うようにはたく」という奇妙な動きとなっている。
FF4TA
クリスタルから再生されて再登場。謎の少女に操られて主人公セオドアたちに襲いかかる。人間状態→アンデッド状態とのバックアタックも健在。
それでも意識は残っており、無理やり操られる苦痛から「魂まで崩れる前に……」自ら討たれることを望む。
さらにパーティーにゴルベーザがいると、自身を唯一認めてくれた主君に再び会えたことを喜びながら消滅してゆく。
闇の死霊術士であっても、それでも青き星の命のひとつ……と自身を呼ぶセリフなど、非常に人間味のあるキャラクターとなっている。
FF1(リメイク版)
追加ダンジョンのボスとしてゲスト出演。
ご丁寧に本作でも二段構えのバトルを再現している(ギルガメッシュの変身は再現されてないのに随分な優遇である)が、連戦であるため回復の間がなく、アンデッド状態とは消耗した状態で戦うことになる。
魔力が全ボスと比較しても異常に高く、第一形態では毎ターン繰り出すサンダーが下級魔法とは思えない威力をたたき出し、第二形態にいたっては毎ターン1/2の確率で使う「毒ガス」がラスボスの特殊攻撃も顔負けの高火力。とくにこの毒ガスは耐性があってもなお他の四天王の特殊攻撃を耐性なしでうけた場合より強力というとんでもないもの。このことからプレイヤー間では四天王最強との評を受けている。
登場ダンジョンで彼が待ち構えるフロアはカイナッツォとの2択になっているため、突破を考えるだけならばここは必ずカイナッツォを選ぼう。
本編ではカイナッツォに「四天王になれたのが不思議なくらい弱っちいヤツ」と見下されていたスカルミリョーネはFF1において「四天王の地位に甘んじているのが不思議なぐらい強いヤツ」なのだ。
FF14
「暁月のフィナーレ」パッチ6.2「禁断の記憶(メモリア)」にてまさかの登場。
それより前のパッチ6.1「新たなる冒険」終盤において黒甲冑の大男が座す玉座に相対した地水火風のモノリスとして登場し、特徴的な台詞から速攻で特定、往年のファンを喜ばせた。
インスタンスダンジョン「異界孤城 トロイアコート」のラスボスとして登場。女城主ベアトリーチェを屠り、四天王の先鋒として光の戦士一行に名乗りを挙げて襲い掛かる。ボス戦BGMはFF4の中ボス戦「バトル2」のアレンジバージョンとなっており、トレイラーを見たヒカセンからは喜びの声が多数上がった。
ガス攻撃「ロトンランページ」や吹き飛ばし効果のある「死喰剣・旋転」からの連続技で翻弄し、中盤では可愛い下僕と称して雑魚ゾンビを召喚など、多彩な攻撃を繰り広げるが光の戦士達に敗北、消滅した……かに思われたが、闇に覆われた第十三世界には「死」が存在せず、スカルミリョーネは何なく復活。
際限なく沸くゾンビに押されて危機に陥る光の戦士達だったが、思わぬ助力によってスカルミリョーネは封印され、事実上の死を迎えるのだった。
サイドクエスト「ヴォイドの傍観者」では、かつて第十三世界の住人だった四天王が妖異となる以前の姿が語られる。
それによるとスカルミリョーネはかつてとある部隊の指揮官で、第十三世界の脅威たる幻魔との戦いで部隊が壊滅した時は、一人だけ隠れて生き延びる事に成功する。後に救援に来たメモリア使い達からは「自分を犠牲にしてでも部下を助けるべきだった」と非難されるが、「名誉の戦死よりも、生きて戦い続けるべきだ」と主張。激怒したメモリア使いによって生き埋めにされるも地中から蘇り、悪鬼の如く「髪を振り乱す者」すなわち「スカルミリョーネ」と呼ばれるようになったという。
その後妖異となり果ててからも臆病かつ慎重な立ち回りをしながら強かに生きていたが、その生存本能を認めたゴルベーザからエーテルを授かり、不死の王として彼に仕える事となる。
なお変異する前の種族はまさかのオジッテだった。
余談
他の四天王たちはバロン城、ゾットの塔、バブイルの塔と拠点を任されているのだがスカルミリョーネだけそういった立場にあるのか不明。初登場時にはゴルベーザに呼び出されていたのでゾットの塔にはいなかったと見ていいだろう。
またゴルベーザはセシルを警戒しており、だからこそスカルミリョーネを差し向けたと語っている。更にスカルミリョーネは、既に試練の山を登っていたセシルたちに追いついており、フットワークはかなり軽いことが窺える。
カイナッツォからの評価は低かったが、ゴルベーザには四天王の一角として実力を信頼されていたと見ていいだろう。
関連イラスト
第二形態を描いた物が圧倒的に多い。