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プリズムコート

ぷりずむこーと

プリズムコートは、1998年に富士通パソコンシステムズから発売されたPlayStation用シミュレーションゲーム。高校の女子バレーボールチームの監督として、弱小チームを率いて全国大会で優勝するのが目的。
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ゲーム概要編集

怪我により引退した元バレーボール選手である主人公は現在、朝霧高校に教師として就職している。主人公はその経験から女子バレー部の監督となってしまい、1年生の夏から3年生の夏までの2年間でチームを鍛え上げて全国優勝を目指す。だが、引き受けたバレー部はギリギリ試合が可能な6人しかいない上に半数がバレーボール未経験、加えて部員同士にも軋轢がありチームワークはガタガタという有様。

そのため、主人公は監督として部活動の際には彼女たちに練習や必殺技の特訓などにより能力を上げたり、チームワークの改善を推し進めることになる。


ゲームシステム編集

年2回行われる都大会と全国大会にはライバルとなる強豪チームが立ちはだかり、試合中には強力かつ荒唐無稽な必殺技を繰り出してくる。ライバルチームを破るため、監督として的確なアドバイスが必要とされる。

バレーボールのルール編集

リベロや25点制が採用される前に発売された作品であるため、原則6人で試合を行う。なお部員は6人しかいないため交代などのシステムは無い。

得点方式はラリーポイント制(サーブ権に関係なく点を得られる)とノーマル(サーブ権があるときのみ点を得られる。所謂サイドアウト制)を選べる。後者は試合時間が長くなるため、ラリーポイント制にする方が効率がよい。

プレイヤーは監督なので試合では指示を出すだけであり、部員たちはAIにより監督の指示に基づいた行動をとる。試合中はタイムを2回までとることが可能で、回復の他に敵チームの必殺技への対処方法の指示を行える。


なお、敵味方ともに魔球や必殺技を打ち合うスポ根まんが風のゲームであり、リアルっぽいゲームや展開を望むと面食らうことになるので注意。

特訓編集

基本的に各キャラは自主トレを行うが、毎回ひとりを指名して特訓することが出来る。これにより、成果と好感度があがる。なお好感度は登下校や街中で出会った時の対応でも変動する。

バレーボールはチームスポーツであるため、チームワークが重要になる。ひとりだけを連続して特訓し続けていると、監督への信頼やチームワークが低下することになる。

向上したパラメータがきっちり試合の動きに反映されるため、バレーチーム育成ゲームとしては非常に高い。

シナリオ&エンディング編集

ゲーム中に特定の条件を満たすと、特定のヒロインのために用意された専用シナリオルートへ突入し、最後までルートを外れなければキャラクター別のエンディングを見ることができる。

また特定ヒロイン専用シナリオ以外にも「最後の大会で優勝」「3年春夏連覇」など幾つかのシナリオがある。

登場キャラクター編集

キャラクターデザインは中嶋敦子

以下は個別シナリオのある朝霧高校女子バレー部員のみ紹介。見て分かる通り、小説家の名前をもじっている。個別シナリオは各々のストーリーが異なっているため周回プレイも楽しめる。

メイン画像右にいる黄色いリボンの活発そうな少女。

バレーとカレーをこよなく愛するスポ根少女。中学時代から全日本に憧れてバレーに打ち込んでいる。パワーとジャンプ力は非常に高いが、大雑把な性格を表したようなノーコンという欠点を抱える。適正はアタッカー。ナツキシナリオでは北海道代表の選手である鮎川こずえがライバルとして立ちふさがるなど、熱血スポ根ストーリーとなっている。

チームで最も背が高く、ボーイッシュな外見のため女性にモテる。バレー未経験者だが、変人ばっかりの部員の中では比較的常識人。適性はブロッカー。真琴シナリオは、彼女の乙女な性格が発揮されるラブコメものとなっている。

メガネっ娘。バレー未経験者で本来はバイオリニスト。頭脳と判断力に優れるが、頑固でキツイ性格のため、理央とは別の意味で協調性に欠けるところがある。適正はレシーバー。香純シナリオでは彼女の人間関係に焦点が当たる。

岡嶋あかり

ロリ枠。元陸上選手で驚異的なジャンプ力を持つが、身長が低くパワーに欠ける。とんでもない記憶力と計算力の持ち主で、テストでは満点を連発している。ナツキとは幼馴染で仲が良い。明るい性格のムードメーカー。アニメや漫画に詳しく、必殺技の習得に熱心。適性はブロッカー。あかりシナリオでは兵庫代表の二階堂麗奈がライバルとなる。熱血スポ根ストーリーだが、ストーリーに仕込まれたパロディ要素が特に多い。

メイン画像左の大人しそうな少女。

ナツキとは中学時代からの知り合いで、トスワークが上手くセッターとして定評がある。大人しい性格で誰とでもある程度以上仲が良い。ただし健康面に問題を抱えており、場合によっては鬱エンドが待っている。適正はセッター。前述した通り、早苗シナリオは健康面の問題を抱えた彼女によるスポ根ストーリー。

センシティブな作品

いわゆる綾波系。かなりの実力者で攻守ともに高い実力を持つ。しかし中学時代の事件から人間不信に陥っており、チームで最も協調性がない。特に香純との仲は険悪。適正はオールラウンド。理央シナリオは人間不信の彼女がそれを克服していく青春ストーリーになっている。

余談編集

  • そもそもバレーボールSLG自体がほとんどなく比較はしづらいが、バレーボールSLGとしての完成度が非常に高い。ギャルゲー要素抜いて、バレーSLG単体として売っても良いレベル。開発初期は適当に作っていたが、途中で参加したバレー経験者のプログラマーが「こんなのバレーじゃない!」と発奮して全面改訂したらしい。
  • バレーチーム育成や試合といった要素のため、最初から最後までプレイすると一回のプレイはかなり時間がかかる。特に後半の強敵相手の試合でノーマル(サイドアウト制)ルールを適用すると1試合の決着に2時間以上かかることもある。
  • この時代の女子バレーという題材上、ブルマ乱舞状態である。
  • 企画者いわく、女の子同士の横の関係を描いたゲームが作りたいという思いがあって、バスケットとどちらにするか迷ったが、魔球が出せるからバレーにしたらしい。
  • 攻略情報が書かれた本は2冊のみ。うちゲーメストムックの方は設定資料集の部分が大きいため、より多くの攻略情報が欲しい時はNTT出版の方を求めるしかない。特に一部の個別シナリオやイベントは発生条件が難しいことがあるため、イベントの収集は攻略本なしでは無理。またノベライズが1巻だけ刊行されている。
  • シナリオを問わず、各種イベントにはサブタイトルが付けられているが、どれもこれもパロディのオンパレード。コンプするのは相当やり込まなければ厳しい。またクリアしたイベントをアルバムモードで閲覧すると、女の子が思い出を語ってくれるというオマケつき。
  • 学年が上がってチーム育成がうまくいっても様々な理由で部員の補充どころか後輩の入部希望者も全滅する。なので現在のチームが卒業したら廃部の危機。主に無駄に熱いナツキのせいだがw。

評価編集

当時のギャルゲーブームに埋れた感は否めないが、ギャルゲーとしてもバレーボールSLGとしても出来は良い。プレイした層からは「隠れた名作」と評価されている。販売本数が振るわなかったこともあり中古市場で出てくることがほとんどない。

関連タグ編集

富士通パソコンシステムズ

バレーボール

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