概要
1868年にアメリカのハイラム・ベルダンがアレクサンダー・ゴルロフ大佐の協力を得て開発した金属薬莢の黒色火薬弾薬を使う単発式ライフル。
現代でも主流として使われるベルダン式雷管を初めて使用し、さらにボトルネック薬莢の実包を世界で初めて使用した事で有名。
初期型は構造がストライカー式でトラップドア式のブリーチブロックの単発ライフルであり、米軍への採用を狙うが大成せず、代わりに近代兵器を他国から集めていたロシア軍の目に止まり、コルト社の生産で30,000丁ほど納入される。
その後ベルダンはボルトアクション式の単発ライフルに設計変更したものを提出、テストの為にイギリスのバーミンガムスモールアームズの生産の後、これを気に入ったロシア軍は正式採用を決定し自国での生産を開始した。合計で300万個ほど生産されたと言われている。
退役後は狩猟用武器として広く使用され、散弾銃改造品が1930年代半ばまで生産された。第一次世界大戦の兵器不足から7.62x54mmR弾対応に改造されて投入されたこともある。
主なバリエーション、派生型
ベルダンⅠドラグーン
騎兵向け短縮モデル。フルサイズモデルのロシア軍の採用を受けて開発されたが、採用されなかった。
ベルダンⅡ
1870年に開発されたボルトアクション式に方式変更したモデル。30度で上向きの洋ナシ形のボルトハンドルが特徴。
ベルダンⅡドラグーン
騎兵向け短縮モデル。
ベルダンⅡコサック
コサック兵用に短縮モデルからトリガーガードを廃し、ボタン型トリガーとしたモデル。
ベルダンⅡカービン
カービンモデル。
フィクションでの使用
ゴールデンカムイ - 日露戦争直後の北海道を舞台にした和風ウェスタン漫画。樺太に行った際にニヴフの猟銃として登場。主要人物の尾形百之助が借りて使用し「単発式の古い銃だが悪くない」と称した。
性能
全長 | 1346mm |
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銃身長 | 825mm |
重量 | 4.2kg |
使用弾薬 | 4.2ラインベルダン弾(10.75×58mmR) |
装弾数 | 単発 |
口径 | 42口径 |