概要
BETACAMは、1982年にソニーが家庭用VTR規格のBetamax(ベータマックス)を基に策定した業務用VTR規格。家庭用ビデオ規格争いでは敗れたソニーだったが、業務用VTR規格においては圧倒的な強さを見せ、VHS陣営のM規格に勝利。デジタル化の始まる1990年代まで世界中の放送局で事実上の業界標準として君臨し続けた。
カセットサイズは、ベータマックスと同様の「スモール」(30分記録)と、大型で長時間(90分)記録対応の「ラージ」の2種類。それまで使われていた「U規格」の取材用ビデオカメラは撮影部(カメラ)と録画部(テープ)が別々になっており、取材時にはカメラマンの後ろにテープを担いだエンジニアが付いて回る必要があったが、機器サイズがコンパクトなベータカムはカメラとテープが一体化されており、カメラマンのフットワークを劇的に改善した。市場に出たカムコーダ(VTR一体型ビデオカメラ)としては世界初となる製品である。
1983年には編集機能付きレコーダー「BVW-40」を発売。収録のみならず編集・送出もベータカムで行えるようになり、優れた編集精度でベータカムの人気を不動の物とした。
後継
1993年にソニーは後継規格のデジタルベータカムを開発し、同規格は1997年にHDCAMへと発展した。
更にソニーはテープレス化の流れを先読みして、2003年にXDCAMを開発。
いずれも高い普及率を誇っている。