概要
安全型自転車(今の形の自転車)が出る前に存在した自転車の一種。
タイトル画像にある通り、巨大な前輪が特徴的な自転車である。
「レトロな自転車」と言われた時に挙がることも多い。
日本においては「だるま車」とも呼ばれる。
誕生の経緯
最初に作り出したのは、現在はバイクメーカーとして活動しているアリエルである。
(当時の社名は「コヴェントリー・マシニスト」であり、アリエルというのは自社の自転車の商品名であったが、この商品がヒットしたことが理由で社名も「アリエル」と改めた)
ちなみに「ペニー・ファージング」とは、巨大な前輪をペニー硬貨に、後輪をファージング硬貨に見立てて付けられた。
巨大な前輪はなんのため?
ペニー・ファージングを特徴づける巨大な前輪。
ここまで前輪が巨大化した理由は「速く走るため」である。
当時はチェーン駆動機構なんてなかったため、今で言う三輪車のようにペダルで直接前輪=動輪を回して走っていた。
・・・だが、これでは流石に出せるスピードには限界が出てくる。
というわけで、「前輪おっきくしたらもっとスピード出せんじゃね?」という理由で前輪が巨大化した。
問題点
だがその巨大な前輪が洒落にならない問題点も生んでしまった。
前輪が大きいということは必然的に高い位置に乗車するということになるため、コケたら大惨事確定となってしまったのである。(しかもスピードが出るのでなおさら)
ええ、命に関わることだって珍しくなかったそうです。
しかもブレーキなんて"とりあえず付いている"程度のものしか付けられなかった(前輪が巨大なため、強力なブレーキを付けると制動時に前につんのめることになり危険なので)。
・・・とまあ、色々洒落にならない弱点を抱えていたため、今の形である「安全型自転車」が世に出るとペニー・ファージングは姿を消していった。
但し今でも愛好家は少なくない数存在しており、タスマニア島では国際レースも開かれているとか。