概要
CV東地宏樹
『機動戦士ガンダム』の外伝となるゲーム作品である『機動戦士ガンダム クロスディメンション0079』の後半にあたる『死にゆく者たちへの祈り』における主人公。
人物
地球連邦軍の特殊任務輸送部隊「アルバトロス中隊」の護衛モビルスーツ部隊隊長で、階級は大尉。28歳。
元は戦闘機のパイロットを務めていたが、後方からの指示よりも現場での判断を重視する現場主義者であったが故に、上官とのいざこざが絶えず、反抗的な行動によりたらい回しにされる形で様々な場所へと転々と異動。遂にはゴビ砂漠に存在する基地にまで回された経緯を持つ。
しかし、戦闘においては常に最善の結果を出す事に努め、必要ならば思い切った発想や判断で危機を乗り越えようとする柔軟な思考の持ち主で、その為ならば屈辱的な仕打ちにも耐える精神力や忍耐力も持ち合わせている。
階級が大尉なのは伊達ではなく、モビルスーツのパイロットとしての能力も非常に高く、試乗もしていないガンダム・ピクシーを短期間で乗りこなし、ベテランのパイロット揃いで新型機も保有している「ウルフ・ガー隊」を相手に善戦している点からも、その優秀さがうかがわれる。
また、常に最前線で戦おうとする勇敢さから、部下達からの信頼も非常に篤い。
なお、現場主義者で奇跡の類を信じない傾向からか、ニュータイプの存在には否定的である。
劇中の活躍
ガルマ・ザビの戦死から5日後となる宇宙世紀0079年10月9日、アルバトロス中隊のモビルスーツ部隊隊長として、ジオンの追撃を何度受けながらも、新型モビルスーツであるピクシーの輸送任務に就いており、ゴビ砂漠に存在する連邦軍補給基地にまで辿り着く。
しかし、この時点で部隊で配備されてたガンキャノン6機の内、4機までもが失われており、白兵戦を得意とするモビルスーツ部隊を相手にガンキャノンでは不利で、ピクシーの使用許可を願うのだが、上官のノクト・ガディッシュはそれを聞き入れようとしなかった。
そんな中、犯罪者で構成されたジオン公国軍の第十七特殊任務班「ウルフ・ガー隊」による襲撃を受ける事になり、状況を打破する為に、命令無視を覚悟の上でピクシーに搭乗。慣れない機体ながらも幾度にも及ぶ襲撃を切り抜ける事に成功する。
帰還後、ホワイトベースへの輸送任務を達成させるまでの間、ピクシーを使用し続ける許可をガディッシュから何とか得る事になり、月夜の中でウルフ・ガー隊と最後の決戦を迎える事になる。
互いに仲間を失い、ミデアで脱出したガディッシュからも見捨てられる中、敵対するイフリートを駆るヘンリーからも「自分達と同じはぐれ者」と比喩されてしまうが、それでも最後まで諦める事無く、ピクシーでヘンリーのイフリートと壮絶な激突を繰り広げる。
そして遂にはイフリートを撃破し、死にゆく中でヘンリーはボルクを称賛。先に逝った仲間達に詫びながらも、自分は満たされている事を実感しながら散って逝った。
しかし…
「俺は…何の為に…これは一体、何の為の戦いなんだぁぁぁっ!!」
共に戦う部下達を失い、上官に見捨てられ、何も残っていなかったボルクは、ピクシーのコックピットの中で、ただ慟哭するしかなかった…。
砂嵐の晴れたその後、連邦軍の輸送艦がピクシーを回収しに現れるが、そこにいたのは空の状態になったピクシーだけであった…。
その後のボルクの行方は、誰にも分からない…。