彼はベテラン銀行強盗であり、長年の犯罪経験がなければ得られない知識に関してはエキスパートだ。
現在は引退し、公式ではない証人保護のもとで快適に暮らしているが、問題がないわけではない。
妻は浪費を止められず、甘やかされて育った2人の子供はまったく理解できない。
成功を経験し、欲しい物も手に入れたマイケルだが、彼はそれでも惨めな男だった。
「人は1日に多くのことを忘れるものだ。このことも忘れるんだな」
CV ネッド・ルーク
概要
ロックスター・ゲームズ製作のオープンワールドアクションゲーム『グランド・セフト・オートV』の主人公の一人。
1968年生まれ、古き良きバインウッド映画を愛する中年男。
富裕層の多い地区に豪邸を構えながらも、妻や子供との関係に頭を悩ませつつ日々を過ごしているという、一見どこにでも居そうな冴えないおっさんだが、その正体は、かつて全米最重要指名手配犯と呼ばれた強盗犯「マイケル・タウンリー」
高校時代はアメフトのクォーターバックで、州代表に選ばれたこともあり、現在でもスポーツマンを自負している(その割に初期のフィジカル面が低いが)。
強盗の他、殺人はもちろん麻薬売買などの犯罪行為に若いころから手を染めていた生粋のアウトローである。
人生初の強盗は1988年にカーサーシティの郊外で行ったらしく、このカーサーシティそのものは作中に登場しないが、GTAと同じくロックスターゲームスが発売した「マンハント」の舞台と同名である。
トレバーとはその頃は良き隣人であったらしく、当時はアマンダも良き妻、とびっきりの良い女、息子のジミーはスポーツ少年、長女トレイシーは普通の可愛い家庭的な美少女だったという。時として厳しい環境も人には必要と言う良い見本みたいな家族である。
彼はいわば「GTAシリーズの主人公がエンディングを迎えた後の姿」である。追い詰められた環境から裏社会で活躍を重ねて頂点へのし上がっていくという主人公が多い中、そういった過程を既に終えて成功を収め、家庭さえ築いている彼の経歴は、GTAシリーズでは異色である。
「悪党」という言葉が良く似合う狡猾な性格。見るからにやばい「狂犬」であるトレバーと並ぶとその影に隠れがちだが、危険性で言えばマイケルもそう変わらない。
見た目や振る舞いは小金持ちのおっさんで、家庭のことで頭を悩ませる、よくいる中年男といった調子だが、現在も一皮向けば危険人物のままである。
引退して以降は真っ当になろうと努力していたようだが、いったん頭に血が上ると恐ろしい手段に打って出る。娘のトレイシーやジミーから言わせれば、そんな父親が最も嫌いとの事。
おそらく昔の町の事は忘れたい過去であるのだろうと考えられる。
こと犯罪行為やそれに関する危険については非常に経験豊富であり、強盗など複数人で何かを行うときには司令塔となることが多い。ただしトレバーに言わせれば「目立ちたがり」らしい。
家族に対する愛情は本物であり、どうしようもない家族にうんざりしながらも何とか向き合おうと苦悩している。しかし子供達に対しては認めない頑固な父親としての側面を持つ。
引退した後の彼がブチ切れて暴走するのは、大抵は家族の誰かに危険が及んだときである。
物語終盤で娘が大学に合格したこと聞いたときには「俺みたいなのがこんなに幸せでいいのか」と本気で喜んだりしている(この台詞が聞けるルートではその後悲惨な結末を迎えるが)。
また、映画愛も同じく純粋なものであり、映画絡みのこととなると面倒ごとであっても損得勘定抜きで動くことが多い。最終的には映画プロデューサーとして成功する夢をかなえてしまう。
家族以外の者を心から信用している様子はなく、かつての強盗仲間や取引相手を排除する卑劣な面を持つ。
少し卑怯な所があり、重要な事をはぐらかしたり、詳しく説明したりするのを避ける癖がある
そのせいで家族全員とすれ違ったり、トレバーが変な勘違いをして大暴走をする事が多い。
また、そのトレバーが不信感を募らせる原因にもなっている。
長く強盗稼業を営んでいたため、初期ステータスでの射撃スキルは3人の中では一番。
特殊スキルを発動すると、時間の流れが緩やかになり射撃の精度がアップする。
反面、長らく一線から退いていたためか、フィジカル面のステータスは低い。
特に自堕落な生活が影響して体力が極めて低く、真正面から撃ち合うとすぐに死んでしまう。
ストーリーの関係上撃ち合いに発生する事が多いので、家の近くのテニスクラブで早めに鍛えよう。
経歴
過去
物語の9年前、ノース・ヤンクトン州ルーデンドルフの銀行を、当時の仲間だったブラッド、トレバーと共に襲ったが、警察の待ち伏せによりあえなく射殺され、ブラッドも逮捕。
唯一トレバーだけが逃げ延び、彼の強盗団は壊滅した。
……はずだったのだが、実はこの死は偽装で、連邦捜査局の捜査員とマイケルの法的取引による、非公式の証人保護プログラムの一環であった。
彼は過去の罪を清算して大金と新しい身分を手に入れ、ロスサントスの高級住宅街ロックフォードヒルズの豪邸で家族と共に優雅な生活を送るようになった。
本編
しかし、苦労を重ねてして手にした生活は、優雅とはいえ決して良いものではなかった。
妻は夫の過去の不倫の腹癒せに浪費と不倫とヒステリー以外のことを全くせず、
娘は日々有名人になることを夢見てふらふらしており、
息子に至ってはハッパ中毒の引きこもり、することと言えばオンラインゲームの対戦相手に罵倒を浴びせるぐらい、
と、家族のどれもこれもが駄目だこいつ…早く何とかしないと…状態で、
しかもそんなダメ家族の全員からマイケルは舐められ軽んじられ避けられる毎日だった。
だがある日、そんな生活に転機が訪れる。
くだらないトラブルから知り合ったばかりのフランクリンと知り合い、彼を弟子として迎え入れることになる。
その後も説明するのもしょうもないトラブルに見舞われ、メキシコ人ギャングのマーティン・マドラッゾから多額の借金を背負ってしまう。その返済のためにとうとう強盗を再開し、フランクリンを巻き込んで宝石店を襲撃。
こうして伝説の大犯罪者「マイケル・タウンリー」は裏社会へ復帰したのだった。
そうして見事に借金を返済したマイケルだったが、この大成功が、「マイケルは死んだ」と思っていたかっての強盗仲間、トレバーに自身の生存を知らしめることとなる。
裏社会に復帰したマイケルは家族からついに見限られたり、FIBから都合のいい駒として雑用や尻拭いをさせられたり、トレバーがマーティンの妻を誘拐した事で雲隠れする羽目になったりと板挟みと苦労の絶えない毎日を過ごすことになる。
だがある日、デビン・ウェストンの繋がりで映画プロデューサーとして憧れの監督と共に映画の制作に関わる事となる。退屈な人生から一転、憧れの監督と共に映画を作る仕事は充実そのものだった。スタッフのストライキ、保険金目当てのデビンの裏切りなど前途多難な試練を乗り越えて映画は無事完成。終盤では家族とも無事に和解し、長年の夢だった連邦保管庫の強盗も大成功を収めて幸せの絶頂のマイケル。
しかし同時に9年前の取引のことを知ったトレバーや彼の仲間だと誤認した中国マフィアから狙われるようになってしまう。それと同時に、マイケルに忍び寄る魔の手があった…
以下、仲間を裏切り続けた男の未来が記されている。まだ知りたくない者は今すぐ立ち去るべし
A.まともな選択(トレバーを殺す)
トレバーを疎ましく思ったマイケルはFIBの進言でトレバーを殺すことになったフランクリンと共謀。逃げるトレバーに自動車をぶつけて彼を負傷させる。
彼の死を見届けるとフランクリンに裏社会の信念を説き、闇夜へと消えていった。
この時、フランクリンがいつまでも銃を撃たないと代わりに彼がトレバーの下手人を勤めることになる。
B.避けられない運命(マイケルを殺す)
映画の一件でマイケルを恨んでいるデビンはフランクリンに彼の殺害を依頼。これを飲んだフランクリンは単身、マイケルを追い回す。最期は工場に追い詰められて、フランクリンに罵詈雑言と拳を浴びせられると高所から突き落とされて死亡。
この際、娘のトレイシーが大学に合格し家族との食事会が待っていることが判明するなど幸せの絶頂の彼を殺すことになったプレイヤーは何とも言えない気持ちになった事だろう。
幸せを求めて仲間を裏切り続けた男は、幸せの絶頂から裏切られた仲間に突き落とされて、その命を終えたのだった…
C.プランC(死を覚悟する)
死を覚悟してレスターに協力を仰ぎ、3人とラマーで力を合わせて邪魔者を全て消す選択をとったフランクリン。決戦場となる鋳造場でなおも争いを続ける2人だったが、フランクリンの説得によりトレバーが銃を下ろしたことで和解。その後は3人で各々の邪魔者を排除しデビンとの関係も永遠に終わらせる。
フランクリンが去った後、トレバーと和解の言葉を交わすと各々の日常へと戻って行った。
オンラインでは10年経ってなお未登場だが、とあるミッション中にフランクリンの口からバインウッドで働く知り合いの存在が示唆されており、家族と過ごしながら映画プロデューサーとしての毎日を送っていることと思われる。
家族
- アマンダ
- 元ストリップ嬢の妻。マイケルの金を浪費する一方、汚い仕事に手を出していた彼への嫌悪を隠そうともせず、テニスやヨガなどの趣味のトレーナーを家に連れ込んでは不倫を働く。マイケルとは会話するたびにヒステリックな口論になる。
- トレバーいわく彼女と付き合いだしてからマイケルは変わったらしく、おそらくは子供が出来たのを機に本格的に引退を決意したと思われる。
- そもそもの原因はマイケルの不倫への当て付けで始めた事である。不倫はすれどもマイケルともベッドを共にするし、夫にデートに誘われれば必ず応じる。なお自分が夫や子供への不満を言うのは別として、他人がそれを言うのは絶対に我慢がならない妻としての人間味溢れる一面もある。
- 若いころの彼女の写真が家の中に飾られているが、当時は本当に美人である。
- 昔馴染みのため、トレバーの事を恐れてはいないものの、縁を切りたがっているぐらいには嫌悪している。トレバー自身は彼女に対しての嫌悪感は表面的にはあるものの、子供達の母親としての面からそういう態度を取る彼女もキチンと理解を示している。ちなみにトレバーはマイケルを殺したエンディングだとアマンダへの同情とフランクリンへの殺意を隠そうともしない。
- トレイシー
- 長女。母に似て自己顕示欲の塊であり、有名になるために自分を安売りするという娘。マイケルの事は娘としての立場からは嫌いだが内心愛してもおり、認められたいとも思っている。有名になりたいのも父親に認めて貰いたいから。一応、彼女なりに将来の事を考えて父親に内緒で勉強もしている。
- ヤク中毒の芸能プロデューサーへの枕営業を目論んだり、それしか手段を知らないためストリップまがいのダンスでオーディション番組に出演したりと、有名になって父親に認めてもらうためなら手段を選ばない。彼女の場合は親に何としてでも認めてもらいたいから、という欲求の方が強いため。
- スタイルは悪くなく、顔は美人でもなくブスでもなく、という、いかにも安いポルノに出てそうな絶妙な造形がなされている。
- こうなる以前は母親似の家庭的な美人だった。今より数段美人と言っても過言ではなく、ロスサントスに来て悪い連中と付き合いだしてから、こうなったらしく間違った観念を植え付けられたようだ。
- トレバーとも弟ジミーと共に昔から付き合いがあり、仲良しで昔馴染みのおじさんと言う事で現在のマイケルよりも仲が良いほど。トレバーは言動を良く聞けば解かるが彼女が親に認めてもらいたい、と言う内心もきちんと理解を示しているため。
- ジミー
- 長男。本名は「ジェームス・デサンタ」。
- 就職活動すらしたことがない20歳のヒキニートで、部屋に閉じこもってオンラインゲームとドラッグに漬かりまくっている(一応外に出ないのは敏感肌のせいらしい)。
- 以前は野球少年であり、今とは体形も顔もスポーツ少年らしく凛々しかった。今の服装は当時の自分を踏襲したもの。
- 父のヨットを勝手に売るわ高価なSUVをローンで買うわ、ネットで赤ん坊の写真を煽るわとハイレベルなクズニート。自転車に乗ってもマイケルが足で走るのと同じぐらいのスピードしか出せないほどの運動不足。おまけにいい歳して中二病まで発症している(自身の事を「ジズル」と呼ばせようとする)など、GTAシリーズでもトップレベルのダメ人間である。
- 彼がフランクリンの取り立てのターゲットになったのが、マイケルと彼が知り合うきっかけとなった。
- しかし、関係がこじれきっている父と何とか向き合おうと(向き合ってもらおうと)自分なりに何かと努力している部分が多く、父譲りなのか時折妙な行動力を発揮する逞しい(?)一面もある。姉と同じく父親に何とか認めてもらおうとする行動は実は一緒。
- エンディング(Cルート)後はマイケルと一緒にゲームをしたり、ダイエットや就職活動をしている模様。
- 姉と同じくトレバーの事を昔馴染みのおじさんと言う事で、とても慕っている。ある意味、父親より慕っている一面も見受けられ、トレバーを殺したエンディングではとても悲しんでいた。