概要
1891年にマヌエル・モンドラゴン技師によって開発が始まり、1892年3月23日に特許が取られ、1893年にスイスで製造されたストレートプル式ボルトアクションライフル。
付属品として長さ41cm、重さ575gの長銃剣、または長さ28cmの短銃剣も同時に開発された。
メキシコ軍に将軍として務めていたモンドラゴン技師は当時、兵器設計を学ぶためにベルギーに滞在しており、1884年には特許を取るなどして技術者としての株を上げていた、そこに近代化を推し進めるディアス大統領から『メキシコ人として世界のどの国よりも早く立射・連射が可能な小銃を設計せよ』との命を受け、開発したのがこのM1893である。
しかし当時のメキシコは銃器を製造できるだけの工廠を持っておらず、ディアス大統領の支援のもと受け手を探した所行き着いたのがSIG社だった。
そして試作品を1893年に50丁、1894年に口径違いのバリエーションを200丁作ってもらい、メキシコ軍にてテストをする事となった。
そして実際に1894年9月27日にメキシコ陸軍第25歩兵大隊に50丁のライフルが部隊試験用に支給されたと記録に残っている。
評価としては過酷な使用に耐えるほど頑丈だったものの、下記の機能の必要性がわからず採用が見送られた。
この結果を受け、モンドラゴン技師は再設計を行い、下記の機能をセミオート機能に変えた物が"モンドラゴンライフル"として良く知られるモンドラゴンM1908である。
特徴としてボルトがAR-15やジョンソンライフルのボルトに非常に似て、2組の6つのロックラグが放射状に配置されている。
また、この銃にはボルトを引いて戻すだけで撃針が発射される独特な機能がついており、「A」「L」「R」という3段階のセレクタースイッチで切り替えられた。
Aは一般的なセーフティロック、Lはセーフティを解除した普通の射撃で、Rがその機能である。
主なバリエーション、派生型
M1894
シュミット・ルビン大佐が開発に協力し、弾をこの銃のために新しく設計した5.2×68mmルビン弾に変更した派生モデル。マガジンが6発装填になっている。現在は博物館に所蔵されている。
M1900
最終モデル。
性能
全長 | ?mm |
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銃身長 | 750mm |
重量 | ?kg |
使用弾薬 | 6.5×48mm弾 |
装弾数 | 8発 |
口径 | 26口径 |