あらすじ
詐欺商法で生計を立てていた鳩ヶ谷圭輔。しかし、勤務していた会社が薬事法違反及び詐欺容疑で告発され、その責任を上司に全て押し付けられ逮捕されてしまう。
しかし、そんな鳩ケ谷の身元引き受けと保釈金支払いをしてくれる人物が現れ、警察から釈放される。
その人物の名は狭山滋明。かつて甲子園制覇を果たした彩珠学院高校の当時の主将で、鳩ヶ谷の恩師であった。
ストーリーの特徴
これまで選手の努力・成長を本筋においた野球漫画が大部分を占める中で、極めて珍しい監督同士の頭脳戦に重きを置いた野球漫画。
詐欺企業で営業マンをやっていた頃の観察眼をフルに駆使した鳩ヶ谷の、奇抜で時に極めてダーティな戦術が本作の見どころ。
登場人物
本作の登場人物は、殆どが埼玉県の地名を由来としている
- 鳩ヶ谷圭輔(以下ポッポ)
本作の主人公。彩珠学院高校野球部OB。当時のポジションはキャッチャー。
ルーズで着崩した服装と、ボサボサヘアーに無精髭がトレードマーク。
狭山の熱意に屈するカタチで彩珠学院高校野球部の指導を引き受ける。
一見、野球とは全く無関係そうな発想に基づく独特の練習法と、元インチキ企業の社員らしく規則の盲点を突いた補強策で、チームを叩き上げる。
かつて主審の恣意的な誤審に腹を立て思い切り殴りつけてしまった過去があり、高野連の役員となったその元・主審から目の敵にされている。
さまざまな紆余曲折を経て、生徒たちからの信頼は上々といった所。
彩珠学院高校野球部
- 毛呂山豊
ポッポが来る前までの彩珠学院高校野球部監督で同校OB。ポッポの監督就任後は部長に就任。
情に流されやすく、状況の読みもとことん「甘ちゃん(ポッポ談)」な部分もあり、野球の監督としては極めて不向き。
ポッポとはOB同士だが、学年が6年違うため面識は無い。
OB会長の愛娘で野球部マネージャー。
- 日高直哉(ピッチャー)
極めて我の強い性格で、ポッポ監督就任直後は反発していたが現在は絶対の信頼を寄せている。
選手としての質は文句無しに高く、同県内の名門校からスカウトが来た事も。
余談ではあるが、母親が若干モンペ気味。その母親からは「直ちゃん」と呼ばれているが、本人は相当嫌がっている。当たり前だ。
あこがれの選手は井川慶。
- 八潮創太(キャッチャー)
周りの和を重んじ、何かと暴走しやすい日高の理想的な女房役。
真面目で、自分が納得いくまで一つの事に打ち込みやすい性質は、監督就任直後からポッポのお気に入りで、八潮自身もソレに応える形で成長を果たし、鳩ケ谷野球の体現者となっている。
その一方で、人の言う事は聞いても疑問に感じれば躊躇なく質問として返す部分は、鳩ヶ谷にとっても良い刺激となっているようで、彼の進言から打開策を見出す事もある。
- 大宮剛士(ライト)
彩珠学院高校野球部随一のスラッガー。出身は岡山県。
実は岡山の名門校期待の星だったが、両親が夜逃げした為に中退を余儀無くされ、工務店で働いていたところを鳩ケ谷に拾われる。
先ほど記した規則の盲点を突いた補強策で引き入れた選手。
元々の名前は児島剛士で、現在はOB会長の大宮の養子となっており、マネージャーの詩織とは義理の姉弟。
あこがれの選手はバリー・ボンズ
- スティーブ・ストローター(ピッチャー:控え)
留学生枠で入部したアメリカ人生徒。
190を超える身長と長い指を持ち、独特のフォームから放たれるボールは急速こそ遅いものの、表現しがたい変化を見せ、そこそこ凡打で打ち取っている。
またバッティングも伏兵クラスの活躍を見せ、他の部員が苦しんだシンカーをポテンヒットで出塁するなど、地味に決定的な仕事をやってのける意外性の選手。
そもそも日本に来た理由が、良質のアニメを見るためであるように性格は非常にオタッキー。
ピンチになると、どこかで聞いた事のあるマンガ・アニメのセリフで自分を奮い立たせる。
関連タグ
上代務:原作者。本業は脚本家。
アンジャッシュ:渡部建が本作のファンであり、文化放送でこの作品で繰り広げたゲームを実況解説すると言う企画で解説する役をやった。