概要
主人公とヒロイン。
宇宙の遥か彼方で育ち、戦争に明け暮れていた少年兵・レドは、ワープ事故で飛ばされた地球で好奇心旺盛、天真爛漫な少女・エイミーと出会う。戦うことしか知らなかったレドがエイミーとの出会いを通して次第に変わっていくという、典型的なボーイミーツガールである。
レドが特殊な環境で育ったこともあり、本編においては恋愛を匂わす描写は控えめ。(潜在的に惹かれているような描写は見受けられる)
今後に期待できる微笑ましい二人である。
※以下、ネタバレ有り※
(続編小説のネタバレも含んでいます。)
本編
二人の出会い~レドがガルガンティアに居付くまでの話。
一話時点でレド16歳173cm、エイミー15歳156cm。
ここでは主に二人の接点が見られる話を取り上げる。
1話『漂流者』
ワープ事故で地球に漂流したレドが、チェインバーの側にいたエイミーを人質にとる。俵担ぎにして逃走したが、その際にエイミーの尻をぽんぽんと触っている。
2話『始まりの惑星』
エイミーはレドと意思の疎通を図るため、自ら交渉役を買って出た。
なお、この時特使の可能性があるというチェインバーの言葉にレドはエイミーのことを「子供だぞ!?」と言い、一方エイミーはレドのことを「腕とか細っこくてあんまり男っぽくない感じ」と言っている。これが2話の時点でのお互いの印象である。
5話『凪の日』
エイミーがサーフカイトでレースをしている途中、オカマに追われているレドを空中キャッチで助ける。レドを乗せたままレースで一番になり嬉しそうに笑うエイミーを見たレドも、つられて笑顔を見せた。
6話『謝肉祭』
謝肉祭の後、レドとエイミーが二人きりになるシーンがある。そこでヒカリムシに驚いたレドが咄嗟にエイミーを庇い、自分がエイミーに直に触れていたことに気付いたレドは慌てて手を離す。レドが顔を赤くするのはアニメ本編、劇場OVA含めてこのシーンのみである。それまで恋愛に疎かったレドが、エイミーを異性として意識したことが明確に描かれた場面だ。
謝肉祭のドラマCDには、二人が一緒に屋台を回る話が収録されている。
8話『離別』
レドがクジライカ討伐のため船団を離れることになる。エイミーが落ち込んでいるところにやってきたサーヤの「この世の終わりみたいな顔してる」「あなたにしたらそうかもしれないけどさ」という言葉に、彼女は赤くなりながら「まだ始まってもいないよ」と答えている。
また、レドは船団を離れることを止めにきたベベルに対して「(クジライカを倒すことは)エイミーを守るためでもある」「エイミーを悲しませたくない」と言っている。
二人の想いはすれ違ったまま、レドは船団を離れてしまう。
12話『決断のとき』
暫く二人の絡みはないが、自分がどうすれば良いのかわからなくなっているところにエイミーにくっ付いているグレイスに似たモモンガ(後にレドのペットになる)を見つけたレドはエイミーのことを想い、自分が船団を離れた当の理由である「ガルガンティアの人々を守るため」という決意を思い出し、かつての自分の上司であるクーゲルと敵対することになる。
一方エイミーはメルティ伝いにレドの状況を知り、レドたちの指示通り航路を変えて逃げようとするリジットたちを説得し、共に戦うことを促した。
13話『翠の星の伝説』(最終話)
ガルガンティア砲の着弾位置を知らせるためにクーゲル船団の上空に飛んできたエイミーは、チェインバーに乗って戦うレドに「私はあなたの側にいたい」と自分の気持ちを告白。
レドはガルガンティア船団を守るために身を犠牲にして戦う決意をするが、自分の死期が近いと知った時エイミーを思い出しつつ「もう一度会いたかった。もっと声を聞きたかった。」と胸の内を吐露した。その言葉を聞いたチェインバーに「兵士の資格はない」と言われコックピットを切り離され、無事生還した。
エピローグでは、サルベージから帰ったレドを迎えに行くエイミーの姿が描かれている。小説版には二人のことを“恋人”と書かれているが、真偽は定かではない。
本編終了後を描いた『ぷちっとがるがんてぃあ』13話では、コミカルでありながら二人の明確な恋心が見られ、チェインバーの名言(迷言)も聞けるので必見。
14話『廃墟船団』(OVA)
BOX1巻の特典。本編の中日談なので、14話だからと言って最終話後の話という訳ではない。
レドたちが廃墟船の中を一緒に偵察に行く話。レドとエイミーは一緒に行くことになったが、エイミーは幽霊を怖がりレドにずっとくっついており、レドもエイミーの肩を抱いている。
OVA『翠星のガルガンティア~めぐる航路、遥か~』
アニメ本編から半年後にあたる話。
年齢、身長などに変化はない模様。
レドのエイミーに対する気持ちに変化が見られる。
前編
二人の関係は船団公認になっているように見えるが、当の本人たちは自分たちの関係をそこまで深く考えていない模様。
エイミーはメルティに「彼氏持ち」と言われても否定しない、周りに「痴話喧嘩」とからかわれると顔を赤くして否定するなど、それなりにレドを異性として意識している描写が見られる。
一方レドはからかわれてもキョトンとした顔を見せたりと、よくわかっていない模様。
レドが海難事故に遭い救出された時には、レドに駆け寄って抱きつくエイミーと、それを優しく抱き締め返すレドが描かれる。二人がお互いの大切さを実感した、大切なシーンである。
前編の二人は、お互い想い合っているというのは事実だが、恋人関係というものの概念がよくわかっていないようだ。二人は一気に恋人になっている訳ではなく、今はお互いを尊重し合い、距離を詰めている段階である。(劇場パンフレットより)
後編
海でカップル同然のいちゃつきを見せ付けてくるが、本人たちにいちゃついている自覚はないらしい。
後半ではレドがエイミーを守るために戦うという、まさに主人公とヒロインの典型と言える一幕を見ることができる。
ラストではレドがエイミーに「俺はここで君を守る」と宣言し、抱き締めあう。この先の将来を共にしていくという、彼なりの決意表明をした。
後編ではエイミーは将来を共にする相手だという自覚がレドの中にあり、単に好きだというだけでなく、エイミーとの関係性に対する責任感のようなものが生まれてきているが、彼はその気持ちを言葉で上手く表現することができない。それが「守る」という言葉に込められている。最後のレドの決意を表したものが、後編のキービジュアルとなっている。(劇場パンフレットより)
続編小説『翠星のガルガンティア―遥か、邂逅の天地―』
アニメ本編から二年後にあたる話。
レド18歳181cm、エイミー17歳162~163cm。(下巻設定資料より)
レドは髪が短くなり、体格もより男性的になっている一方、エイミーは髪が長くなり、背も少し伸び、活発さより女性らしさが勝ってきている。
重大なネタバレを含んでいます。閲覧には気を付けて下さい。
上巻
ルエル夫妻の結婚の話になった時に「二人とももう長いんだから」とからかわれたり、スカヤに「レドと付き合っているのか」と尋ねられた際に「改めて言われると照れちゃうな」と答えている場面があり、二人は晴れて恋人同士となったことが窺える。しかし、エイミーは相変わらずレドのことでからかわれると決まって赤面している。
なお、レドの散髪はエイミーが行っている。(初めのうちは見られたものではなかったが、次第に腕を上げていった模様。)
レドの将来を一緒に考えるなど、二人の絆が以前よりも強く描かれている。
下巻
エイミーがレドのために危険な場所に出向く、レドが一人で抱え込んでいる悩みを察して諭す、カイトでイグナイトの元へ送り届けるなど、レドをフォローする描写が見られる。その際レドはエイミーのことを“翼”に例え、自分一人では出来ないことでもこの人となら、とエイミーの大切さを改めて実感する。
一連の騒動が収まりガルガンティアに無事帰還したレドは、エイミーにある言葉を伝える。これまで色恋沙汰に疎かったレドのエイミーに対する気持ちの描写が多く、二人の関係の集大成が描かれているため、ファン必見である。
こみっくがるがんちあ
BOX特典に付く、キャラクター原案の鳴子ハナハル氏による書下ろしフルカラー漫画。基本的にレドミー要素が強い。
BOX3巻特典
育った環境が特殊だったこともあり女性の裸を見ても何の反応も示さなかったレドが、ひょんなことからエイミーの裸を見てしまう。顔を真っ赤にして謝るレドだったが、その後出てきたメルティとサーヤの裸を見ても平然とした顔をしていた。その時二人に「エイミーと反応違うし!」と指摘されている。
OVA前編特典(劇場版限定アンソロジー)
こみっくがるがんちあと違い、4ページの書下ろし漫画となっている。
レドがエイミーの匂いを嗅ぎ「エイミーは良い匂いがする」と言いエイミーを動揺させている。
OVA後編特典
レドとエイミーが水着のままチェインバーのコックピットの中に閉じ込められる。誤ってエイミーの水着の紐を解いてしまったレドが紐を結びなおす時の会話を、外で聞いていたリーマにあらぬ方向で勘違いされてしまう。これまで以上にギリギリな内容になっている。
その他
・レドの名前の由来が“鉛、弾丸”、エイミーが“目的、照準”、チェインバーが“薬室”(弾丸が入っている場所)であり、チェインバー(薬室)から放たれたレド(弾丸)が目指す先がエイミー(照準)という意味を持たせている。
・レドに食べ物の好き嫌いはないが、強いて言うなら好物はエイミーの手料理。
・本編最終話のエピローグでレドの服の袖がフリンジなのは、エイミーの服にフリンジがついているのを真似したため。
(主に監督の話から抜粋)