概要
2004年公開の映画『イノセンス』に登場するガイノイド製造会社。本社ビルは北海道・択捉経済特区に位置しておりミラノ大聖堂を彷彿とさせる外観をしている。本作では当該企業が販売していた『Type-2052ハダリ』暴走事件をはじめとして物語の軸となる。
バトーの傭兵時代の旧友・キム曰く「ロボットメーカーとしては後発だが、高級ガイノイドの開発と生産を専らにしてから急速に事業を拡大、政治家や高級官僚、果ては犯罪組織との癒着も囁かれている。」といった大まかな来歴と「当局の立ち入りを警戒して、その製造ラインは多国船籍のプラント船に置かれている。」ことが言及されている。
また、件のプラント船には侵入者を拒むため過剰な数の警備AI、武装警備員が配備されているなど不審な点が多い。
生身を捨て、義体で生きるキムが「あそこの人形はなかなかよく出来ている」と評する程度には質の高い技術を有しており、評価試験用の先行量産型として契約モニター上で販売されていたセクサロイド・『Type-2052ハダリ』は好評であったことが窺い知れる。
作中での動向
以降は時系列順に記述するため、本作『イノセンス』のネタバレを含みます
本作の開始前に指定暴力団『紅塵会(こうじんかい)』との癒着により違法ルートで攫った少女らの自我をゴーストダビング(※)によってハダリと融合させ、これを契約モニター上で販売。
この凶行に耐えかね、良心の呵責から出荷検査部長であるジャック・ヴォーカーソンはハダリの倫理プログラムに細工を施す。
※「ゴーストダビング」とは「人間の意思や自我をコピーし、ガイノイドの機体にインプットさせる技術」であったが、オリジナルの脳を破損させる虞があるとして本来禁止されていた。
本編序盤で少女の自我を有したまま販売された各ハダリらが本件発覚を狙い所有者を殺害。
事件発覚後、当該機体であるハダリをすべて回収するが公安9課に「ロクス・ソルス社と遺族らとの間に示談が成立しており告訴提出がされていない点」および「被害者リストの中に政治家、公安関係者の退職者が各一名含まれているためテロの可能性がある点」に目を付けられる。
※また、この際2032年8月26日本件で殺害された『紅塵会』の組長イノウエ・ヨシオの報復として事件発覚の直接の要因となった先述の出荷検査官の所在を紅塵会に提供した。
本編中盤で出荷検査官ジャック・ヴォーカーソンが紅塵会からの報復としてボートハウスで殺害され、後日捜査として紅塵会本部がバトーによる襲撃を受ける。
これに関連づけたスキャンダルを狙い、電子戦のプロであるキムを雇い同日夜、食料雑貨「萬食華超市」に立ち寄ったバトーをハッキング。バトーを操って銃乱射事件を誘発。
本編終盤でバトーによるプラント船内部への侵入、ハダリに衛星経由でその一部をダウンロードした少佐:草薙素子の乱入を受け彼らにより先述の悪行が明かされる。
関連する人物
主人公バトーの傭兵時代の同僚。バトーとは「根室上陸工作戦」以来であり、バトーらにロクス・ソルス社の概要を提供。独特の死生観や厭世観を持ち、生身を捨て機械仕掛けの肉体「義体化」を全身に施している。
ロクス・ソルス社の出荷検査官。ハダリの製造過程でゴーストダビングに耐えかねて倫理プログラムに細工を施し、事件発覚を促した。
関連タグ
阪華精機:原作6話に登場する義体やアンドロイドを製造するロクス・ソルス社のモデルとなった会社。ちなみにハリウッド版においてはポセイドンやメガテク・ボディ社ポジションのハンカ・ロボティクスとなった。