概要
水木しげる氏著書の妖怪辞典などには次のような話が掲載されている。
ある時、猟師たちは狩りを行うためにそれぞれの妻を連れて長い旅に出かけた。
彼らは毎日沢山の獲物を獲る事が出来たのだが、彼らの中にただ一人だけ獲物を得る事が出来ない狩人がいた。
そんなある日の朝、その狩人が狩りに出かけると1人の男が立っており、「私を水のある所へ連れてって欲しい」と頼んできた。
狩人は男を川へと案内すると、今度はその男がおもむろに狩人を背中に乗せると水の中へと連れて行った。
実は男の正体はワニ男で、水の中にはありとあらゆる動物の頭が並んでおり、自分を水辺へと案内してくれたお礼にこの中からどれでも好きなものをあげようというので、狩人はその中から鹿の頭を選び取った。
それから間もなくして狩りに出かけた狩人は、4匹の鹿に遭遇し、見事にこれを仕留めて帰る事ができ、彼のその見事な腕前に仲間たちも驚き目を見張ったという。