概要
本作の主人公にして強面の隻眼剣士。ぶっきらぼうで粗野ではあるが、根は優しい人間である。数多の修羅場をくぐり抜けたためか、どこか達観したような人生観の持ち主であり、普段は飄々とした世捨て人として振る舞っている。
元は旗本・堀井重信の配下だったが、知らぬうちに堀井の不正の片棒を担がされていたことに気付き彼を斬殺したためにお尋ね者となり、追っ手100人を斬り伏せたことから「百人斬り」の異称で呼ばれるようになった。その際、知らなかったとはいえ妹・町の夫である斉藤応為辰政も斬ってしまい、それを見ていた町の心を病ませてしまった。
その後、謎の尼僧・八百比丘尼から償いの方法を探すために血仙蟲を身体に移植され、不死の肉体を授けられた。
そして、己の罪を償うために「千人の悪党を切って捨てる」ことを決意。
妹の死後、浅野凜の用心棒として彼女の仇討ちの旅に同行する。
服の下に多数の武器を隠し持っており、道中で倒した敵の武器を気に入るとそれを自分のものにすることがある。
百戦錬磨の優れた剣士ではあるのだが、不死身の肉体を持つがゆえに捨て身同然の戦法を取ることもあり、また物語の演出上、敵の必殺技を一度は喰らうシーンが多いことから、一時期「実は弱いんじゃないか」と読者の間で噂されていた(本人も「不死身だから躱すことがなくなって腕が落ちてる」と愚痴っていたことがある)。
剣士としては一流なのだが、万次を超える才能を持った剣士は劇中何人も登場しており、彼は特別秀でた存在では無いのである。
ある意味主役でありながら噛ませ犬役やスプラッター役も担当しているといえるキャラクターであり、「無限の住人」という血風吹きすさぶ物語を象徴している存在である。