概要
腐向けタグなので注意。
三空とは、『最遊記』、『最遊記RELOAD』、『最遊記RELOADBLAST』に登場するキャラクターである玄奘三蔵と孫悟空のカップリングの作品に付けられるタグである。
玄奘三蔵は、金髪に紫の瞳を持つ美形だが、飲酒・喫煙・博打を嗜む破戒僧である。
孫悟空は、如意棒を使い、頭には金鈷を着けている人でも神でも妖でもない異端の存在である。
初期の頃は三蔵と悟空は依存関係であった。特に三蔵の方が依存が強く、悟空が死ぬと三蔵も死ぬと言われていた。現在は精神的成長によって依存関係は解消されたが、今でも三蔵と悟空は互いに大切な存在である。
日頃から距離感が近いため、親子・飼い主とペット・恋人のような関係性に見える。
ネタバレを含むエピソード紹介
【六道編】
三蔵の旧友であった六道が妖怪への恨みから妖怪狩りをしているところに出くわした三蔵一行。六道は呪符に呑みこまれかけており、三蔵は六道を止めるには殺すしかないと考えていたが、悟空が三蔵を止めに入る。その隙を見て背後から悟空に襲いかかった六道。けれど三蔵が咄嗟に悟空を庇い、六道の刃は三蔵の腹部へと突き刺さってしまう。血塗れになって倒れる三蔵を見て悟空は精神が不安定になり、額に着けていた妖力制御装置を破壊し暴走を始めてしまう。助太刀した観世音菩薩のおかげで一時事態は治まったが、悟空はベッドで寝ている三蔵の傍を離れようとせず、自分の所為で三蔵に怪我をさせてしまったことに落ち込んでいた。そんな様子を見た八戒は悟空にあんな表情をさせられるのは三蔵くらいだと再認識した。如何に悟空が三蔵を大切に思っているかがわかるエピソードであった。
【清一色編】
八戒を狙った清一色に突如襲われ行方不明になってしまった悟空。行方不明になってからしばらくして悟空の帰りを待つ三蔵達の元に現れたのは清一色が作り上げた悟空の偽物であった。悟空と瓜二つの姿で普段通りに接してくる偽物。しかし、三蔵は即座に目の前の悟空が偽物だと気が付き、その身体に銃を突きつける。必死に自分は本物だと主張し三蔵の名前を呼ぶ偽物悟空に対し三蔵は「俺が呼んだのはお前じゃない」と冷たく言い放ち、それに付け加えて「俺のことを気安く呼んでいいのはあのバカ猿(本物の悟空)だけだ」言い切った。悟浄曰く、この時の三蔵はかなりご立腹だったらしい。公式ガイドブックでも偽物の悟空に名前を呼ばれ、三蔵はかなり不快に感じていたと記されている。普段はツンツンしている最高僧の渾身のデレシーンであり、ここで三空の沼に落ちるものも少なくない。三空の登竜門。敢えて「バカ猿だけ」と限定してくるあたりで悟空が如何に三蔵にとって特別な存在であるかを強調している。その後、清一色との戦闘中に本物の悟空が戻ってきた際には、すぐさまハリセンで叩き、その光景を見ていた悟浄に「安心したなら安心したって言えばいいのに」とからかわれたが、否定しなかったため図星なのだろう。
【砂漠編】
女妖怪に襲われた三蔵が柄にもなく拷問めいたやり方で妖怪を殺そうとしていた現場に居合わせた悟浄、八戒、悟空の三名。やり方が三蔵らしくないと言われ、俺らしいとはどんなんだと気を荒立てる三蔵に対して、悟空は怯むことなく三蔵に立ち向かい、その身体に一蹴り入れる。突然蹴られた三蔵はますます怒るが、悟空はそんな三蔵に自分をいつものように怒るように挑発する。真正面から自分らしさを示された三蔵は放っていた刺々しい空気を自然と消し去った。その後、瀕死だった妖怪の毒にあてられた三蔵を抱えて、街へと急ぐ一向の前に三蔵の持つ経文を狙った紅孩児が行く手を阻む。三蔵を一刻も早く医者の元に連れて行きたい悟空は負けることは許されないと悟り、自ら妖力制御装置を外し紅孩児と本気で戦うことを決意。斉天大聖となった悟空は紅孩児に勝利したが、紅孩児との戦闘後も暴走は続き、悟浄や八戒にも襲い掛かる。敵味方問わず戦い続ける斉天大聖の動きを止めたのは毒に犯され瀕死になっていた三蔵本人であった。三蔵が暴走した時は悟空が、悟空が暴走した時には三蔵がストッパーになる。この関係は唯一無為のものであり、この砂漠編で三蔵と悟空の関係性はよりはっきりしたものとなった。
【カミサマ編】
カミサマの手先であった銀閣・金閣の襲来により意識を失った悟空と八戒。意識世界で出会った銀閣から話を聞き、カミサマが自分達にとってどんな存在であったか、カミサマに自分達は逆らえないことを聞かされ、悟空はカミサマの言いなりになっていることはおかしいと訴えた。しかし、気を荒げる悟空を静止した八戒は悟空に対して誰にでも絶対的存在はいるものだと諭す。そして「貴方にだってあるんじゃないですか?絶対的な存在が」と口にする。悟空は困惑した顔をするが八戒の心境から悟空の絶対的な存在が三蔵であることが伝わってくる。
【雪山編(最遊記RELOAD)】
吹雪の中で遭難し、自我を失っていない妖怪に助けられた三蔵一行。親が自我を失い孤児となった妖怪の子供たちとの慎ましい生活を身近で見た一向であったが、その後、助けてくれた妖怪が自我を失い、戦闘を余儀なくされる。つい先刻までは普通にしていた妖怪が目の前で自我を失う様子を見て、戦闘後妖怪達の墓の前で佇む悟空は三蔵に声をかけるも「俺がもし……」と言いかけた言葉を寸前のところで飲み込む。三蔵は悟空の想いを受け止め、静かに「殺してやるよ」と悟空の欲した言葉を送った。自分が暴走して手が負えなくなったら、三蔵の手で殺してもらいたい。このやり取りにも幾人もの三空の女が涙した。
【埋葬編(最遊記RELOAD)】
三蔵と悟空の出会いの場面から寺院で暮らし始めるまでのストーリーである。納屋で寝かせていた悟空の大福のような寝顔を見た三蔵の笑みに殺されたファンも多くいることだろう。悟空との出会いが色のなかった三蔵の日常を忙しないものとしていった。
【ヘイゼル編(最遊記RELOAD)】
ヘイゼル編は原作エピソードの中でも長編であるが、ヘイゼル編の作中には三空沼へと誘うトラップがいくつか仕込まれている。中でも代表的なシーンはファンの中ではお馴染みの「限りなく純粋な殺意」である。これは悟空と三蔵が二人きりで路地で会話をしている時に悟空が烏哭三蔵法師に襲われ、三蔵の目の前で血塗れになって倒れた際に、三蔵が感じた殺意のことを示す。師である光明が目の前で倒れた際には師を守れなかった自分に対する不甲斐なさから生じた殺意を抱き、悟空らと出会う前に経文を求めて放浪していた時には立ちはだかる敵に向けての殺意を抱いたことはあったが、悟空が目の前で倒れた際には今まで感じたことのない『限りなく純粋な殺意』に呑みこまれ、三蔵は正気を保っていられなくなり、瀕死の悟空を置いて悟空を襲撃した犯人(烏哭)を殺そうと街中へと飛び出した。上記の理由で街を走り回った三蔵の奇行は「町内マラソン」と呼ばれている。今まで感じたことのない殺意という点からわかるように三蔵にとって悟空は非常に特別な存在であることがわかる。悟空を襲撃した烏哭も三蔵の弱点が悟空であることを理解して襲ったような素振りが見られ、ヘイゼル編後半の直接対決の際にはぎりぎりのところで闇落ちせずに光を追い続けている三蔵を見てやっぱり悟空を殺すべきだったと惜しがっている口振りを見せた。
尚、直接対決中に烏哭の所持する無天経文の特性により、この世から存在ごとなかったことにされそうになった三蔵は無天経文の放つ闇の中で必死に足掻く。自分の歩んできた過去を走馬灯のように見せられ、それらの過去が一つ一つなかったことにされそうになったとき、三蔵が最後に見た光景は幼い悟空との出会いの場面であり、満面の笑みを浮かべる悟空の姿であった。闇に呑み込まれる中で果てしない恐怖を感じた三蔵は柄にもなく絶叫しながら闇の外へと手を伸ばす。そして闇に呑まれる間一髪のところで三蔵の手を掴んだのも悟空本人であった。無天経文の力で存在ごと消されかけた三蔵が最後に見た光景が悟空の笑顔という最大の爆弾。普段は悟空が三蔵を慕いじゃれている印象が強いが、ヘイゼル編により三蔵がどれだけ悟空の存在に救われ依存しているかがよく理解できる。六道編や砂漠編のように人間である三蔵が敵にやられ倒れる場面は今までもあったが、悟空が攻撃を受けて倒れることは初めてに等しかった為、それに比例して三蔵の動揺も大きいものとなった。ヘイゼル編は三蔵自身が自分にとって悟空が如何に重要な存在であるかを自覚したエピソードとなった。
【哪吒襲来編(最遊記RELOADBLAST)】
同じ三蔵法師の位を持つ紗烙との出会いを喜ぶ悟空、悟空は拾われた頃からずっと三蔵の傍にいた為、三蔵が感じている三蔵法師としての苦労や孤独を同じ立場で分かち合える相手に三蔵が巡り会えたことを嬉しく感じていた。三蔵が女性と二人でいることに嫉妬なりを感じているのかと思いきや、突然の彼女視点のマウントを取ってきた。いや、あれは彼女を飛び越えて嫁的マウントであった。三蔵を思いやる悟空の笑みはそれこそ天使のようであった。また哪吒襲来時に紅孩児との戦闘で大火傷を負った三蔵は我が物顔で悟空の膝枕を享受していた。公式で膝枕が実現する世界。あの膝枕も三空史に名を刻む名シーンであった。高圧的すぎる最高僧の元で育ってどうしてあそこまで良い子に育つのかイマイチ理解できない。ヘイゼル編を乗り越えて物理的にも二人の距離感はより縮まったのだろう。アニオリシーンでは三蔵が紅孩児と戦っている裏で悟空は幻術使いの雀呂との戦闘で幻術をかけられ動けなくなってしまう。かけられた幻術は三蔵と出会う前に自分が繋がれていた岩牢の幻覚であった。忌まわしき場所と光景に動けなくなる悟空であったが、三蔵が自分を迎えに来てくれることを思い出し見事に幻術を打ち払った。この場面から悟空の三蔵への絶対的信頼度が高いことがよくわかる。
公式小説・ドラマCD・キャラソン
『小説』最遊記OMNIBUS(短編集)
四人での旅の途中、雪山で遭難した悟空と三蔵の二人の話が収録されている。
自分を守るために怪我を負った三蔵を気がかりに感じ、寒い小屋の中で二人で暖を取るという展開にも驚かされるが、三蔵の体温が下がっていることに気づき不安と後悔から沈黙を貫き涙を堪えていた悟空に「泣くな」声をかけ、悟空の頭を鷲掴みにして自分の鼓動が聞こえるように自分の胸に引き寄せた。何が起きたのか自身の目を疑った読者も少なくないだろう。悟浄や八戒が傍にいたら絶対にしないであろうキザな行動も悟空と二人の時はやってのける最高僧であった。
『ドラマCD』
最遊記シリーズは数多くのドラマCDを制作しており、原作見られない各々の一面が見られることもある。八戒指導のもと、架空のバイト講座が催されお題が「妹喫茶」の際には悟空と三蔵が兄弟設定の即興茶番劇が行われたこともあり、三蔵のことを「三蔵兄ちゃん」と呼ぶ悟空や突然始まった茶番にノリノリで参加する三蔵の姿が見られる。心なしか悟空の兄役をしているときの三蔵の声は優しく満更でもない様子であった。またその他にも迷い猫を懐で隠して部屋に連れ込んだ悟空から猫を取り上げようと服を脱がしているところを、帰宅した器用貧乏組に見られ誤解される(悪ふざけで)シーン等もあり、二次創作顔負けの絡みもある。
『キャラクターソング』
三蔵と悟空のカップリングソング「TREASURE」
「ただ傍に居てくれたら それだけでいつも強くなれるよ」
といった歌詞がサビ部分にあり、二人の関係を真摯に表す最高のキャラソンである。
(結婚おめでとう)
小話
・三蔵が悟空を拾い旅に出るまでの数年間、悟空は三蔵の暮らす寺院で居候をしていた。そして就寝時は三蔵の寝室で就寝していた。また旅を初めてからも二人部屋の宿を取る際には三蔵と悟空・悟浄と八戒のペアで部屋を分けることが多いらしい(公式ガイドブックより)
・三蔵は師である光明を失ってから、「守らなくていいもの」を欲していた。そして、劇場版「幻想魔伝 最遊記 Requiem 選ばざれるものへの鎮魂歌」での寺院時代の描写内には悟空をお供に連れる理由を「守らなくていい」と答えた。
・2020年に行われたセガコラボカフェでは三蔵と悟空のメインスイーツメニューもあった。
「三蔵・悟空の甘さたっぷりパフェ」