概要
「己の罪を、世界を癒やせ」
ゲーム『BAROQUE(バロック)』に登場するキャラクター。
天使のような大きな翼を背負った金髪赤目(アルビノ)の男性で、一人称は「わたし」。
PS2 / Wii版の声優は宮野真守。
リメイク版は他のキャラ同様容姿などが変更された(髪型が真ん中分けではなくなった)。
下級天使・中級天使・上級天使と構成員の階級が分けられたマルクト教団のリーダーであり、
大熱波後、外界で目覚めた主人公に天使銃を授け、「最下層へ行き、創造維持神を浄化しろ」と命令を下す。
「上級天使」は役職名だが、ゲーム中に登場する上級天使は彼1人であるため、プレイヤーの間では固有名詞として定着している。
本名は不明。……であったが、本ゲームの監督の米光氏のツイートにより、天城九詩郎という半ばギャグのような本名が明かされた。
またこのゲームに登場する「天使」は全て、フェイクの翼を背負った偽装天使であり、従って彼も本物の天使ではなく、あくまで人間である(はず)。
しかしながら、神の感覚器官である感覚球を操ることができるなど、一部常人離れした能力も持つ、謎の多い人物である。
外界では神経塔の方角にある感覚球の傍に立っているが、これは彼が上記の能力によって出現させている立体映像であり、本体は神経塔の最下層手前で大変な目に合っている。
最下層手前まで辿り着けば、本体の彼から、ストーリーの核心に迫る重要な話を聞く事ができるだろう。
人物
「記憶は? うまく話せないようだな
だが、そのていどですんだだけでも
幸いだと思わなければ。
おまえは、自分が何をすべきか、
すでに学んでいるはずだ。
わかるだろう? 何をなさねばならぬのか?
この現実の世界で
罪のつぐないのためにすべきことを、
おまえは知っているだろう?
使え。誰にも渡すな。
おまえが、使うことに意味があるのだ」
ゲーム開始直後は、大熱波によってあらゆるものが歪んだ世界の中にあって、ただ一人歪みの影響を受けておらず、右も左も分からない状態の主人公(=プレイヤー)を、アメとムチを巧みに使い分けて、厳しくも優しく導いてくれる、クールビューティーな印象の人物である。
しかし、主人公が使命を果たさずに何度も死んでいると、だんだんと苛立ちを露わにしていき、そこはかとなく粗暴で投げやりな口調になってきたり、「おまえは、何度死ねば気がすむんだ? わたしが殺してやりたいぐらいだよ」などという暴言を吐いてきたりもする。
本来は神経質で、怒りっぽい性格のようである。
またユーモアのセンスも多少あるようで、怒るのに疲れ果てると、シュールな冗談を零してくれる。
そうした彼の反応の変化を楽しむために、わざと彼の命令を無視して死に続けるプレイヤーも多いとか…
(しかしその場合も、「わざと死んだりしてないだろうな?」などと言われてしまう。)
補足
派生ゲームである『BAROQUE▲SYNDROME』にも、彼と思わしき人物が敵キャラとして登場する。本編よりも冷酷さが際立った(またどこかヘタレな)、キャラクターとなっている。
ゲーム内では言及されていないが、タロットを趣味としているという設定があり、これは『BAROQUE』の産みの親(監督)である、米光一成氏の趣味に由来する。
また、本ゲームに登場する22体の異形たちに、タロットカードの大アルカナの名前が付けられているのも、このためである。
以下は米光氏による本ゲームの外伝的小説。
大熱波以前の世界が舞台であり、上級天使が異形の名付け親である事が示されている。