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BAROQUE▲SYNDROME

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ばろっくしんどろーむ

STINGから発売されたプレイステーション用ビジュアルノベルゲームである。バロックの派生作品であり、本編の前史にあたる作品である。

概要

BAROQUE▲SYNDROME(バロックシンドローム)とは、STINGから2000年7月27日に発売したPSアドベンチャーゲームビジュアルノベル)である。

PLAYSTATIONRStore ゲームアーカイブスでも配信されている。

2019年1月11日にはスマホアプリ版が配信。スマホ移植にあたって、画面比率の変更やセーブスロットの増加、スキップ機能が追加され、操作性が大きく改善された。

大熱波が起こる以前の世界「バロック前史」を描いた小説「BAROQUISM▲SYNDROME」を基にしており、プレイヤーは歪んだ妄想に取りつかれた人々を彼らが望む妄想を創ることで癒す新しい商売「バロック屋」となって物語を進めていく。

ゲーム中に時おり現れる選択肢によってストーリー展開が変化し、物語の結末はプレイヤー自身の手に委ねられている。

ストーリー

その年、異常な事件が多発した。

イジメを行った本人が、自分がしてきたことを、されたこととして遺書を書き、自殺した少年……。

有名ミュージシャンとの秘密の恋愛に疲れたという妄想から、ノート3冊分の告白を残して自殺した少女……。

こうした少年少女の自殺が73件も報告された。

どう調べても自殺者同士に関連はないが、唯一彼らに共通していたのは、強烈な「歪んだ妄想」を遺していることだった。

こうした現象について、あるコメンテイターはこう答えた。

「彼ら自殺者の妄想は、荒唐無稽なようでいて、不気味なほど生理的で圧倒される説得力がある。

 バロックだ。」

バロック ―――はるか昔に流行した、壮大で華麗な様式を、現代の自殺者の物語に見立てた言葉が、新聞記事の見出しとして踊った。

バロックは爆発的に広がっていった。動機が意味不明の犯罪は、すべて「バロック型」として括られるようになった。

そして、バロックを商売にする人間が現れた……。

バロックを抱えた人間相手に、有料で彼らの望む妄想の物語を作り出すバロック屋である。

主人公の金沢キツネもそうしたバロック屋の一人。

今日もキツネのもとには、バロックを抱えたフミと名乗る一人の少年がやってきている。

キツネの作った物語に不満を抱いたフミは、「これを聞けば違った世界が見える」と言ってディスクをキツネに渡す。

「バロックシンドローム」の物語はここから始まる…。

キャラクター

■ 金沢キツネ

主人公。職業はバロック屋。この仕事にある意味誇りを感じている。

フミからタランテラのメロディを受け取ったときから事件に巻き込まれる。

PS版のパッケージにいる眼鏡の男性で描かれることが多い。

■ 渡辺ルビ

生涯プーを自称する少女。

最近までは聖林高校へ行っていたらしい。超能力などのオカルトが好きである。

ゼロ地区で起きた「グログロ殺人事件」の唯一の生存者。その事件で背中にをもぎ取ったような傷ができた。

キツネと行動を共にすることになる。

■ 鈴木スズメ

キツネの親友である音楽プロデューサー。

凄腕のハッカーという顔も持つ自称アナーキスト。ゼロ地区に現れるという「異形」の画像データを入手しキツネに見せようとするが、データ解析中に突然倒れ、病院に運ばれてしまう。 

■ 杉本リエ

ルビの親友。

ストーカーに狙われているというのが口癖。両親は、製薬会社に勤務している。

■ 多由良アミ

未来を予見することで知られる高校生タレント

子供の頃から超能力姉妹で有名であったが、のアサキの消息は現在不明。

■ 宮坂フミ

キツネも元に客としてやってきた謎のバロックの少年。趣味は放火

彼がキツネに「タランテラのメロディ」を渡すところから「バロックシンドローム」の物語は始まる。

■ 高田タスク

スペシアル・ハンター、またの名を異形殺戮部隊の一人。

異形を抹殺することが使命の特別公務員で、強力な武器を所有している。

わりと砕けた性格の持ち主。

■ 上級天使

最近活発に活動している新興宗教団体マルクト教団の最高指導者である冷酷な金髪の男性。

本編の上級天使と同一人物かは不明。

用語

バロック

ポルトガル語のBARROCO(ゆがんだ真珠という意味)を語源にもつ言葉。17世紀から18世紀にかけて、ルネッサンス後のヨーロッパに流行した様式。古典美と対立する、その不調和・過剰さを軽蔑するニュアンスで使われたらしい。

だが、大熱波前後の崩壊した世界で使われたこの言葉は違った意味を持っており、歪んだ妄想を抱えた人間やその妄想自体をさす言葉として使われている。

崩壊し荒れ果てた世界では、人はより多くの妄想にすがらなければ生きる意志を持つことができなくなっていた。人々はバロックを抱えて、生き抜いているのだ。

●バロック屋

若者を中心に広まったバロック症候群(シンドローム)に便乗するように現れた新しい商売。歪んだ妄想を抱えた人間相手に、彼らの望む妄想を作り出す。

また、その内容を遺書にしたためてやることもあり、そのため自殺幇助ではないかと世間に非難されている。

非合法の商売であり、警察による摘発も行われている。

●タランテラのメロディ

バロック屋であるキツネに、「僕のバロックを返して欲しい」と依頼してきたバロックの少年、宮坂フミが持っていたディスク。

●ゼロ地区

安全レベル0の地域であることからその名がついた地区。非常に危険ということで通常地区から隔離されている。

キツネとルビは、様々な謎を解くためにこのゼロ地区に足を踏み入れることになる。

●グログロ殺人事件

最近ゼロ地区で起きた被害者すべてが無残に肉塊と化した猟奇殺人事件のこと。

渡辺ルビは、同事件における唯一の生存者である。

●異形

その異様な姿形から名前がつけられたモノ。

ゼロ地区に存在すると言われているが、その存在は国家によって隠されている。

極めて狂暴であり、「グログロ殺人事件」は異形の仕業と見られている。

「グログロ殺人事件」の生き残りであるルビの背中には、異形のものと思われる傷痕がある。

●異形殺戮部隊

大熱波が起こる年のはじめに正式に結成された。異形を抹殺することが使命の特別公務員。

●マルクト教団

最近活発に活動している新興宗教団体のこと。神は我々が守らなければならない存在であり、守ることにより人は癒される、という教えを説いている。

彼らは自らを偽装天使と呼称しており、またその背に偽翼と呼ばれる偽者の翼を背負っている。偽翼が大きい天使ほど教団では高い階級にいる。

彼らは神の技術を手に入れたと宣言したが、それがいったい何だったのかは不明。

●感覚球

大熱波の直前から姿を現し始めた謎の球体。

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