曖昧さ回避
概要
「俺の名前は佐藤信長 社会の底辺をはいずる人生の敗北者だ」
紅林二郎の近所に住む住人の男性で、高校時代の同級生でもある。
引きニートになった頃は髪型もボサボサとなっており、体型も肥満と不潔な印象を与える。
物語の動向
学生時代より両親からいい大学に入って一流企業へ就職するために勉強に専念するよう求められ、言うとおり勉強を続け有名私立大学に進学はしたものの、同級生と遊ぶことなく勉強に専念し過ぎたのが仇となり、コミュニケーションが不得意なせいもあってか就職活動は100回近く失敗。やっとのことで就職した中小企業と思われる近所の印刷会社でも力仕事や単純な立ち仕事しかやらせて貰えず、上司に怒鳴られ高校中退のヤンキー崩れの先輩からも邪険に扱われる毎日であった(この頃は偶然紅林も同じ職場で働いていて他の社員と違い、佐藤に冷たくすることは無かった)。
これにより「親のせいで人生が狂った」「今までの自分の人生に意味がなかった」と考える様になり、世の中に嫌気が差した佐藤は1年後に印刷会社を無断退職。以降引きニートとして生活を送っていたが、その後父親が死亡、次いで母親も死亡してしまう。母親の死によって葬儀の準備する手間が発生することや収入源である年金が入らなくなる事を危惧した佐藤は、母親の遺体を厚めの包帯で覆い保冷材の入った家具用の段ボールに入れる。さらに猫のトイレ用の消臭ネコ砂を大量に使用して遺体を覆い、押し入れの中に隠すことで母の死を隠蔽することを決める。
しかしその3か月後、母が家から出ないことを不審に思った役所が警察に通報し死体の隠蔽が発覚。さらに以前から佐藤の件について佐藤の母から相談を受けていた紅林から問い詰められるが、親のせいで人生を狂わされたと逆上してしまう。それに激怒した紅林に「大学に行けない家庭もあるのにお前の親は良い大学に入れてくれた」「親も時にオーバーランする事はあるかもしれねえけどそれも子供のために良かれと思ってやってんだよ」と諭されて鉄拳制裁を受けることとなり、顔面陥没して歯の殆どが折られてしまった。その後は警察に逮捕され(紅林も暴行の罪で現行犯逮捕された)、裁判の結果、死体遺棄の罪で実刑判決を受けることになった。その後「どん底に落ちた人間に怖いものはない」と前向きな気分を見せており、一から人生を建て直す決意を固めたようである。
彼の登場する2021年11月20日の動画は、彼の視点から見た物語となっている。
余談
この回での一連の紅林の行動に関しては賛否両論のコメントが寄せられており、紅林の佐藤に対して同情的な態度をあまり見せず、佐藤の親の心情を重視していた点が主に批判の対象となってしまっている。恐らく、紅林は親から真っ当な愛情を受けて育ったが為に、逆に親に苦しめられる者の気持ちを推し量り切れなかったのだと思われる。佐藤が引きニートになったのも、遊びを犠牲にしてまで親のアドバイス通りにやったのに、それが尽く上手くいかなかったことが要因である。
とはいえ、佐藤の自己保身を目的とした死体遺棄や年金不正受給も許される事ではなく、更には母が死んだ時の態度が紅林の逆鱗に触れてしまったと考えられる。佐藤自身も紅林の言葉に思う所があったのか、再起を図る時に「天国の両親を少しでも安心させてやれるように」と独白があった。