「おばあちゃんたちは、私にいろんなことを教えてくれるの。試験のこともそうだし、あしたの天気とか、いろんなこと。……みんなが私のことをどう思ってるかも」
外見
80年代に流行った聖子ちゃんカット。
「95年設定なのにおかしいだろうが!」という正論が聞こえますが、95年に固定されたのはアパシーからで旧作の年代は実は不明だったりする。
イマドキ女子代表の福沢玲子のぶりっこなキャラや、堂々と黒電話とかも出てくるので「SFCて85年の間違いじゃないの?」とは昔からよく言われていた(ライターも役者も現役高校生ではないので致し方あるまい)
『絵とシナリオの、容量がわからなかったので、撮り直しを想定して、役者は使いませんでした。それにスタッフだったら気兼ねがいらないでしょ。寒いですって言っても、うるさい、何言ってんだ、やれって言えるし。実は撮影に行ったのも二月(笑)』
この早苗ちゃん「主人公に恋するモテる美少女」という設定上のハードル上げもあり、長らくネットで福沢さんと一緒にルックスを揶揄されている。
SFCの解像度が低く「アフロ」「サザエさん」と髪型も散々。
原作者の飯島氏の耳にも入るレベルで「当時ゲーム会社は女性が少なかったの。それに二人とも実物はもっと綺麗で……」とフォローを入れる始末。
PS版
パッツン前髪の一つ結び。学校によっては校則違反カットから一気に委員長キャラのような髪型になった。そこはプロの子役なので表情でちゃんと不思議ちゃんはしている。
プロの子役になった事で「俺の嫁になりたいなら美少女じゃないと許せない」勢の溜飲は下がった。
パッケージの鏡の中で泣いている彼女で、坂上の嫁イメージ全振りの綺麗なテーマ曲も作られる高待遇。
SFC版も彼女の登場シーンは選択画面のオルガンアレンジのレアBGMが流れる。
性格
福沢玲子の友達の電波な不思議ちゃんで『調理実習の時に包丁を見つめてニヤニヤしたと思ったら指を切ると大泣き』『お弁当は食べる前に30分以上お祈りしてから一口30回以上噛む』『目眩がするからと教室の中でクルクル回りだす』『あらかじめ科学室にココアを隠しておき授業をサボって飲む』といった奇行が多い。
勉強の出来る美少女という事でイジメられたりはしていないようだ。
彼女が所属する一年G組が『女子と男子が掃除のやり方で喧嘩をする小学生』『怪しげな宗教にクラス中がハマる』おおらかなクラスなのもあるだろう。
『早苗ちゃんて、福沢さんが話していた不思議な女の子だっけ? 確か、身体の中におじいさんやらおばあさんが住んでいて、テストのことやこれから起きることを教えてくれるっていっていた、不思議な女の子』
実はエクトプラズム少女。勉強が出来たり人の心が読めるのは、口の中にいるご先祖様達が彼女に教えているから。
『誰も、死なせないつもりでいたのに! 私は、そのつもりでここにきたのに! おばあちゃん、大事なときに助けてくれなかった……』
ただこのエクトプラズム思ったより弱い。ムラっ気というか肝心な時に出て来なかったりすぐやられる事多し。
「あれは、おじいちゃんが死体の始末をしてくれたのよ。私たちが困らないように」と分岐によっては死体処理と婚カツだけして帰って行く。
「玲子ちゃん、このベッドは生きてるの。でも、悪い子じゃないよ。私が血の儀式をして、魂をふきこんであげたんだ」善意で怪奇スポットを増やしてしまう困ったちゃんな一面も。
『坂上君ね、私と結婚することになってるんだって。だから、おばあちゃんが助けに行きなさいっていったの。あなたが死んじゃうと、私、一生結婚できないんだもん。ねえ、坂上君。私と結婚を約束してくれるなら、助けてあげるよ』
こどものような口調や雰囲気で誤魔化されているが、岩下さん寄りの属性でやってる事はかなり強引である。
『口では、なんとでもいえるわ。あのとき、あなたが本心でいっていないって知っていたのよ。よくも、私の気持ちを踏みにじってくれたわね。今おばあちゃんがいったわ。この中の誰か一人を彼の生けにえとして差し出せば、ほかのみんなは、助かることができるって。ね、坂上君あなたなんてどうかな。ふふふ』
これなんてまんま岩下2号である。坂上君はヤンデレホイホイなのかも知れない。
『うっく……ひっく、ねえ、玲子ちゃん。私たちを二人にしてくれるかな。えっく……。私の最後のお願い聞いてくれないかな? えーっとね、私とキスをしてくれないかな。坂上君とのいい思い出にしたいの』
『ねえ、坂上君。私、やっぱりあなたのことを忘れられそうにもないみたい。だから、あなたのことをね、私と同じふうにしちゃった。……私の中のおじいちゃんやおばあちゃんを、坂上君にも分けてあげたの。だから、私たち別れられないの』
泣き落としからの騙し討ちといった計算高さも持ち合わせている。
『私は、七人目じゃないもん。今帰ると、あなた死んじゃうよ』
先輩には基本タメ口でヤンキーやヤンデレに凄まれても何処吹く風(福沢も驚く所か止める気配すらないので平常運転なのだろう)これには女好きの頭の変な人にまで危険人物認定されてしまう。
それでもこの学校(モテる=死)に数多くいるヤンデレの中では善の個体である。
PS版
『とうとう、玲子ちゃんにばれちゃったね。今の人、ラ・モンド様っていって、私の先生なんだ。今のがね、私の初仕事だったんだよ。私死神なんだ』
『それにしても、ドジな悪魔よね。召喚された時の、あの、不機嫌そうな顔が忘れられなくって。今じゃ早苗ちゃんのいいなりだもんね。魔力はすっかりなくなったけど、一応、この世界ではアイドルでしょ』
サブキャラの中でも個性が強く「主人公を好いて助けてくれる」というのが良かったのかSFCの頃から人気があり、福沢1話に大量の分岐が追加され大忙し。
アイドルの追っかけ設定が付き年相応なミーハーな印象になり、ホラーで分岐が増える=悪事か被害が増えるという事なので隠れヤンデレ度もアップ。
アパシー版
アパシー版プロフィール
6月22日蟹座→3月15日魚座A型
身体:158→150cm/?kg
好きな/嫌いな食べ物:ココア、お茶漬け/なし
(何故か一回プロフィールが変更になった)
外見/性格/交友関係
『……恵美ちゃん、私、恵美ちゃんの気に障ること何か言ったのかな……言ったなら謝るわごめんなさい。じゃあ、どうしたら許してくれるの? だって私にとって恵美ちゃんは唯一のお友達なんだもの……その恵美ちゃんにそんな事言われたら私……』
外見はPS版の一つ結びを踏襲したものの、強引な電波少女から内気で気弱な常識人に180度性格が変わった。
クラスも福沢のG組から倉田恵美と同じI組に。愉快なG組ではマスコットでいられたもののI組は普通のクラスだったのかカースト下位に転落。
主人公に思いを寄せる設定はそのままに黒い部分だけ削除されボッチ設定も庇護欲を誘うのか男性ファン受けは良かった。
「常識人/気弱/人を疑う事を知らない/ピンチになると別人格や御先祖様に助けて貰える」とアパシー坂上修一との共通点が多く「早苗ちゃんを女聞き役にしたら?」とも初期は言われていた。
『基本語り部は全員外道。浮気や婦女暴行をする時もある。早苗ちゃんは基本的に良い子で真の意味では外道にはしない一種の聖域キャラで一番好き』
アパシー時代のラジオによると原作者もお気に入りのようだ。
『……やっぱり、そうなんだ。坂上君カッコイイし、恵美ちゃんは可愛いし、お似合いだものね。そうじゃないかって思って……あばばばばばばばばば
「この不埒な小娘がっ! わしの孫娘の恋路を阻むであれば死をもって償ってもらうが、よいか?」
……あ~、何か立ち眩みがする。それで、恵美ちゃん。私どこまで話したかしら?』
先祖を敬う古風な大和撫子といったキャラ付けになった事により「テスト! 天気! アイドル! 彼氏!」と言った感じに能力を私欲の為には使わなくなった。
代わりにご先祖様がモンスターペアレントになった事で旧作以上に口から出てくる。友達が出来ないのも受け身な性格になったのも御先祖様の過保護のせいだろう。
そのくせ命の危機のような本当にピンチな時は出てこない事が多い。これは旧作通り。
『(あなたは人智や常識では理解できない特殊能力の持ち主だから、確かにみんなに気味悪がられているわ。でもね、その能力が無限の利益を生み出す至福の泉だということに、あなた自身気づいていない。うふふ……逃がすもんですか地球連邦の初代大統領となる私の夢を実現させるためにも、早苗ちゃんにはしっかり稼いでもらわないと。大好きよ、早苗ちゃん。あなたのお顔は、いつだって札束に見えるわ)』
親友が倉田恵美に変更になった。PSでは主人公の婚約者というシナリオの関係上女主人公だと会えなかったのに大逆転である。
恵美ちゃんの趣味はナマモノBL同人誌制作。挿し絵を早苗ちゃんが担当していて黄金の右腕と称される程。内容はどう見ても18禁である(高1なのに)
この恵美ちゃん、初期アパシーの象徴(同人にしか出来ない事をやる規制に喧嘩を売る作風)のようなキャラなので公式から推されていた。
早苗ちゃんの性格が変わったメタ的な理由は、親友ポジが旧作の電波キャラのままではWボケで収拾が付かない上に恵美ちゃんの異常性が目立たなくなるといった所ではないだろうか。
『あ~あ、早苗ちゃんたら、可愛い顔してやることがえげつないんだからぁ~。あの時、早苗ちゃんがあとをつけているの気付いてたんだよねぇ。やぁっぱ、あの時始末しておくべきだったよ。私、もう我慢できないからさぁ。とりあえず、早苗ちゃんの脳天だけでもカチ割っていいかなぁ? キャハハハハハハ!! 今、楽にしてやるからさ! 死んじゃえ~~~!!』
福沢はというとお友達設定が消えるだけでなく因縁設定まで付けられた。『特別編』や『最終版』のようなお友達に戻る作品もある。
『……実はね、私がこの話をしたのって、新聞の記事にこの事件を書いて貰いたかったからなの。逆さ女に騙されて不幸になる人が少しでも減ればいいなって思ってるんだ。だから坂上君、いい記事を書いてね。期待しているからさ、よろしくね』
その場合妙に性格が良くなる。お友達の大事さがよく分かる。
『ええ? 誰って私だよぉ。恵美ちゃんたら、変なこと言うなあ。えへへへへへ。今日はね、仲良しの玲子ちゃんも一緒に来てくれたんだよ』
新生アパシーでは、倉田と福沢の両方と仲が良いという設定になった。
ただ倉田と福沢は別に仲が良いという訳ではなく、余計にこの二人の相性の悪さが浮き彫りになった。
『というわけで、霊感少女とボディーガードを用意しました。この二人連れて行けば、私は呪われないでしょ』『早苗ちゃん、あの陰、大丈夫なの? おばあちゃんに聞きなさいよ』『と、早苗ちゃんのおばあさまが申しております。早苗ちゃん、その特技生かして稼ごうよ。私マネージャーやるからさ』
福沢にもボディーガード兼金蔓疑惑が浮上。お得意の「うそうそ、冗談だってば」の可能性もあるが……。
相変わらず気味悪がられているボッチのままなので「お友達は選ぼう」とはとても言えない。御先祖様も安定のモンペなので心配は要らないのかも知れない。
二転三転する性格
基本は常識人で『特別編』『最終版』では不思議ちゃんに戻る。『学恋V』では二パターン用意。『新生アパシー』では不思議ちゃんに戻り髪型もパーマに。
あまりにもまとも過ぎて動かしにくくなったのだろうか。アパシーの倉田がキャラ立ちし過ぎて引き立て役(ツッコミ/対比)すら要らなくなったからかも知れない。