「皆さん、こんにちは。私、福沢玲子。一年生でーす。よろしく、かわいがってくださーーい」
外見
黒髪の前下がりボブ。
解像度が低く「髪型がよく分からない」と昔から二次創作者泣かせ。彼女のボブが人によって違うのはこれが大きい。
どうやら聖子ちゃんカットの校則から逃れるための隠し技との噂。
「安上がりだし文句言わないから」という理由で社員にコスプレさせた結果、長らくネットで身体的特徴を弄られる事態になった特に動画サイトでの扱いが酷い。
どうもBGM担当やCG担当のような功労者をメインメンバーに選んだ節がある。
何を隠そうSFC版の人気BGMを担当したのは彼女の中の人である。
次回作の晦-つきこもりでは加工を強固にし登場人物を社会人だらけにする事で解決した。
PS版
細部は違うものの引き続きボブ。小ぶりな茶色の腕時計を付けている。
彼女よりもサブキャラの方が派手顔だったりするが「クラスにいそうな普通の女の子」なイメージでチョイスされたのだろう。
性格
明るく好奇心旺盛な性格でよく喋る。
イマドキの普通の女の子という造形で95年発売だが、当然ライター陣は現役の学生ではないので「てゆーかチョベリバてカンジみたいな~」のようなコギャルではない。
ブリッコで男性の好みや価値観はイケイケバブリーかつオカルトブームだったのでホラー大好き。
これまた女子高生らしい現実的でドライな一面もあり、怪談の登場人物の誰にも肩入れしない事が多い。
旧校舎の花子トイレに一人で潜みシャーペン一本で男子相手に立ち向かったりと肝っ玉が据わっている。女は強いという事か。
PS版
大量の印象的なバッドエンド増加により、明るく見えて寂しがり屋でナイーブといったガラスの十代な隠れヤンデレといった印象を受ける。
『明るい女の子』という設定なのにデフォの表情が暗く今にも泣き出しそうなのも余計に。
SFCは善人から狂人までもうちょっとニュートラルな視点で語っていた気がしたが、好き嫌いハッキリするようになったのも特徴か。
「どうしよう、この人嫌われてるし、私までとばっちりで、いじめられたりしないかなぁ。この人助けて感謝されてもねぇ……。なんてこと考えてたんだよ、きっと。まだ、周囲に人がいれば違ったんだろうけど。いじめを受ける生徒にも、優しく親切な杉浦さん。ていう自分を演出するためにね」
「……どこまで勝手なのかしら。想像力が豊かというか、よく、そこまで他人のせいに出来るわよね」
「でしょ。私も、そういう人って駄目。いいたいことがあるなら、はっきりいえばいいのにね」
「河原君が死んだのは、彼自身のせいだと思うな。あれこれよけいなことを考えるからいけないんだよ」
話の傾向
『桜の木』『13階段』『呪いのロッカー』のようなポピュラーな怪談、『占い』『ルビーの指輪』のような男女のイザコザ話、『水道水』のような気持ちの悪い話、『早苗ちゃん』のような不思議な話、と気分屋な彼女らしく多種多様。
ただあまり怖くない。
おっかない人だらけの中比較的安全な人物かつ、語り口が明るいというのも大きい。
風間望程ではないが怖がりな人にとってはオアシスになり得る。
明らかに他のキャラより分岐も少ない。
7話は本来予定されていた逆殺人クラブがカットされ一本道、隠しシナリオも「主人公がおかしくなるのは駄目」という同様の理由で小説行き、とシナリオ面での冷遇が目立つ。
油断させておいて大抵の話に隠すように混じっているエグいルートに期待か。
命知らずなまでに好奇心旺盛な彼女らしく「これから一緒に確かめに行こっ!」な体験型の怪談になる事もあり緊張が走る。
年頃の娘さんらしい現実的でドライな視点も武器の一つ。
グロテスクな話を妙に楽しそうにキャピキャピケロッとあっけらかんと話すのがかえって怖いという人もいるかも知れない。
PS版
テコ入れとばかりに大量のバッドエンドが追加、オアシスが一つ減った。
明らかな地雷選択肢ではなく『早苗ちゃんて吸血鬼なんだよ信じてくれる?』→『信じます』→『じゃあ私が吸血鬼でもいいんだ^^』のような引っ掛けのようなバットが多い(晦システム)
黒幕ポジの彼女が横槍を入れて来たり、誰より殺害方法が凶悪だったり、先頭の彼女に話しかけると毎回同じエンドになる、など他の語り部の時も安心出来ない。
確かに凶悪性は増したものの、岩下明美や細田友晴には遠く及ばず荒井昭二もSFCからパワーアップしている。
「比較的安全」「わりと肝が据わっている」という数少ない個性まで捨ててしまいかえって埋没してしまった感も否めない。
分岐は増えたものの追加シナリオがあまり怖くなく女主人公の7話も一本道だった。
交友関係
人見知りをしない好奇心旺盛な性格と来たら当然友達も多い。
変な友達が多いとは言うが「一人で立ち入り禁止の旧校舎に忍び込み階段の数を数える」「サボテンに毎日話しかける」と本人も変。
ヘタレではないのとあまり話が怖くないせいか友達の生存率は高い。
クラスの男子はデリカシーがないようで険悪ではないものの恋愛対象としては見ていないようだ。
同じ男子でもおとなしめの男主人公の坂上修一には好意的に接する。ルートによっては告白して来る事も。
「ちょっと男子~」系女子なので女主人公の倉田恵美相手の方が更に優しくなる。
代表的な友人はシナリオで度々登場する元木早苗。
七つ上の姉とPSからは母親もこの学校の卒業生でネタの仕入先。だからか友達が多いといいつつ実はシナリオでの登場は少ない。
小説版
「人間が一番怖い」がテーマなので語り部の凶悪度が上がっているのだが、彼女だけは概ねゲームの性格に近い。いつもの口調でエグい体験談を語ってくれる。
しいていえば妙に自分の容姿の良さをフケネタへの当て付けのようにアピールする所が違うか。風間望に執拗に口説かれているので自惚れではなそうだ。
四八(仮)版
ゲストの伊藤潤二担当の岐阜県で登場し描き下ろしまである。
茶髪のセミロングでブレザーと見た目は今風になったが、言動は概ねSFC。
猫好きで私服がド派手。この二つはアパシーに引き継がれた。
兵庫県まで彼氏と紙芝居を見に行き、あなたシナリオでは機関銃をぶっ放す。
相変わらず仲が良いらしい早苗ちゃんは伊藤潤二のファンらしい。
アパシー版
アパシー版プロフィール
10月21日A型天秤座
身体:152cm
好きな/嫌いな食べ物:ミートドリア/ブロッコリー
外見
大きく分けて二つある。
芳ゐバージョン
ウェーブがかった黒髪のショート。
黒髪おかっぱから駅前のカリスマ美容師が手掛けたようなウルフカットになり随分垢抜けた。
毒気すら感じられる色っぽい猫顔な美形。
絵師によると「四八の女優さんに惚れ込み参考にした」との事。
原作者の飯島氏はミッコレ1攻略本で「彼女はイラストになって立ち位置が確立した」と語っており、どうもアパシー版の性格は芳ゐ絵に引っ張られた感がある。
芳ゐバージョン以外
茶髪だったりリボンがついていたり様々だがボブに戻る。表情も旧作のような明るい素朴な女の子と言った感じ。
性格
「もっとオシャレしたいのはヤマヤマなんですけどぉ。女の子のメーカー服って、シャツ一枚でも万越えしちゃったり! もうたいへんなんですよぉ。……そうそう日野先輩、見てくださいよぉ。これ、こないだお父さんに買ってもらった財布なんです。えへへ、可愛いでしょ? やだなあ、本物のお父さんですよぉ。私がそんな女にみえますかぁ?」
旧作で彼女が持っていた『明るく好奇心旺盛』『友達が多い』という個性が生まれ変わった倉田恵美と被る為か、キャラ性が若干変化した。
旧作のままでは地味とかイマドキの女子ではないと判断されたのか、2006年に流行っていたギャルに進化。
自己チューや小悪魔といった属性も追加、自身の保身の為なら裏切りもいとわず色気も武器にするアパシー界の不二子ちゃんのような存在。
女子力が高くなり気になる異性にはお弁当攻撃。
「今はね、男のほうが料理したり、掃除したりするほうが流行ってんだから」なバブリーな価値観は捨て去ったようだ。
尻軽度も上がり他にいい男を見付けると即乗り換えてしまうのが玉に瑕。
ストレスに弱く殺人へのハードルが低い。
殺人クラブ設定でもないのに「クイズゲームで正解が答えられなかった」「お気に入りの服が汚れた」といった軽い理由で猫虐待や殺人を実行するなど狂気性が格段にアップ。
武器はシャープペンシルからボウガンやゴルフクラブに変わり、銃を持った風間に勝ててしまうまでに戦闘能力も向上。攻略本無しではまず勝てないだろう。
もっとも上記の現象はアパシー以前の二次創作からあった。
たまごっち・ルーズソックス・援助交際が三種の神器の福沢さんとか、実はそんなに言ってない「キャハハっ!」が口癖のようになっていたり、福沢さんの恋愛SS大体当て馬説(大体新堂)など。
むしろアパシー後の方がかえって原作準拠の作品が増える不思議な現象が起きた。これは細田友晴も同様だったりする。
交友関係
上記のような性格に変わったせいか女性陣からの嫌われぷりが凄まじく男子といる事の方が多くなった。
岩下や倉田から「あなたの事嫌いなの」と似たような台詞をハッキリ突き付けられ殺される。福沢の方も毛嫌いしている(特に倉田)
早苗ちゃんは倉田の親友に変更された。オマケに過去に福沢の猫虐待を目撃してしまって疎遠になったという因縁設定までつく。
『特別編』『最終版』など作品によっては早苗ちゃんとの親友設定が復活する。
その場合福沢の性格が旧作のように丸くなる確率が高い。この年代のお嬢さんの友達がいないというストレスは思った以上に凄まじいのかも知れない。