先輩(事実は小説よりも奇なり)
せんぱい
刑務所に勤める看守。本名は“喜一郎”(2021年11月24日のこの動画を参照。)
目元が暗く素顔が分かりにくいが美形男子でとある回の死刑囚によると声もいわゆるイケボらしい
後輩に黄泉がおり、彼の青臭さとお人よしさに呆れる面もある。
残虐で薄情な性格に思われるが身勝手な罪人に対しては良心の呵責を問い詰めたりすることもある。
後輩の黄泉に対する面倒見もよく、彼がピンチになった際には救い出している。
※以下、スクロールした先にネタバレがあります。
実は、所長リヒトの甥であり、後輩こと黄泉倫太郎とは異母兄弟にあたる。
父・アギトが付き合っていた女性・業倫子(倫太郎の母)との交際を平八郎(アギトとリヒトの父で倫太郎と喜一郎の祖父)とリヒトから断固反対を受け(そもそも黄泉一族は倫子の家系である業一族とは対立関係にあたるため)業家の呪いともいえる倫子の殺人衝動を見せられた後、倫子は無理矢理二人の手によってアギトに本性を見られてしまったショックで蒸発してしまう。
その後アギトは平八郎の命令で見合いし、結婚相手である母・花牟礼エマとの間に喜一郎は生を受けた(アギトも最初は乗り気ではなかったものの、エマの優しさに徐々に倫子と引き裂かれた傷が癒されたこともあって夫婦仲は良好だった)。しかしエマは喜一郎を産んで間もなく命を落としてしまう。
エマ亡き後アギトは一人で喜一郎を育てながら黄泉一族の役目を果たしていたが(平八郎が甘えと情けを一切許さなかったこともある)、とある罪人の言葉にアギトは心が揺らいでしまう。
しかし、「普通の子に育ってほしい」という願いとは裏腹に喜一郎は「悪人に情け容赦は無用」という黄泉一族の血を色濃く受け継いでしまう。とある日、喜一郎は処刑メニューを読み聞かせてほしいと楽しそうにお願いしたところアギトは感情的になり喜一郎を殴ってしまう。アギトは後悔するもののこのことがきっかけで自分は黄泉一族とは決別するべきだと考えるようになってしまう(アギト自身どんな罪人にも心が揺らいでしまう自分とは違い、喜一郎が黄泉一族の血を開花させていくことを悩ましく思っていた。喜一郎も父の心情に薄々気づいており自分は「優しすぎる父の傍にいてはいけない子供」だと感じるようになっていた)。
そして平八郎のやり方についていけなくなったアギトは黄泉一族とは絶縁を決めるが平八郎は黄泉一族の血を色濃く受け継いだ喜一郎を置いていくよう命令、アギトは当然拒否をするが時すでに遅し…
喜一郎は黄泉一族の仕来りに沿って鉄の処女で罪人をすでに手にかけていたのだ。
「これ(悪人を裁くこと)が自分の幸せなんだ」と喜一郎は父に訴え涙を流し、アギトも罪人への慈悲を捨てきれない己の性格と、喜一郎には普通の子になって欲しかったという希望が逆に喜一郎を苦しめていたと気づき、涙を流しながら諦める他なかった。
そして父との別れの直前、喜一郎は言った…。
「ぼく、弟が欲しかったんだ。パパとママと弟の4人家族が夢だったの。
その夢をパパが叶えてよ。それがぼくの最後のわがまま。」
喜一郎は「罪人に情けはいらない」という信条を持つ黄泉一族の血には抗えずとも最後まで父であるアギトを愛していたのだ、その言葉を聞いたアギトも「弱い父で申し訳ない」と涙を流しながら黄泉一族を抜け喜一郎に別れを告げる。
そして何の因果か、ひょんなことから弟と再会してしまうことを知らずに…。