概要
光熱斗の双子の兄。一卵性双生児。
心臓病「H・B・D」によって幼くして命を落とす。
その後、光祐一朗によって疑似人格プログラム「ロックマンEXE」として蘇生される。
本編中でヘルメットを外すことはなく、頭髪を晒した姿は『ロックマンエグゼ5』の改造カードで初めて登場した。父親の髪型とそっくりである。
熱斗のネットナビとして
生命倫理に真正面から喧嘩を売っている大問題な内容であることからか、この事実はゲーム『ロックマンエグゼ』の終盤で明らかになる。
熱斗がロックマンを双子の兄だと知れば、自分を手足のように使ったり、危険な目に遭わせるのをためらってしまうだろう。それではネットナビである意味が無い。
現実世界で生きられなかった自分が、弟と同じ時間を共有できている。それだけで十分幸せだ。兄としてではなくても、熱斗の側にいられればそれでいい。
そう考えたため彩斗は事実を伏せ、祐一朗もそれを受け入れた。
以後、兄の彩斗ではなく、熱斗のネットナビ、ロックマンとして振舞い続ける。
この事実を知った熱斗のショックは大きかったものの、立ち直ってからはこれまで以上の強い絆で結ばれた。
それ以降も普段はネットナビとオペレーターという関係は変わっていない。
熱斗の兄として
いつもは「朝だよ、熱斗くん」などと世話を焼く彼だが、重要な局面でのみ、「熱斗」と呼び捨てにし、兄としての顔を覗かせる。
熱斗の方は真実を知ってしばらくの間は彼を「彩斗兄さん」と呼んでいたが彩斗の意思を尊重し、彼が兄としての顔を覗かせた時だけそう呼ぶようになった。
「鼻から ロングソード」事件を除いて
なお、1のみでしか彩斗として対応していないため認知度が低いが、父親への呼び方もロックマンの状態では「パパ」だが彩斗として振る舞う場合では「とうさん」となる(1以後は基本的に熱斗以外に彩斗として対応していないのもあるが)。
5では赤ちゃんの頃の熱斗と彩斗の写真を熱斗が自室で飾っている。
アニメ版では「ロックマン=光彩斗」という設定はなく、最後まで披露される事はなかった。もっとも、アニメ版で設定が変わったキャラはロックマン以外にもおり、ゲームと他媒体で設定が違う作品はロックマンエグゼに限った話ではない。
コロコロで連載されていた漫画版では裏設定として存在しており、両親はこの事実を知っているが熱斗とロックマンは知らないという事になっている。そのためこちらでも彩斗は顔を見せないが、一部のエピソードでこの設定を仄めかしている。
人からプログラムへ
光祐一朗は擬似人格プログラムの作成に苦心していた。
人間のような自然な思考や反応、心の動きがどうしても再現できない。
そこで目を付けたのが、プログラムに人間のDNAを投影することだった。
「オペレータとナビが同じDNA構造を持っていたら、心の動きもまた似てくるのではないか? 自然な反応や共感を生み出し、心を通わせる事ができるのではないか?」
理論は正しかった。祐一朗はその方法を使って人間らしいネットナビを生み出すことに成功する。
しかし、95%という壁が立ちはだかる。
95%までは人間のDNAと似せることができたが、残りの5%がどうしても再現できない。
そこに、まだ幼い彩斗の死が訪れる。息子の死を嘆き悲しむ祐一朗だったが、そこでひとつの着想を得る。
「彩斗には熱斗という双子の弟がいる。ならば二人のDNA構造は同じはずだ」
祐一朗は苦悩の末、メモリ拡張プログラムである「エクサメモリ」を開発し、彩斗の遺伝子をナビとしては膨大なデータに変換し「エクサメモリ」にインストール、そのデータをネットナビに組み込み、「ロックマン」として彼を蘇らせることを決断し実行した。
生み出されたロックマンの性能は、旧来のネットナビの性能を遥かに凌駕するものだった。(ただ言う事を聞くだけのプログラムが真の意味でナビになったのはこれ以降であるため、ある意味ではロックマン.EXEは、言う事を聞くだけのロボットから自分で思考できるレプリロイドが出来上がった際、全てのレプリロイドの素となっていたエックスと似た立ち位置であると言える)
サイトバッチ
ロックマンに組み込むプログラム。本来の表記は「saito.bat」。
熱斗と彩斗は同じ遺伝子構造を持ち、それをデータ化して組み込んだのがロックマンという存在である。
しかし、完全に同じにするとデリートされた際にフルシンクロした熱斗にもダメージが及ぶ恐れがあったため、0.001%だけプログラムを改竄している。
その0.001%の違いを埋め、完全に彩斗と同じにするのがこのバッチファイルである。
EXE1でマジックマンの攻撃を受けデリート寸前まで追い込まれたロックマンを復活させるために使用された。この時初めて熱斗は父親からロックマンの誕生経緯と、ロックマンが自分の兄「光彩斗」であるという事実を知らされる。
効果は作品によって異なるが、ロックマンを強化するという点では共通している。
強大な力の代償にロックマンの体に負荷がかかるため、デメリットを伴うことが多い。
1のみ最終決戦のイベントでのパワーアップとなっており、通常プレイでは使用できない。
そのためかデメリットの無い強化となっている。
2以降からは通常プレイでも使用でき、2ではサイトスタイル、3、4ではナビカスプログラム、5では改造カード「光彩斗」として、6ではファルザー版にギガチップとして登場。
ユーザーからは
祐一朗博士の倫理観についてよくツッコミが入る。
いくら息子の死を無駄にしたくなくても死んだ息子から実質的なコピーを作ることはマッドサイエンティストのすることでツッコミどころの多い祐一朗博士の行動の中でもトップクラスにヤバいと言われている。
また、彩斗も事情を了承し、その上で隠していたと語っているが、無断で復活させた事には変わりないし、当時の彩斗は碌な情緒もない子供であるはずで、責任能力などあるはずもなく、その了承が有効であるはずもない。
アニメ版で彩斗の存在ごと設定がなくなったのもこの倫理観の問題ゆえかもしれない。