概要
信州に現れたといわれる子犬のような獣で、信濃国佐久郡臼田町に住んでいた神官・井出道貞によって1834年(天保5年)に書かれ、孫の井出通によって1886年(明治19年)に出版された『信濃奇勝録』という書物に掲載されている。
それによると立科山(蓼科山)に棲んでいる狢のような毛に鷲のような五本爪を持ち、冬には土中に潜るという雷獣の一種であり、故にこの山は雷岳とも呼ばれていたのだという。
富士宮で幕末に書かれた『袖日記』や桑原村の年代記によると、多大な犠牲者を出したコレラを流行らせたのは、唐から来たこの獣であり、同様にこの病を流行らせたというアメリカ狐の別名であるとされている。