概要
TVアニメ版『北斗の拳』に登場するアニメオリジナルキャラクター・ガレッキー(KING配下。CV:野田圭一)とその一軍が使用した、南斗聖拳一〇八派に属する拳法かは不明。
作中において
刀剣を携えた屈強な男たちを大砲で発射するというエキセントリックな奥義。拳法と呼べるかはさておき、マヌケな見た目とは裏腹に正確な計算の元に発射を行うため人間の死角である頭上からの攻撃を可能とする。実際、標的の村に攻め込む際は、村を覆う壁を飛び越えて突入したわけで、まともな活用法ではある。肉体が強化された連中なので着地の衝撃にも耐えられることにより、デメリットを抑えている。
さすがにこんなんでも南斗一〇八派なのかと感心するところではあるが、部隊がケンシロウによって全滅した際、隊長のガレッキーは「南斗人間砲弾はオレが考えた技だ!」と、とんでもない事を口走っている。
当然ながら南斗人間砲弾は人間大砲であることそのものであり、撃ったら撃ちっぱなしと言う問題点を抱えている。それを気球部隊の隊員が絶妙な計算でカバーして移動作戦に使うだけなら問題にならないのだが、自称開祖のガレッキー本人の使い方が一番まずかった。
発射後に軌道修正の効かないこの技で、あろうことかケンシロウにタイマンを仕掛けてしまったのだから。
単純に避けられればまだよかったのだが、お約束か空中で北斗虚空斬を決められ返り討ちにされる。
この時、ガレッキーの部下によって気球に子供が連れ去られていたのだが、体が硬直したところをケンシロウによって大砲に詰められ、バットの操作で撃ち出され、気球へ突撃されられる。それにより気球の空気は抜けて子供は無事地上に帰還、救出されガレッキー本人は受け身も取れず遥か彼方まで飛ばされて死亡する(墜落の際やけに土煙が上がっている所から体内からの破壊とタイミングが重なったと思われる)と言う間抜けな最期を遂げている。
ケンシロウ曰く「初めて人の役に立ったな」とあるが、そもそも子供を連れ去ったのはガレッキーの部下なので、善行と言っていいのだろうか?
結局のところ、シンの配下のチンピラが勝手に「南斗」を名乗っているだけなのかもしれない。もしくは、こいつ(ガレッキー)が創始した日の浅い拳法で、それ以前は「南斗一〇七派」だったのかも知れないが真相は不明。
アニメ版において
ただ、この頃のアニメ版では、空爆ヘリや戦車などの近代兵器も多数登場しており、南斗の名を冠したものとして「南斗列車砲」などもあったので、「南斗軍の兵器を使った技」と解釈すれば、別におかしいことではない。
もっと可笑しい例として、ジャッカルに至ってはダイナマイトを投げるだけなのに「南斗爆殺拳」などと名乗っていた(アニメ版のみ、原作では一切名乗っていない)。「拳」の文字を使っている時点でそれこそ弁護しようがない(実際、字幕すら出なかった)。
なお、アニメオリジナルの奥義であることは前述のとおりであるが、あまりにも前衛的な技だったためか、スタッフは原作者と担当編集者にこっぴどく怒られたらしい。
以降はオリジナルの脚本に原作者サイドの監修が入るようになったらしく、こういったトンデモ拳法はなりを潜めることになる。
pixivにおいて
pixivでは、伝承者(?)であるガレッキーのイラストよりも、砲台に人物が詰められている、もしくは発射されているイラストにタグ付けされることが多く(というかそれがほとんど)、所謂ネタタグの一種として扱われている。
その他
後のアニメ版『北斗の拳 ラオウ外伝 天の覇王』でも、大砲ではなく投石機だったが、ラオウ自身が似たような技を披露している。
また「Baahubali 2(邦題:バーフバリ 王の凱旋)」というインド映画で、主人公バーフバリと部下5人による、ヤシの木を投石機代わりにして敵の城へ飛んで突入する場面があり、この際、6人は空中で盾を樽のように組み(シドニアの騎士の6騎掌位と言えば分かりやすいか?)、地表激突の衝撃を緩和させている。
他にも、漫画版『墨攻』では膠着状態に陥った攻城戦の最後の切り札として、投石機で人間を飛ばして城壁を超える荒業が行われた。こちらの参加者は南斗人間砲弾やバーフバリの人物のような超人ではなく一般の兵士が行うため、文字通りの決死隊となり、多数の死傷者を出しつつも、悪運強く着地地点に恵まれ生き残った兵士が城を陥落させた。