概要
CV:子安武人
「椎原辰郎(しいはら たつろう)」のビジネスネームで、フォア・リーブス・テクノロジーの開発本部長に就いている(FLTの最大株主であることは秘匿されている)。
規格外のサイオン量を保有しているも、CADの発達によりサイオン保有量の多さによる優位性がなくなり、潜在能力を顕在化させることが出来なかった為、魔法師としての道を諦めている。
達也と深雪のサイオン量の多さは父親譲りである。
息子の達也との関係は互いに無関心を通している等良好とは言い難く、達也本人「本家を恐れて保身に走っていると」軽蔑されている(サイオンの保有量を除けば殆ど一般人に近い龍郎が四葉本家に逆らう事自体、無茶な話と言えるが…)。
また、妻となる司波深夜の死後に、愛人関係となっていた司波小百合とすぐに再婚した事実から、娘の深雪からも「親らしい事を何一つしなかった人物」として嫌悪されてしまっている。
四葉家と関係
上記の内容からも「家庭を省みない身勝手な人物」と思われがちであるが、客観的に見ると実際の所は達也と深雪の生家である四葉家のエゴによって人生を散々振り回されてきた哀れな人物でもある。
まだ四葉家の婿入りしていない若い頃は、既に同じ年である小百合と恋人関係にあったのだが、規格外のサイオン保有量によって潜在能力を高く評価された魔法師であった事から四葉家に目を付けられてしまう事になっている。
下手に拒否すれば、殆ど破滅を免れられないも同然である四葉家に逆らえるはずのなかった龍郎は、本来の想い人であった小百合を愛人という立場に置かざるを得ない状況で、深夜との結婚を受け入れざるを得なかった。
しかし、肝心の深夜の方には、龍郎に対する「愛情」など元より欠片も無く、むしろ「優れた魔法師の子を産む為の道具」の様にしか見なされなかった龍郎は、実の子である達也と深雪が生まれた後、「用済み」と言わんばかりに四葉家から閉め出しにされる等、徹底的に軽んじられる事になってしまっている。
深雪からは「親らしい事をしてくれなかった」と見なされている点も、実際は達也と深雪に関わる事自体、四葉家から固く禁止されていたからに過ぎず、達也を「深雪のガーディアン」としか見なせなかったのも、その事に起因している。
また、深夜の死から程なくして小百合と再婚したのも、本来の想い人であった彼女に、16年間もの間、愛人の立場で我慢させてしまったと言う負い目があったのと思われる(普通だったら、見限られてもおかしくなかった)。
一応、深夜の死後は持ち株を相続して最大株主となっているのだが、これも実質的には次期当主候補である深雪の管財人に過ぎず、支配権は四葉家に握られている状態となっている。
上記の事実からも、龍郎は四葉家によって半ば飼い殺しの状態になっているも同然で、四葉家の事も、本心では激しく憎んでもおかしくないくらい忌まわしい存在であったと言える。
とは言っても、龍郎本人は達也と深雪当人達の前で、感情に任せて罵倒をしたりする様子等は見せていない。
特に達也に関してはCADの研究開発をしてみたいと言う我儘を聞き入れたり、継承篇では真夜の無茶苦茶と言える意向に従ってとはいえ達也の戸籍の誤表記に関する謝罪文を書く、自家用車を買う際にも渋る事無く名義を貸す等、むしろ無関心な態度を見せているのとは裏腹に、達也の為に色々と配慮をしており、そもそも達也と深雪が二人で暮らしている豪邸自体が、自身の名義で建てた物である。
もし、龍郎が達也にCADの研究開発を一切認めなければ、トーラス・シルバーも誕生していないのは勿論、達也が「深雪のガーディアン」か「戦略級魔法師」としての価値しか認められない事になっていたのは言うまでも無く、現在の達也の在り方は間違いなく龍郎の存在があってこそと言えるだろう。
また、深雪が職権乱用も同然でキャンピングカーを購入しようとした際は、その支払いをさせられそうになった事もある。
しかし、現在も龍郎に対する達也と深雪の態度は冷淡その物で、そういった部分を考えると、非常に報われない哀れな人物と言えなくもない。
むしろ冷静に考察すれば、今は亡き深夜や四葉家そのものの方が、達也と深雪に対する扱いが「異常」と言うべきだろう。