概要
基本的な意味としては、「歌手のライブ時にCD音源のように優れた歌声が出ている」ことを称賛する表現として用いていることを指す。「口からCD音源」という表現もこれと同義語と解釈してよい。
一般に、CDに収録された歌唱は、ほとんどが何回もレコーディングをし直した結果を収録したものである(つまり「やり直しができる」)。それに対してライブ歌唱は一発勝負であるので、やり直しができない(プロの歌手でも「歌詞間違い」や「音程ミス」が時折起こることは音楽番組で伝わる)。
このようなことから、ライブでの歌唱はとても高い技術レベルが求められる。近年はグループ、作品単位での活動も多くなり(一例としてラブライブ!シリーズ、THEiDOLM@STER、BanG_Dream!など)、これらの場合でだとライブを通して踊りながら歌い続けることが求められるので、息切れやダンスによるマイクのブレで歌唱に影響が出やすい。
しかし、ライブ時(あるいは音楽番組での歌唱時)に、CD音源のように優れた歌唱ができる歌手が実際に存在する。その中には、CD音源を超えるパフォーマンスを示せる歌手も存在するほどである(このような歌手に対しては「喉からCD音源以上」「圧倒的歌唱力」という最大級の称賛の表現が用いられる)。
ライブ時での「喉からCD音源」ができる歌手の中には、いわゆるキャラクターソング時の「キャラ声」での歌唱でこれを体現できる歌手も少なくない。
なお近年では、「喉からCD音源」(類似的な表現も同様)という表現は、歌手一本で活動している人物(グループ)に対してはあまり用いられなくなっている(理由はいろいろと考えられるが、最大の理由は「歌唱力で勝負することが第一義である仕事であるから」が大きいと考えられる)。このため近年では、むしろ声優(声優アーティストを含む)、アイドルに対して用いられることが主流になっている。
歌唱力の評価が高い(といわれる)声優の中には、もともと歌手志望であった声優、歌手活動との並行を前提に芸能界入りした声優が少なからず含まれている(水樹奈々、鈴木愛奈、田所あずさ、鈴木みのりなどがこれに該当)。また、歌唱力を重視したキャスティングがなされている作品も存在する(戦姫絶唱シンフォギアなどが該当)。
ただし、使用法には留意が必要である。なぜならば、「口パクによるもの」「(音楽番組での事前収録時、ライブ映像時における)修正によるもの」などといったマイナスの意味で用いられることもあるからである。またそもそも「主観的な表現」である、つまり必ずしもそう思わない人もいることも併せて留意が必要。