概要
カール・フォン・クラウゼヴィッツは有名な『戦争論』において「戦争とは他の手段をもってする政治の継続である」とし、戦争を外交の一種とみなしたが、軍事と外交は密接な関係にあり、歴史上多くの戦争は外交と連動して行われている。その内容は利害調整のための討論から、降伏勧告までさまざまである。
現代においては兵器の高額化や軍隊の大規模化、大量破壊兵器などの開発によって戦争のコストやリスクが飛躍的に高まっており、戦争に繋がる事件が発生しても、その戦争の発展を抑制しできるだけ交渉により解決しようとする傾向が強まっている。
しかし現代においても軍事力は非常に外交上重要な要素を占めており、軍事演習や部隊配備による軍事プレゼンスは外交交渉に大きく影響しており、また実際に戦端が開かれれば軍事力の有無が国際関係を大きく変化させ、軍事的優位が外交的優位に繋がることもある。降伏勧告に関する外交交渉はこの典型例であり、軍事力によって相手国の生存を脅かすことは直接的な交渉材料となりうる。
またこのような軍事力を組み込んだ外交戦略として軍事戦略がある。20世紀には核兵器が開発され、核戦略が重要な外交の基礎のひとつにもなった。