概要
魔震(デビル・クェイク)によりこの世ならざる地と化した新宿に移住してきた、大陸系吸血鬼の長。若い頃は倫敦に留学していた。
小説版では黒髪をオールバックにした青白い肌の青年だが、霜月かいりが作画した漫画版『魔界医師メフィスト』では銀髪で西洋人に近い風貌で描かれている。
貴族めいた美貌と穏やかな物腰が特徴。黒い人捜し屋や白い医師に比べれば話はかなり通じる方で、たとえ敵であろうとも優雅に相対し、女性の扱い方も紳士的な為、同族の少女から想いを寄せられる場面もある。
約200名の吸血鬼は廃墟となった戸山都営住宅に棺を置いた為、危険視されて討伐の対象になりかけた。しかし2000人もの区民から「吸血鬼といえど、ここに住まう以上は生きる権利がある」という意見が上がる。
交渉の結果、彼らが区外の血液銀行から血を購入しており、区民を犠牲にしないよう配慮していた事が判明。共存共栄の道が開かれ、安定した血液の供給や昼間の安全と引き換えに、不死の研究を目的とした血の提出、夜間専用の警備や危険任務などの仕事を請け負うようになった。
これにより吸血鬼達は「戸山の陽気な住人」と呼ばれ、区民として正式に認知されている。
『夜叉姫伝』が初出。
当時は祖父が長をしていたが、美姫との戦いで祖父が死亡したのを受け、夜香が後を継いで長となった。しかし、その戦いで敵の長の姫に籠絡され一時はせつらたちと敵対するも、彼等の奮闘で自我を取り戻す。そのことで強い恩義を抱き、以降の話ではせつらたちが巻き込まれた騒動で要請があれば協力する様になる。
特にメフィストに対しては恋愛に限りなく近い感情と思いを抱いているものの、当の本人は (別人格とはいえ) せつらに懸想しているためかなり複雑。
巨大な翼を展開し、空を飛ぶことが出来る。祖父譲りの「魔気功」の使い手。
血を吸った相手を従属させるなど吸血鬼としての能力も高いが、最大の特徴はその不死性。一度滅ぼされて灰となっても、使い魔の蝙蝠に血を集めさせて注がれることで復活する。そのため、敵の中でも強力な相手にはせつらたちの前のかませ犬扱いされる展開もあるが、その性質を活かして敵の技や能力はせつらたちに伝えるなど、決してただでは転ばない。
作品では「凍らせ屋(スパイン・チラー)」こと屍刑四郎との共演が多い。
秋せつらとドクター・メフィストのコンビに続き「新宿で二番目に危険なコンビ」として恐れられている他、2人と併せて『新宿の三魔人』と称されている。