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概要編集

2008年6月にグローバル・A・エンタテインメントより発売されたPS2向けゲームソフト。


江戸時代、幕府の外様取り潰し政策によって子供の時に御家断絶の目に遭い、父親を切腹で喪った小藩の姫君である主人公の時子が復讐のために出自を隠して大奥に出仕し立身出世を目指すという物語。

ゲームシステム的には逆転裁判に近く、主人公に降り掛かった身に覚えのない冤罪について無実の証拠(証言)を集め、最後に嫌疑を晴らす。


KOTY2008編集

…と設定自体はおもしろそうな本作であるが、ファミ通クロスレビューで13点(デスクリムゾンとタイ)を記録するなどゲームとしての評価は低い。その衝撃のレビューから、KOTYことクソゲーオブザイヤースレの住民の興味を引くことになる。クソゲーとしての評価の仔細は選評を読んで欲しいが、以下のようなクソさが評価され2008年の次点に選ばれた。


ローディングが長い編集

だいたい襖を開けるたびに7秒、エリア移動だけでバラツキがあるが十数秒かかる。有志がRTA動画を投稿しているが、集計時間のうち3分の1がロード時間である。


ポリゴンが荒い編集

 PS2が発売されて8年が経って発売されたにもかかわらずグラフィックはPS1並。ただし尻の動きのクオリティだけはPS2に届いているともっぱら評判である。証拠集めパートでは、移動はホバリング、襖は自動ドアのように勝手に開く、床に反射する襖は動かないなど細かいところでスキがない。ドラえもんよろしく若干浮いているキャラもいる。申し開きパートで繰り広げられる腕をパタパタさせるモーションは単調かつ無表情。SEもいい加減で、唐突にチャンバラSEが流れたり爆発したりともう無茶苦茶。


頻繁に見られる誤字脱字編集

 「これkら」は特に有名。それ以外にも部屋の名前を間違えたり、「午の刻」を「牛の刻」と間違えたりと間違いだらけである。


時代考証が雑編集

 江戸時代が舞台でありながら「デマ」、「アリバイ」などの言葉が登場する。大奥内の役職もデタラメである。御切手が夜の見回りをしている、御火番が当番制、仏事担当でもないのに御坊主が仏間にいるなど、挙げていけばきりがない。史実には存在しない役職も登場する。


難しすぎる証拠集め編集

 本作のクソさを跳ね上げている要因。「延々とサマルトリアの王子を探し続ける作業ゲー」と言われるほど虚無。行き先を教えてくれるならまだいい方で、後半になるにつれてノーヒントっぷりが加速する。探索は廊下だけでなく部屋の中にも及ぶが登場人物の数倍ある数の部屋は空室であることが多く、入るだけで7秒のロード時間を強いられる。フラグ取得が分かりづらい、数回話しかけないと話が進展しないことがある、特定の時間に特定の場所にいないと発生しない必須イベントなどテストプレイが明らかに不足している。RTA走者をして「初見勢は全員に5回ずつ話しかけないと攻略不可」と言わしめた鬼畜難易度である。なおファミ通からのアンケートに対して15時間~20時間でクリアできると回答していたが、開発者は遊ぶ人全員をニュータイプと想定していたのであろうか。


擁護編集

 唯一BGMはバリエーションに富み、世界観に膾炙する良い要素である。またシナリオは後半の盛り上がりやマルチエンドも悪くないという擁護があるが、仕様が上記の有様なのでクソゲー扱いも仕方がない。そもそも擁護者の中には動画サイトで見ただけの層も多く、プレイ動画の場合はフリーズのカットやローディングの省略などクソ要素を極力排除したものが多いことには留意。


リアル申し開き編集

2009年にクソゲーを取り扱ったやる夫スレにおいて、本作を取り上げたことがあった。

その際に本作のプロデューサー(以下Y氏)に直接取材を申し込み、内情について詳細を聞き取っていた。

『ある企業』の下請けで作らされていたということや、最後まで抵抗したものの体裁だけ整えたものを送り届けてしまったという、ユーザーへの謝罪も込めた内容となっていた。

さらにスレに投下後にY氏本人が登場(騙りを疑う者もいたが、Y氏本人がブログで認めている)。現在のゲーム業界の内情等について吐露し、軽く祭りとなった。


しかし、本人降臨ということで熱狂する者もいる中、Y氏の主張は本作のスタッフロール等やHPと矛盾することや、「内情」に関しても「海外に遅れている」「GAEはスクエニを目指している」という事実無根や大いに推測を含む主張であったため(例えばY氏は「日本はブラック体質だが海外は違う」と主張していたが、実際は海外のゲーム業界もピンキリであり、日本で遊べるような作品が上澄みでしかない…等)、Y氏の言い分を訝しむスレ民やまとめブログのコメントもあった。

とはいえ「製作側の告発」ということからY氏の主張は多くの人が信じており、まとめサイトのコメントではY氏の主張からゲーム業界を憂うコメントが多数投稿。

ゲームカタログアニヲタwikiにも「ゲーム業界を志すものは必見」という文面でこの一件は掲載されていた。


だが10年後の2019年、制作会社のひとつであるダフトの元社長があるYouTubeチャンネルに出演した際にこの一件に反論。

元社長の主張は要約すると「本当の元凶はY氏であり、自分が逃げ回って起きた失敗を他人のせいにしているだけ」というものであった。

Y氏はやる夫スレの取材では「自分は頑張ってゲームの体裁を整えた」としていたが、実態は何もしないために元社長にクビにされ、プログラマーがその尻拭いをしていた結果だったとのこと。ゲーム自体も、本作は逆転裁判のようなゲームとなっているが、元は「大奥を作るシミュレーションゲーム」として提案されたものだったという(ローディングの長さや妙に多い部屋や差分キャラの理由はこれ)。

10年間沈黙していた理由は「クソゲーであることは事実、反論するのもおかしいと思っていた」ということだが、10年経過したことで思うところもあり口を開いたとのこと。

Y氏の主張と真っ向から対立しているものの、元社長の方が筋道だった言い分であることから現在ではこちらの方が信憑性が高いとされている(Y氏が後年になってブログやTwitterで過激な発言を繰り返していることも理由ではある)。


なお、件のやる夫スレを見直すと「大奥記を取り扱ったわずか2話でエタる」「Y氏に容易に取材かつ全面的にY氏寄りの発言」「主張がY氏とほぼ同様な上に『クソゲーを笑いものにするユーザーにも問題がある』という制作者目線なまとめ方」…など、断定こそできないものの非常に怪しい部分もある。


とはいえ、まさかのリアル申し開きが行われたことは今も巷では語り草となっている。




関連タグ編集

クソゲーオブザイヤー 大奥

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