概要
CV:石谷春貴
主人公で語り部。高校1年生。15歳。ヒロイン・大好真々子と単身赴任中の父・隼人の一人息子。
思春期の高校生らしく、カッコつけたがりであるのと、若すぎる見た目の真々子を母親と思えず、苦手意識を持っているなど繊細で複雑な思いを抱えている。
学校で配られた内閣の匿名アンケートにうっかり自身の氏名を書いて提出したため、政府に特定されて派遣された調査員の女性・白瀬真澄に真々子と共にゲームの世界へ参加することになった。
聖剣選びに真々子が軽々と二本とも抜き取り、扱った威力がチート級であるため「通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃できるんだぞ!?」とタイトル回収。
ゲーム内において実力はそれなりにあるが、母に実力も人望も負けているためPT内の扱いは低く、(あきらめもあってか)その分、立ち直りも早い。
なお、内閣アンケートで書いた「母親とMMOに参加すれば仲直りできるか?」の問いに「できるんじゃないの?」と曖昧に書きつつも、心底では子離れできない真々子との関係を上手くやっていきたいと渇望している節が見られた(その願いは早く叶うことになるのだが)。
ちなみにゲームに参加する前の真々子はかなり追い詰められており、「息子との接し方がわからない」と電話越しに泣きながら父親に相談していた。
戦闘面ではあまり活躍しなかったが、原作5巻では四天王の一人・フラテロを撃破し、原作8巻では黒幕であるハハーデスを倒すという快挙を成し遂げている。
今まで母親に対して素直になれなかった真人だが原作9巻にて転機が訪れる。
真々子が「魔神マムモーネ」に捕まってしまい身体の動きを操られてしまう。母に剣を向けられながらも真人は、今までの態度は「母さんなら許してくれると思って甘えていた。母さんは悪くない」と素直な気持ちを口にする。これによって真々子の洗脳は解かれ、母子関係は不動のものとなった(真人の態度も大人らしい振る舞いになっていった)。
10巻ではついに父・隼人が登場。当初は美少年剣士ホークに姿を変えていたため気づかなかったが、11巻(最終巻)にて正体を知る。父親は経営コンサルタントという形で運営に協力しており、真人に最終試験を与えるために遣わされた試験官でもあった。
つまり真人は社長(所長)の息子ということになるのだが「コンサルタント」における父親の立場がはっきりしないのでその辺りは不明(経済力を攻撃力に変換するスキルを持つのでお金はあるらしい)。ただし父親は運営には一切かかわっておらず、妻子が参加していたことも最近知ったようだ。
ちなみにシラーセは真人と隼人の関係を知っており、彼女が真人に目を付けていたのはこれが理由のようである。
父親は魔王隼人を名乗って息子に試練を与える。それは二人でギルドの仕事をどれだけこなせるかというものだった。父親は見てくれや振る舞いから受付嬢の信用を得ていたので大きな仕事を任されたが、真人は信用がなかったので小さな仕事しか与えられなかった。しかもNPCたちの記憶がリセットされていたので「真人とは初対面」という状態になっていた。ワイズたちも手を貸すべきではないとして静観の構えを取っていた。
一人の男としてゼロから人間関係を再構築して行く中、父親との扱いの差に腹が立っていた真人だが、見栄を捨てて黙々と仕事をこなす内に周囲から見直されるようになる。ワイズたちは真人に協力し始め、受付嬢も身だしなみを整えた真人を少なからず見直した(回された依頼は相変わらず小さいものだったが)。
そして最後のテストとして真人は魔王隼人と直接勝負を演じる。父親の力は息子を完全に上回っていたが、真人も最後の意地でお互いの剣を砕くことで相打ちに持ち込んだ。
勝負の続きは父親の提案により「お互いの生き様」で続行することとなった。父と子のように守る守られる関係ではなく、男と男として張り合って生きる。それが魔王隼人が息子勇者に求める絆の形であった。
政府としては子供がゲーム依存症になるようなものをリリースするわけにはいかず、真人が自分の意志で「MMMMMORPG(仮)」から飛び立てるか試していた。既に親子関係が改善された真人たちには「MMMMMORPG(仮)」が正式に稼働しても参加資格はない。それでもゲームをクリアするのかと問うシラーセに対し、真人は迷いなく「前に進むと決めた」と答える。後は天空の遺跡に安置された転送装置で現実世界に戻るだけ……なのだが。
真人のゲームクリアに賛同しない者が一人だけいた。それは母親の真々子だった。
彼女は「息子が現実世界に戻るとまた親子関係が崩れてしまうかもしれない」という不安を抱いており、最強の母親スキル「母の三位一体」によって超巨大化。メガ真々子となって真人を捕まえようとする。
真人は仲間たちの協力で天空の遺跡まで辿り着くが、あえて現実世界には戻らず真々子を待ち構える。そして追いついた真々子に向けて「俺は腹が減った。家に帰って母さんの手料理が食べたい」と口にする。母親としては息子にそう言われたら嫌とは言えず、更にワイズたちの説得によって築き上げた関係はもう崩れないと改心させた。
最強の母親でも絶対に勝てない者。それは他ならぬ息子のお願いであった。
エピローグではゲームを卒業して学生生活に戻るが、シラーセから「社会の闇をテーマとしたMMORPG」のテスターに選ばれる。そして先にログインした母親たちを追うべくワイズたちと共に再びゲームの中へ旅立つところで物語は終わる。